第834回
テルミン 知られざる20世紀の天才
2003/07/19(土) 21:00〜
原 理恵子（はら りえこ）
1981年8月3日生まれ。神奈川県出身。レポーターなどでテレビ、ラジオ、グラビア等で活躍中。趣味は、テニス、読書、料理、そしてマンガ喫茶に行くこと。特技はピアノ。ミステリーハンターは今回で3回目。
みなさんはテルミンと呼ばれる楽器をご存知ですか？ それは世界で唯一、手を触れずに音楽が奏でられる不思議な電子楽器のこと。発明者はその名前にもなった、レフ・セルゲイヴィッチ・テルミンです。彼は電子楽器・テルミンをはじめ数々の発明品を生み出し、後にソ連のエジソンとまで言われた天才。しかし豊かな才能ゆえに、ロシア革命から第二次世界大戦を経て、米ソ冷戦というソ連激動の20世紀の中で人生を翻弄されます。そして彼には、音楽家や発明家という表向きの顔とは別に、隠された素顔もあったといいます。その秘密を探りに、今回ロシアへ向かったのはミステリーハンター・原理恵子さん。天才の波乱に満ちた人生に迫ります！
また難しそうな電子楽器テルミンの演奏にも挑戦した原さんですが・・・、美しい音色を響かせることはできたのでしょうか!?
Ｑ．この取材を通して、ロシアの印象が変わった？
テルミンが生まれたサンクトペテルブルグは、想像していたよりもずっと美しいところでした。私のイメージするロシアは、建物が整然と建ち並ぶちょっと暗い感じでしたので。でも実際はとても賑わっているんですね。北のベニスと言われるだけあって、ヨーロッパの歴史を感じる建物の間を川が流れ、街にはきれいなお花もいっぱい。着いた時はちょうど遷都300年のお祝いが盛大に行われていました。パレードや花火など、美しい街並みがお祝いムードに包まれる様子は、番組の中でぜひご覧になって下さいね。
予想外で困ったことといえば、気温差。最初の取材地はモスクワで、到着した時は東京よりも暑かったんです。用意していた半袖の衣装でちょうどいいくらい。ところがサンクトペテルブルグに移動して４日目ぐらいから急に気温が下がって、帰るまでずっと真冬みたいな寒さに！ でも持っていた衣装は薄手のものばかり・・・、これにはちょっと参りました。
Ｑ．今回のテーマ・テルミンのことは以前から知っていた？
天才・テルミンさんについては知りませんでしたが、電子楽器のテルミンは以前、ある楽器店で演奏会が行われているところを、偶然見かけたことがありました。でもその時は、あれがテルミンだとは知りませんでしたし、さほど興味も湧かなくて。だから今回の取材内容を聞いた時に、「・・・もしかして、あれのこと？」って思い出した感じですね。
Ｑ．テルミンを弾いた感想は？
テルミンは楽器といっても、見た目や弾き方がちょっと変わっているんです。簡単に言うと２本の棒があって、１本は音の高さと低さ、そしてもう１本は音の強弱に使います。直接棒には触れずに、腕から先の部分を棒に近づけたり遠ざけたりしながら音を調節するんです。ピアノを弾く時みたいに右手と、左手で違う動きをするから、どちらか一方の手に気をとられると、もう大変！ しかも私、オンチなんですよ。だから本当にわけがわからなくなってしまって。
――オンチとテルミンの演奏って、関係あります・・・？――
あります(笑)！ テルミンは、まず耳で聞いて覚えなくちゃいけないんです。それに一体どこが"ド"だか"レ"だか、目で見ても分かりませんし。ひたすら自分の中の感覚や音階を頼りに手を動かして、音を探り当てるんです。でもなかなか上手く出来ずに、鳴り響くのは私の想像を超えた音ばかり！ 焦ってしまうし、本当に混乱しました。周りにいた人たちはやさしく見守っていたものの、多分、気分が悪くなっていたと思います(笑)。
――テレプシトンという楽器にも挑戦しましたね――
テレプシトンはテルミンをもとに作られた楽器で、さらに難易度が高いですよ。手はもちろん、身体全体を使って演奏しますから。身体を小さく丸めたり、逆に両手を広げて大きくなったりしながら、メロディーを奏でるんです。私の場合は、かなりオマヌケな格好になっていました(笑)。 テルミン奏者のリディアさんが、テルミンやテレプシトンを目の前で演奏してくださいましたが、その動きはとても優雅。美しいメロディーも、その余韻もとても同じ楽器とは思えません。本来の音色はそんな、心がやすらぎ癒されるようなカンジです。みなさんも番組で、その音色に耳を傾けてみて下さい。
つづく
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テルミンが生まれたサンクトペテルブルグは、想像していたよりもずっと美しいところでした。私のイメージするロシアは、建物が整然と建ち並ぶちょっと暗い感じでしたので。でも実際はとても賑わっているんですね。北のベニスと言われるだけあって、ヨーロッパの歴史を感じる建物の間を川が流れ、街にはきれいなお花もいっぱい。着いた時はちょうど遷都300年のお祝いが盛大に行われていました。パレードや花火など、美しい街並みがお祝いムードに包まれる様子は、番組の中でぜひご覧になって下さいね。
予想外で困ったことといえば、気温差。最初の取材地はモスクワで、到着した時は東京よりも暑かったんです。用意していた半袖の衣装でちょうどいいくらい。ところがサンクトペテルブルグに移動して４日目ぐらいから急に気温が下がって、帰るまでずっと真冬みたいな寒さに！
でも持っていた衣装は薄手のものばかり・・・、これにはちょっと参りました。
テレプシトンはテルミンをもとに作られた楽器で、さらに難易度が高いですよ。手はもちろん、身体全体を使って演奏しますから。身体を小さく丸めたり、逆に両手を広げて大きくなったりしながら、メロディーを奏でるんです。私の場合は、かなりオマヌケな格好になっていました(笑)。
テルミン奏者のリディアさんが、テルミンやテレプシトンを目の前で演奏してくださいましたが、その動きはとても優雅。美しいメロディーも、その余韻もとても同じ楽器とは思えません。本来の音色はそんな、心がやすらぎ癒されるようなカンジです。みなさんも番組で、その音色に耳を傾けてみて下さい。
