東証前引け、続落 一時1万9000円割れ、日銀短観や米株安が重荷
1日午前の東京株式市場で日経平均株価は続落した。午前の終値は前日比171円36銭(0.89%)安の1万9035円63銭だった。一時は下げ幅を270円超に広げ、取引時間中として12日以来およそ3週間ぶりに1万9000円を下回った。日銀が朝方発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)で、大企業・製造業の業況判断指数(DI)が前回から横ばいとなり、改善を見込んでいた市場予想を下回ったことで景気敏感株など主力銘柄の売りを誘った。前日の欧米株安も重荷だった。ただ、短期筋の先物売買が値動きを増幅させた面も大きく、その後は急速に下げ渋る場面もあった。
日経平均は朝方から下げ幅を広げ、一時1万8900円台前半に下落した。新年度入りに伴い、金融機関が益出し目的の売りを出しているとの指摘がある。今年度の売却益目標を早めに達成するため、最近上昇が目立っていた医薬品や食品、小売株などに利益確定目的の売りを膨らませたという。
日経平均がチャート分析上の節目である25日移動平均を割り込んだことも、一段の利益確定売りを招いた。
ただ、売り一巡後は前日比60円安程度まで下げ渋る場面もあった。短期筋による株価指数先物への売りが一服したほか、下値では個人投資家の押し目買いも入ったもよう。前日に続く大幅安となったことで、「日銀が上場投資信託(ETF)買いを通じて相場の下支えに動く」との思惑も浮上した。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続落した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆4503億円、売買高は12億6481万株。東証1部の値下がり銘柄数は1435と全体の約4分の3に達した。値上がりは328、変わらずは113だった。
KDDIや京セラ、エーザイなど値がさ株の一部が売られた。一方、ソニーが1%超上昇し逆行高となったほか、ファストリや三越伊勢丹も堅調だった。
東証2部株価指数は反落した。朝日インテクやコメ兵、指月電が下落した。半面、象印やエルミック、三社電機は上昇した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕