内職補導所。江東区門前仲町1-19。1992(平成4)年3月20日
撮影時は「江東区内職公共職業補導所」、1997(平成9年)から「第三あすなろ作業所」という障害者通所施設になっている。
知らないと分かりづらい場所かもしれない。永代通り、葛西橋通り、それに清澄通りで囲まれた中にある。まだ現存するから、江東区では貴重な昭和初期の建物でもあり、なんとか使い続けて欲しい。
内職補導所。1992(平成4)年3月20日
以下、『東京建築回顧録Ⅲ』(読売新聞社編、1991年読売新聞社刊)の内容をまとめてみる。
昭和6年に建てられた建物を東京市が買収し、翌7年に民生食堂「東京市深川食堂」を開設する。昭和恐慌で疲弊した市民の救済策である。昭和13年に「東京市深川栄養食配給所」、19年に「都民食堂」と名を変えて、戦後まで低所得者向けの食堂としてにぎわったという。
昭和23年に「亀戸公共職業安定所深川分室」と転換する。32年に「都内職公共職業補導所」、36年に「都江東内職公共職業補導所」、54年に「江東区内職補導所」と、管轄や業務内容が変わっている。
平成元年に壁の塗り替えや窓枠の入れ替えなどの改修をして「若竹福祉作業所」となった。
第三あすなろ作業所。2003(平成15)年1月25日
階段室の窓と6個の円の装飾(窓だったかもしれない)はチョーモダンで、建った時は近所の深川の住人を驚かせたことだろ。昭和40年代の建築といっても通りそうだ。玄関のある正面を見ると、どうにか戦前の建物という感じがする。
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