公開日付:2014.08.11
~新会社に事業譲渡し営業継続~
(株)大鳥(TSR企業コード:280156871、旧:(株)金馬車、水戸市河和田町字丹下二ノ牧3891-10、設立昭和53年1月16日、資本金1億円、高濱正敏社長)は8月11日、水戸地裁へ民事再生法の適用を申請した。申請代理人は後藤孝典弁護士(弁護士法人虎ノ門国際法律事務所、港区西新橋1-5-11、電話03-3591-7377)。
負債総額は約70億円。
昭和29年4月に高濱社長の実父である高濱正明氏が日立市内において「パチンコ金馬車」を個人創業し、32年に「レストラン金馬車」の開店を経て、同年3月に(株)金馬車(TSR企業コード:280138172)を設立した。以後、茨城県内でパチンコ店と飲食店を逐次出店して千葉県や東京都にも進出するなど積極的に事業を展開、地元ラジオCMや新聞広告などで県内では相応の知名度を有していた。平成11年7月には関連会社の(株)茨城金馬車を存続会社として(株)金馬車を吸収合併、商号を金馬車とし、ピーク時の平成18年3月期には売上高約869億6600万円をあげていた。
しかし、射幸性を抑えた出玉規制や同業他社との過当競争などで売上が伸び悩み、不採算店舗の閉鎖のための費用や遊技機の減価償却負担が重荷となって赤字決算が散発、財務内容が悪化していた。このため21年1月に一部店舗を(株)関東金馬車(現:(株)関東大鳥)に会社分割により譲渡し、23年3月に発生した東日本大震災を契機に店舗休業に伴う人員削減を行い財務の立て直しを講じてきた。これによって収益性が改善し、26年3月期は売上高約365億円に対して経常利益約11億5900万円、当期利益約6億700万円を計上した。
ただ、業界全般で低貸玉営業が常態化するなかにおいて財務内容の健全化は進まず、新台購入費用をソーシャルレンディング(新しい金融スキーム)から調達し、金融機関から設定されていた抵当権の一部がサービサーに譲渡されるなど、厳しい運営を余儀なくされていた。
26年8月1日には当社から会社分割により、新たに(株)金馬車(TSR企業コード:282308326、資本金2900万円、茨城県日立市幸町2-1-10、岡村諭社長)を設立し、旧:(株)金馬車および旧:(株)関東金馬車の店舗を譲渡し、新設会社が事業を承継することとなった。今回、債務が残った旧:(株)金馬車は、(株)大鳥に社名変更するとともに不動産等を管理する会社となり、民事再生法の適用を申請した。
なお、8月6日には主要債権者には説明会を開催し、方向性を伝えており、ホール各店舗は新会社により通常に営業が行われる。
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