改憲“踏み絵”迫られた蓮舫氏 安倍首相から「指導」も…党分裂につながりかねない憲法論

 民進党の蓮舫代表が“踏み絵”を迫られた。安倍晋三首相から、憲法改正について具体的提案をするよう求められたのだ。党内には改憲派から護憲派までおり、振れ幅が大きく、党分裂につながりかねない。党内の求心力を失いつつある蓮舫氏は“パンドラの箱”を開けられるのか。

 蓮舫氏「新聞では気持ちよく話し、国会で話さないのは責任放棄だ」「憲法の何を変えたいかではなく、自分が総理のうちに変えたいとしか見えない」

 安倍首相「将来どういう国を目指すのか、具体的な提案を憲法審査会に提出していただきたい」

 蓮舫氏は9日の参院予算委員会で、安倍首相に舌鋒(ぜっぽう)鋭く切り込んだ。安倍首相はいつもの揚げ足取りと感じたのか、蓮舫氏に反撃する余裕すら見せた。

 安倍首相は、憲法記念日(3日)に合わせた読売新聞のインタビューなどで、「2020年を『新しい憲法』が実施される年にしたい」「(憲法9条について)1項、2項をそのまま残し、自衛隊の存在を記述することを議論してもらいたい」と述べた。

 安倍首相は9日の同委員会でも、「まずやるべきは自衛隊についてだ。憲法学者の7、8割が違憲と言っている状況を変えるのは、私たちの世代の責任だ」「政治家に大切なのは立派なことを言うだけでなく、結果を出さなければいけない」などと語り、蓮舫氏に対し、憲法について民進党の独自案を出すように迫った。

 ところが、蓮舫氏はこれに真正面から答えなかった。民進党にとって憲法論は党分裂につながりかねない“鬼門”だからだ。

 最近も、細野豪志元環境相が改憲私案を発表し、その後、執行部との路線の違いを理由に代表代行を辞任した。本格的な憲法論議はタブーともいえる。

 蓮舫氏はこの日の質疑後、記者団に「(憲法に関する党内の意見集約について)逃げていない」と答えた。北朝鮮や中国の現実的な脅威を前にして、国民や国をどう守るのか、自衛隊を憲法にどう書き込むのか。民進党としても、蓮舫氏としても真価が問われている。

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