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 昨年4月の熊本地震の犠牲者が21日、200人を超えた。大分県由布市と熊本県阿蘇市が男女計5人を地震後に体調を崩すなどした「災害関連死」に認定したと発表し、死者は両県で計204人となった。大分県内で熊本地震の死者が認定されるのは初めて。

 204人のうち災害関連死は149人。倒壊家屋の下敷きになるなどして亡くなった直接死50人の3倍となった。昨年6月の豪雨で、地震で緩んでいた土砂に巻き込まれて亡くなった5人も犠牲者に含まれる。

 災害関連死の9割超が60歳以上。高齢者が自宅や病院で被災し、持病を悪化させたり、心身の疲労で衰弱したりした例が目立つ。

 地震後の体調悪化の中では、「エコノミークラス症候群」(肺塞栓(そくせん)症など)も含めて車中泊後に亡くなった人が少なくとも33人。病院や高齢者施設が被災し、転院や移動中に亡くなった人が少なくとも27人いた。

 関連死の最年少は被災した母親から帝王切開で生まれ、敗血症で亡くなった生後約3週間の女児。地震の被害やその後の生活を苦に自殺した人も4人いる。

 関連死のうち10人は「個人が特定される恐れがある」「遺族の意向」といった理由で、認定した市町村が詳しい死亡の経緯や原因を明らかにしていない。