Q.江戸が呪術的都市計画に基づいてつくられた、と知った時は? |
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今回の台本を読んだ時は「ヘーッ…?」って、言葉にならないオドロキがありました。呪術的なパワーが集まるように、風水や陰陽道をもとに細密に計算された上で、江戸の街がつくられていたなんて…!取材を重ねるうちに、これまで当たり前に暮らしてきた東京が、すごく神秘的に見えてきました。中でも、以前よく遊びに行っていた神田のあたりは、特に不思議な気が!!。詳しくは番組で紹介しますが、神田は、神田明神に祭られたある武将の胴体部分、つまり"からだ"が変化して出来た地名なんだそうです。都内には、そういった宗教的な理由付けから出来た名前や、場所がいくつもあるんですよ!そんないわくのある場所なので、神田明神の取材前は失礼がないように、念入りにお参りをしました。 |
Q.江戸幕府誕生の黒幕と言われる、天海僧正の印象は? |
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徳川政権をパワーアップさせるために、天海が風水や陰陽道をもとに実行した計画は、江戸に限らず日光や静岡県の久能山まで、とても広範囲にわたっているんですよ。大規模な構想を考え付いて、しかも便利なコンピューターなんかない時代に、その計画をきちんと実現しているんですよね。実際に私も方位磁石を使って、東西南北の方向を調べてみたんです。すると…その向きはピタリと一致。ちょっとゾゾッとくるような怖さと、天海のスゴサを感じました。
そういえば天海のことを調べながら思い出したのが、以前エジプトで取材した天才建築家・イムヘテプ(800回突破!!超ミステリースペシャル:バックナンバー参照)。建築家であり、宗教にも通じていた彼は、時の権力者を守るために才能を発揮した人物です。時代も場所もまるで異なるけれど、2人の間には何か通じるものがあるように思えました。権力者の影には、必ず天海のような人物が控えているものなのかも!? |
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――もしやロマンティスト? 天海の意外な一面?――
風水や、陰陽道による呪術的都市計画によって、徳川政権を繁栄させた人物…。天海が行った事実だけに注目すると、何だかコワイ人って印象しか受けませんよね。でも、天海が造ったお庭を眺めていた時、ふと「この人は、いい人なのかも?」と想ったんですよ。上野公園と言えば桜の名所ですが、もともとは天海が江戸城の鬼門(北東の方向)を守るためにつくった、寛永寺の境内だったそうです。彼はそこにたくさんの桜の木を植えて、お花が見頃になる数日間、お花見スポットとして一般の人々に開放していたんですよ。江戸庶民にとっては、すごく楽しみなイベントだったそうです。桜の開花を心待ちにする気持ちなら、もちろん私たちにもよくわかりますよね。今回は、番組の中でもキレイな桜が見られますので、そちらもお楽しみに。
天海が住職をしていた川越喜多院も、お庭がとても素敵でした。もみじの木が何本も植えられていて、秋にはまるで降る様な紅葉が楽しめるんですって!そんな自然の美しさを好んだ天海は、コワイだけの人物ではなく、意外とロマンティストだったのかも!?
…なんて考えると、呪術的なパワーを操る恐ろしい人、というイメージも少し薄れました。
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