審判で再びグラウンド目指す

	投手 （５１）背尾　伊洋せお　よしひろ （２７歳＝９年、大阪、右右）
	（試）（勝）（敗）（Ｓ）（回）　　（防） 　２２　１　　２　　０　５５･1/3　３．２５
（１）大阪桐蔭―近鉄（２）９１年５位（３）８００（５６３０）（４）未定（５）近鉄時代の９６年に完封できたことが１番の思い出です

　「毎年、審判の採用があるわけではないので難しいんですけどね。パ・リーグの方にもお願いだけはしてあります」と声は明るい。９年間、世話になった日本のプロ野球でジャッジをふるいたい気持ちが強いという。

　近鉄に１９９２年（平成４年）に入団し、９８年に巨人へ移籍した。右ひじの故障で巨人では１軍登板は１度もなかった。「けがばかりでしたからねえ。ファームの人たちと楽しくやらせてもらえたことは、ホントにいい思い出になりました」。痛みはなかなか引かなかった。苦しみ抜き、現役時代に終止符を打つしかなかった。

　同じ右ひじの故障で２軍生活を共にし、同じ日に自由契約を告げられた橋本が言う。「いいやつだからね。リハビリの時は、おれの方がダメなんじゃないかと思ってたよ」。明るい性格でチームのだれからも愛された。ダイエーへテスト入団が決まった橋本は背尾を心から応援する。「立場は変わっても、同じグラウンドに立てればいいね。頑張ってほしい」。

　故障と付き合い続けた右ひじを「ストライクッ」と高々と掲げる。夢は、まだ終わっていない。【今井貴久】