―実際にお花畑を見た印象は?
咲いたら、 辺り一面がもう花、花、花!ここまでいっせいに花が咲くなんて、そうないと思います。以前ヨーロッパの牧草地で、菜種油を採るための菜の花畑がまっ黄色になっていたのは見ましたが、人工的に作られたものではなく自然に咲いた花で谷間までオレンジや紫、ピンク色に染まっているのは初めてでした!
南アフリカは世界で最も花の種類が多く、また私たちにもなじみ深い花の原種も。大別すると球根や種から咲くもの、サボテンのような多肉植物などに分かれるそうです。それぞれが特徴を持って咲いている中、今回の取材では可憐でかわいい感じの花がたくさん見られました。でも何より驚かされたのは、その咲きっぷり!車のわだちでは、踏みつけられたにもかかわらず咲いてる。斜めに傾いてしまっても咲いてる。そんな花ばかりなんです。それに花が生えているのは、どちらかというと土よりもパウダーに近い砂。夏が過ぎれば荒野になる土地です。おまけに花が地面から顔を出す前、土の中ではたくさんの種類の花々が準備を整えながら咲くチャンス待っている生存競争のキビシサも。10日間ぐらいの限られた期間しか咲けないのに、自分が咲くための条件が揃うまで、土の中で何十年も待っていられる花もあるらしいですよ。「一体どうやってるんだろう?土の中で何やってるんだろう?」って考えずにはいられないものがありました。命って本当にスゴイなって思います。自分達の遺伝子を確実に残すために、花々がいかにして開くのか?一面に咲く花々の美しさと同様に、それが今回の見所です。
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