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大阪地方裁判所 昭和53年(わ)860号 決定

国籍

韓国

住居

大阪府寝屋川市高柳栄町三番の八

寝屋川センター(パチンコ店)豊平智実子方

被告人

大原春吉こと

裵春基

大正一三年八月七日生

主文

本件控訴を棄却する。

理由

本件公訴事実は別紙のとおりであるが、昭和五七年八月二四日付死亡診断書および同年九月三日付身上調査照会回答書によれば、被告人は昭和五七年八月二四日に死亡したことが認められるので、刑事訴訟法三三九条一項四号により、本件公訴を棄却する。

(裁判官 金山薫)

(別紙)

昭和五三年検第一四一六号

起訴状

左記被告事件につき公訴を提起する。

昭和五三年三月七日

大阪地方検察庁

検察官 検事 前川昭二

大阪地方裁判所 殿

本籍 韓国全羅南道光山郡大村面新壮里五六八

住居 大阪市北区菅栄町一三番一一号

職業 遊技場、賃貸アパート経営

氏名 大原春吉こと裵春基

年令 大正一三年八月七日生(五三歳)

公訴事実

被告人大原春吉こと裵春基は、大阪市大淀区長柄西一丁目一番四一号において賃貸アパート「ひとみ荘」、寝屋川市高柳栄町三番八号においてパチンコ店「寝屋川センター」、守口市藤田町一丁目一二一番地においてパチンコ店「藤田会館」、門真市野里町二番一八号においてパチンコ店「大和田V会館」、寝屋川市対馬江西町二〇番一二号においてパチンコ店「対馬会館」をそれぞれ営んでいるものであるが、自己の所得税を免れようと企て、内縁の妻井上英子及び同豊平智実子と共謀のうえ、

第一 昭和四九年分の所得金額は六八、四八三、八四八円で、これに対する所得税額は三七、一四九、五〇〇円であるのにかかわらず、売上の一部を申告から除外し、かつ前記「寝屋川センター」及び「藤田会館」の経営者は前記豊平であり、前記「大和田V会館」の経営者は内縁の妻福田静子であるように仮装して、豊平名義で所轄枚方税務署長へ福田名義で所轄門真税務署長へそれぞれ所得税確定申告書を提出するなどし、これによって得た資金を架空名義の定期預金にするなどの行為により、右所得金額のうち六五、五六七、三四八円を秘匿したうえ、昭和五〇年三月一二日、大阪市大淀区中津本通一丁目五番一六号所在大淀税務署において、同税務署長に対し、同年分の所得金額が二、九一六、五〇〇円でこれに対する所得税額が一七〇、五〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同年分の所得税額三六、九七九、〇〇〇円を免れ、

第二 昭和五〇年分の所得金額は八五、六四七、九九一円で、これに対する所得税額は四八、七三三、〇〇〇円であるのにかかわらず、売上の一部を申告から除外し、かつ前記「寝屋川センター」及び「藤田会館」の経営者は前記豊平であり、前記「大和田V会館」及び「対馬会館」の経営者は前記福田であるように仮装して、豊平名義で枚方税務署長へ福田名義で門真税務署長へそれぞれ所得税確定申告書を提出するなどし、これによって得た資金を架空名義の定期預金にするなどの行為により、右所得金額のうち八二、七三五、四九一円を秘匿したうえ、昭和五一年三月一三日、前記大淀税務署において、同税務署長に対し、同年分の所得金額が二、九一二、五〇〇円でこれに対する所得税額が一三五、五〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同年分の所得税額四八、五九七、五〇〇円を免れ、

第三 昭和五一年分の所得金額は八二、三四六、〇九一円で、これに対する所得税額は四六、五九四、〇〇〇円であるのにかかわらず、前同様の行為により、右所得金額のうち七八、六四六、〇九一円を秘匿したうえ、昭和五二年三月一五日、前記大淀税務署において、同税務署長に対し、同年分の所得金額が三、七〇〇、〇〇〇円でこれに対する所得税額が三七〇、八〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同年分の所得税額四六、二二三、二〇〇円を免れ

たものである。

罪名及び罰条

所得税法違反 同法二三八条、刑法六〇条

アッラーフの他に神はなし、ムハンマドはアッラーフの使徒なり、アリーはアッラーフの証明なり。
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