東芝株主総会 総合電機メーカーの面影、今やなく… 売上高は日立製作所の半分以下に

 東芝の稼ぎ頭である半導体メモリー事業の分社・売却が、30日の臨時株主総会で承認された。29日には海外の原発事業を担う米子会社の破綻処理を申請し、不正会計問題後に半導体と原発事業を柱とした再建シナリオは大きく崩れた。社会インフラ事業中心の企業として再スタートを切るが、道のりは険しい。

 「名門の東芝が破綻しているんですよ」。30日の臨時株主総会では経営陣に辛辣(しんらつ)な言葉が浴びせられた。

 かつてさまざまな事業を手がけた総合電機メーカーの面影は今やない。米原発事業で計上した巨額損失で負債が資産を上回る債務超過になっただけでなく、グループで約17万人(平成28年9月末)の従業員を抱える東芝の企業としての姿も様変わりする。

 不正会計問題発覚後に損失を抱えた際は、白物家電と医療機器事業を手放した。今度は利益の大半をたたき出す半導体メモリー事業を売却する。経営危機の度に成長事業であっても売れやすいものから切り売りした結果、東芝の「解体」は進行し、次の稼ぐ力を見いだすのが難しくなった。

 ピーク時の19年度に7兆6千億円あった売上高は31年度には4兆2千億円と、競合する日立製作所の半分以下になる見通しだ。規模の縮小は投資や人材の確保などの面でもハンディとなり、今後の成長戦略にボディーブローのように来る。

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