鹿児島銀行は16日、4月1日を基準に3.0%のベースアップ(ベア)を実施すると発表した。同行のベアは1996年以来19年ぶり。「地域のリーディングカンパニーとして地域経済に好循環を波及させる」(人事部)として上げ幅は異例の高水準とした。労働組合の3%のベア要求に対して満額で回答した。
多くの従業員を抱える地方銀行の所得環境の改善の影響は大きく、競合や他業種にもベアの動きが広がる可能性がある。
鹿児島銀の上村基宏頭取は2月に開いた記者会見で「地域ナンバーワン企業としては先陣を切ってベアをしないといけない時期にさしかかっている。多少無理をしても前向きに対応したい」と話していた。
金融機関は90年代後半の金融危機後にベアを凍結していたが、昨年は3メガバンクが0.5%のベアを実施した。今年は鹿児島銀を皮切りに地銀にも動きが波及しそうだ。金融業界の人材獲得競争は激化しており、鹿児島銀が高水準のベアに踏み切ったことで、他の金融機関も追随する可能性が高まる。
ベア、鹿児島銀行、上村基宏