函館の故郷がまたひとつ消える

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今、弁天町の「喫茶 エデン」が解体されております。

一度でもこの建物を見たことがある方でしたら、その強烈な印象から記憶に残っていることでしょう。
その姿は下の写真を語ご覧ください。

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そして、少しズームしてみると、

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この部分はこんな感じでした。

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電車通りから見ると、

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以前は

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そして、1階のトタンの壁にはこんな素敵な看板が。

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きっとこれも剥されるのでしょうね。

さて、この建物は、建築当初は遊郭だったとか、芸者遊びができるお店だったとか言われています。また、弁天町出身の世界的舞踏家・大野一雄の生家ではないかとも言われています。私が知っている範囲では、私が生まれた頃は、ここはパチンコ屋だったこと、私の遠い親戚が、一時的にここの2階に住んでいたこと。気が付いたら、喫茶エデンというちょっと妖しいお店になっていたこと。それくらいですが、どこか市の指定も受けれない、庶民風俗の歴史を残している貴重な「生き字引」であったような気がします。

華やかな立派な建物だけを残すのではなく、このようなまるで浮世絵のような建物も、本当は残して欲しかったというのが本音です。しかし、昨年の今頃エデンが閉店し、市の解体補助の切れる年度内にきちんと解体されたところをみると、勝手な推測では、補助金が歴史の解体を促進したように思い込んでしまいます。

そして、先日お伝えした「函館市空家条例」が本格的に動き出したら、いったい西部地区はどうなるのでしょうか?最悪、まるで空襲か大火にでも遭ったような殺伐とした街並みになるのでしょうか。
私は、ただただ、空地となっている場所に、素敵な新たな命が生まれ、そこに人が住んでいることを願っています。

函館は西部地区から街が発展しました。いわば函館の故郷です。しかし、時代とともにその故郷を捨てる人たちが現れました。そして、次に駅前・大門周辺という故郷も捨てました。そして今、五稜郭周辺という新しい故郷も捨てられかかっています。
函館市民は、次々と故郷を捨て、ジプシー生活を送っているだけなのです。
時代の変化とか、人口の重心の移動というもっともらしいことを聞かされても、ただ虚しいだけです。ただ、あちこちに村ができただけなのです。

再春館製薬がCMで、「女性社員を幸せにできない会社が、世の女性を幸せにできるわけがない」という内容のことを話しています。全くその通りだと思います。
歴史を観光の売り物にしている函館が、歴史を守ろうとせず、歴史ある街を捨て、どのようにして函館市民が幸せになれるのでしょうか。みんな貧しい暮らしをしながら、目先の便利さを享受することが生活の全てと思っているかもしれませんが、現実的には、市民が捨てた西部地区という故郷から仕送りをしてもらって生活をしているようなものです。しかし、その故郷がより廃れ、仕送りができなくなった時、市民はどうするのでしょうか?

どうか、錯覚から目覚めてほしいと切に願っています。歴史を守れない街は、時代に呑み込まれてただ廃れて行くだけなのです。
このことについては、詳しくまた述べようと思います。



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by jhm-in-hakodate | 2014-02-27 00:56 | 函館の街並・建物 | Trackback | Comments(2)
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Commented by ねりま at 2019-06-24 08:34 x
ホントその通り。悲しいかな。
Commented by jhm-in-hakodate at 2019-06-26 23:38
ねりま様、コメントありがとうございます。
よく函館のことを一番知らないのは函館市民だという話を聞くことがありますが、知らないからその貴重さをないがしろにされているのだろうと思っています。