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フランス史上最大の英雄と言えばナポレオン・ボナパルト。ですが今回紹介するのは、一代で成り上がった皇帝や天才的な戦略家としてではなく、女性たちに夢を与えた一人の男性の姿。ミステリーハンター・竹内海南江さんが、恋多き男ナポレオンの恋愛模様からその素顔に迫ります！
ナポレオンの恋の相手には・・・、受身で生きていくタイプのデジレ、目の前の現実から最大限の幸せをつかみ取るジョゼフィーヌ、運命に流され生きていくマリー・ルイーズ、無条件の愛を捧げるマリー・ヴァレフスカなど、個性豊かな女性たちがいました。彼女たちを通して、今回は愛される女性の条件も見えてくるといいます。まずはお手伝いさんに扮して、さまざまな恋の駆け引きを目撃した竹内さんにお話を聞いてみましょう。

Ｑ．ひとりの男性として、ナポレオンに注目されるそうですね？

今回は恋人たちという側面から、フランスきっての英雄ナポレオンを探っていきます。そこには商人の娘からオーストリアのお姫様まで、身分も性格も違う様々なタイプの女性たちがいたんですよ。一兵士から皇帝まで登りつめたナポレオンですから、当時は時の人として相当モテたはずですし、まさに英雄色を好むですね。もちろん軍隊を従えて各地に遠征したり、政治を執り行う忙しい中で、ナポレオンはちゃんと恋愛もしていたんです。それもひとつ、ひとつ、本当に真剣に恋をしているんですよ。そこから彼の人間的な魅力が見えてくると思います。ナポレオンの恋は自分が出世をすることで、相手の身分や恋愛の仕方も自ずと変わっていったようですが、好みのタイプは小柄で金髪で青い目の女性と決まっていたようですね(笑)。

Ｑ．ナポレオンには英雄である以上に女性の心をつかむ魅力が？

とてもまめですね。恋愛について労を惜しまないし、宝石をプレゼントするのも好きだったようです。それだけで十分にモテる男性の条件を満たしていますよね(笑)。でもさらに見えないところでも努力しているんですよ。また驚かせるのが好きで、マリー・ルイーズを妻として迎えるときも、いろんな準備のほかに、ナポレオンならでは演出があったんです。
オーストリアのお姫様だったマリー・ルイーズは、自分の国からナポレオンのいるフランスまで馬車で延々と向かうんですが、その途中の町ではナポレオンと結婚する女性が来るわけだから、お祝いの会などが開かれますよね。でも本人にしてみれば、繰り返されるセレモニーに段々飽きてしまうし、本当ならすぐにナポレオンに会いに行きたいのに、そうもいかない状況。そこへ突然、ナポレオンは現れるんです。お姫様の置かれた状況を見越して、忙しい公務の合間をぬって、目立たないように側近一人だけを連れて60キロも馬を飛ばしてやってくるんです。そしてお姫様の馬車をいきなり止めて、「何事か！」って騒然とする中で、バッとマントなんかを取るんです。これは女性にしてみたら「白馬に乗った王子さま」そのもの、まさしく大イベントでしょ？ しかもお姫様にとっては、肖像画でしか見たことのないナポレオンとの最初の出会いなんですから、もうドラマのようですよね。

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