「華の城」取り壊し!


2006年4月、岐阜県中津川市のパチンコ店廃墟内において、中学生の女子生徒が殺害されるという事件が発生した。
詳しくは、THE現場の事件の現場「中津川女子中学生殺害事件」を参照してほしい。
この廃墟、パチンコ屋とセレモニーホールという信じがたいコラボを実現させていた。
パチンコ屋は「CABIN」、複合施設の名称を「華の城」というらしい。
事件を受けて、いちやく県内で最も有名な廃墟になってしまった。
岐阜県内の廃墟をメインに探索している者として、内部を見ない訳にはいかないだろう。
しかし、あれだけ世間を騒がせた事件があったので、そう簡単には入れない。
そんななか、早くも取り壊しが始まったというニュースが流れた。
取り壊しが始まれば、オープンな状態になるので入ることは容易だろう。
すぐに行けば、現場はそのままの状態で残っているかもしれない。
取り壊し開始から2日が過ぎた週末、僅かな期待を込めて早速現地へと向かった。





名づけて「夜明けのイタチ作戦」
夜明け前に急襲し、さっと引き上げるつもりだった。
早朝というか深夜に家を出て、日の出前に現地入りした。
しかし・・・



まさかの24時間警備員配置!終了・・・
実にあっけない結末だった。



とりあえず裏側に回ってみる。
着手からたった二日で、こんなにも解体が進んでいた。



1階部分。パチンコ屋の面影は全くない。
おびただしい数のコード類が垂れ下がっていた。




セレモニーホールの入口も、瓦礫の山と化していた。



問題の2階部分。シャンデリアが見える。
だが、他の残留物は既に処分されたようだ。


このソファーなんかは、2階から運び出されたものではないだろうか。



産廃の一角、パチンコ玉を入れるケースが山積みされていた。



パチンコ台の部品もバラバラにされ、分別されている。



「華の城」の看板も壊されていた。
遠路中津川まで行ったものの、目的は果たせなかった。
多くの大型重機が入り、急ピッチで解体作業を進めているようだ。
完全に姿を消すまで、そう長くはかからないだろう。
更地にして、ガソリンスタンドの大型車待機スペースになるという。
事件が風化するのではないかという指摘がある一方、風化した方がいいのだという地元住民の思いがある。
あまりに特異な事件だった。
この事件を教訓にするよりも、早く忘れたいというのが本音だろう。
非常に急ピッチで進められる解体作業に、そんな意図をも感じてしまった。