今、朝鮮半島では戦争小説でも表現できぬ恐ろしい事態が起きようとしている 邦人脱出計画の立案は間に合うか

【野口裕之の軍事情勢】

 しゃべり過ぎる…

 「都民ファースト」を標榜する東京都の小池百合子知事でも、学校法人「森友学園」を一躍有名にした籠池泰典氏でもない。在韓米軍や韓国軍が、唖然とするほど「饒舌」なのだ。

 韓国軍関係者が地元メディアを通し、北朝鮮指導部「除去」を狙った、韓国軍隷下に入らない米軍特殊作戦部隊の動きをリークするかと思えば、在韓米軍が北の大量破壊兵器(WMD)施設破壊を狙った秘密訓練を明らかにする。過去の事例に照らせば、朝鮮労働党の金正恩委員長への「警告」と断言するところだが、日を追って現実味を増す朝鮮半島有事を考えると、もはや「警告」の時期は過ぎた。

 むしろ、机上に並ぶ数多の作戦計画を小出しにし、部隊移動はじめ、慌てて防衛態勢を変える北朝鮮・朝鮮人民軍の動きを釣り出しているのではないか。籠池氏は衆議院予算委員会の証人喚問で、「事実は小説よりも奇なりであります。私が申し上げていることが正しゅうございます」と強弁した。今、朝鮮半島では、戦争小説でも表現できぬほどの恐ろしい事態が起きようとしている。

 「特殊部隊中の特殊部隊」の隠密行動までリーク 在韓米軍は3月14日、「米陸第66機甲連隊第3大隊によるソウル北郊・京畿道議政府市の米軍基地キャンプ・スタンレーでの、北朝鮮の坑道掃討訓練実施」を公表した。北朝鮮の地下坑道を模した施設に侵入し、敵を片付ける訓練で、特に、大量破壊兵器の発射支援施設や貯蔵施設を破壊したり、地下坑道で息を殺す金正恩氏を含む指導部の主要幹部を除去したりする作戦が念頭にある。

 秘匿すべき具体的担任部隊名や訓練地、訓練目的まで事細かに説明する念の入れようだ。

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