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第815回
ファド 魂の歌を聴け
2003/03/01(土) 21:00〜


諸岡 菜穂子
諸岡 菜穂子(もろおか なほこ)
Profile
1975年4月19日生まれ。中央大学・総合政策学部卒業。
趣味は読書、散歩。特技はチベット舞踏。
文化放送「スターは君だ!」'88グランプリ受賞でデビュー以後、女優としてドラマや映画で活躍するほか、多くのCMにも登場。またラジオパーソナリティーや歌手、作詞家としても活動中。
ミステリーハンターは今回で4回目(スペシャルの回は含まず)。
 

Interview
 

みなさんはファドという音楽をご存知ですか?15世紀に大航海時代の幕を切って落とし、栄光と繁栄を極めたポルトガルで生まれたとも言われています。でもなぜか、その音色は繁栄とかけ離れた物悲しい響き…。そして現在もファドは、ポルトガル人の魂の音楽として歌い継がれています。ファドに秘められたポルトガルの歴史や、人々の思いを伝えてくれるのは、ミステリーハンター・諸岡菜穂子さん。ポルトガルで実際に聞いたファドの感想など、いろいろとお話をうかがってみましょう。

後ろにあるのは「発見」のモニュメント。人間の像は等身大で、なかなか大きかったですよ

 
Q.ポルトガルの印象は?
  これがこの街に必要不可欠なケーブルカー。かわいいですよね紺碧の空の下に広がる、趣のある街並みや雰囲気は本当に魅力的でした。ポルトガルは冬でも10度以下になるのはごく稀だそうですし、年を取ってから大事な人と訪れるのにとてもいい場所だなって思ったりも(笑)。でも今回の取材は、なんと1956年以来の大寒波に見舞われて気温1℃!それでも帰国する頃には18℃くらいまで上がって、すっかり暖かくなってました。
首都・リスボンはめったに雨が降らない土地だそうですが、私たちが取材に訪れる直前はエルニーニョ現象の影響らしく、あいにくの雨……。もともと交通事故が多いうえに、その雨が降ると途端にみんな運転があやしくなると聞いて、ちょっとドキドキしたりも。移動中に事故を見かけた時は、思わず運転手さんに「もう少しゆっくり走って下さい」とお願いをしました(笑)。
さすが大西洋に面したポルトガル。ここは川だけど海の香りがする、テージョ川です ポルトガルの人たちから感じたのは、私たちの感覚からすると一見、合理的じゃないように見えて実はすごくゆとりがあるのかな?ということ。例えばロケバスの運転手さんは、私たちが「え、そこに車を止めるの?」と思うような場所に平気で駐車するんですよ。後ろに車が続いているから私たちはすごくあせるのに、運転手さんは「いいのいいの!今荷物を降ろしましょう」って(笑)。でも東京と違ってクラクションをビービー鳴らされる展開にはならないんです。ケーブルカーも満員になったら出発するのんびりムードで、時刻表は見当たりませんでしたね。
Q.ファドについての感想は?
  ファドは今回の取材に行く前に初めて、伝説的な歌手と言われるアマリア・ロドリゲスのCDを聴いてみました。伴奏のギターの優しい音色とは対照的に、彼女の声はどこか研ぎ澄まされた鋭い感じがして、正直、私の普段の生活の中で聴くのには違和感を覚えました。その時はアマリアの歌声に何か感じることもなかったんです。ポルトガルでは、リスボンのファドハウスでライブを聴きました。その歌手の方はアマリアに強く憧れていて、歌い方もそっくり。すると、すごく伝わるものがあるんですよ。夜の空気に包まれながら、お酒を少し飲みながら、そしてファドが生まれた悲しい背景を知った上でファドを聴くのは、CDとはやっぱり違うのかも。CDは録音された「音」のみを再生するから、ファドそのものが発する雰囲気や魅力といった、そのほかの情報はかなり減ってしまうのかもしれませんね。

アマリアの棺が置かれているパンテオンにて アマリアの信頼が厚かったギタリストの方。来日されたこともあるそうです


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