大人の糖質制限食は定着した。では子供は…

 当連載でも何度か紹介してきましたが、高雄病院における糖質制限食は1999年、兄の江部洋一郎院長(当時)が導入しました。当初は半信半疑だった私も、2001年に糖尿病患者さんの治療に初めて導入し、劇的な改善を得ました。そこからは、病院をあげて研究を開始し、私も海外の論文を読み勉強しながら、糖尿病患者さんの治療にあたりました。ほとんどの患者さんにおいて、食事療法だけで、食後血糖値はリアルタイムに改善しました。

 研究開始から4年間の成果をまとめて、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」(東洋経済新報社)を、世に出…

今月はあと5ページまで無料です。

残り3028文字(全文3302文字)

無料・有料・愛読者会員(宅配読者)について、詳しくはこちら

江部康二

江部康二

高雄病院理事長

えべ・こうじ 1950年生まれ。京都大学医学部卒業。京都大学胸部疾患研究所(現京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学)などを経て、78年より医局長として一般財団法人高雄病院(京都市)に勤務。2000年理事長に就任。内科医、漢方医。糖尿病治療の研究に取り組み、「糖質制限食」の体系を確立したパイオニア。自身も02年に糖尿病であることが発覚し、実践して糖尿病と肥満を克服する。これまで高雄病院などで3000人を超える症例を通じて、糖尿病や肥満、生活習慣病、アレルギーなどに対する糖質制限食の画期的な治療効果を証明し、数々のベストセラーを上梓している。

北海道大学COI×医療プレミア