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元・ホール店長カタギリのしくじり店長

元・ホール店長カタギリのしくじり店長

2018.03.21

しくじり店長・第66話『ギブアップ』

元・店長カタギリ 元・店長カタギリ   元・ホール店長カタギリのしくじり店長


何が「もっと楽しめる新感覚パチンコ」だ、馬鹿馬鹿しい、くだらねえ。  

店頭に吊り下げられたターポリン幕に大きく書かれた文字をまるで他人事のように眺めた後で、溜息と共に雑言が零れ落ちた。今日から始まることになった、いや、始めさせられることになったのが、地域で唯一となる超低貸し営業、0.5円ぱちんこだった。

既に責任者としての役割を果たせなくなったと判断されたのだろう、私の預かり知らぬところで進められたこの新たな施策は、もはや起死回生の一手ではなく、ただの延命措置に過ぎないだろう。そう思ってはいるものの、何もしなければ現状は悪くなる一方だ。双六のコマを進めるためにサイコロを振るのと同じように、順番が回ってきたらアクションを起こさなければ物事は進まないのだ。例え、行きつく先を予見しているにしても、だ。

容赦なく流れていった時間と、その潮流に飲み込まれてしまった店舗の行き詰まりを象徴するかのように、肌寒さを覚える初秋の風に煽られて頼りなく揺れる1枚の幕が、あまりにも滑稽だ。

0.5円ぱちんこコーナーはメインターゲットとなる年配客に少しでも長く遊技して頂けるようにと、シマ全体のイメージカラーを緑で統一している。緑は、安心感を与える色。その反対に4円ぱちんこのシマは来店客の闘争心を煽るための赤を、1円ぱちんこコーナーは中間色のオレンジを、それぞれ用いている。もっとも、その効果はもはや感じることもできないけれど。


余談にはなるが、時間の経過を意識させないために、店内には時計が無い。トイレに鏡が無い理由は、お客さんが自身の顔を見て、冷静にならないようにするためらしい。設備の整っていない古臭いホールには、そんな見えない罠が数多く仕掛けられているのだ。そして今も、この店はそれまで支えてくれたお年寄り達の血を、最後の一滴まで絞り取ろうと躍起になっているのだ。ああ嫌だ嫌だ、でも、やるしか無いんだよな……。 自分の意志に反していても、これもお仕事。

ヤル気スイッチはとっくに故障しているとはいえ、与えられた業務は遂行しなければならない。そしてこれが、この店での最後の取り組みとなった。

 

 

定石通りの徒労

果たして店長の枯れた意気込みを反映してか、0.5円ぱちんこコーナーの稼働は想像以上に酷いものであった。低価格の中古機と、チェーン店で撤去した旬の過ぎたかつての人気台、そして自店の倉庫から引っ張り出してきた撤去台の再設置。いかにも寄せ集めですよと言わんばかりのシマでたいして回らない台に座るのは、やはり暇を持て余した中高年者ばかり。あちらこちらと打ち散らかして小銭を失う彼らの表情は一様に暗く、その光景を目の当たりにする私の心中もまた、同じだった。

変わり映えのしない毎日だとばかり思っていたが、状況は確実に変化している。それも、悪い方向に。 私は間違った道を歩んできたのではないだろうか。酷い数字の並んだデータ表を見つめながら、数少ない来店客の表情を思い浮かべながら、そんな疑念に支配されてしまう。店のシャッターを下し、トボトボと歩く帰り道の途中でふと遠い空を眺めると、稜線の彼方でぼんやりとした光を放つ月が私を睨んでいた。


これが、お前の望んだホールなのか。誰かを楽しませている世界なのか。お前は今、幸せなのか。この道の先に、誰かが笑顔になる未来が見えているのか。


いくつもの問いかけに、何ひとつ答えを見出すことが出来やしなかった。その上、連日のように押し寄せていた偏頭痛がいよいよ耐え難い領域に到達し、力尽きて路上に座り込んでしまう。吐き出した胃液に目もくれず、体内に流し込む3種類の錠剤。這うように自宅に戻り、耳鳴りの消えない部屋で自分を呪う。もう、月の灯りすら届きやしない。この世界は、真っ黒に塗り潰されている。その犯人のひとりは、間違いなく自分だ。

 

 

吐き出された禁句

もう、心も身体も限界だった。誰の声も届かなくなっていた耳と、輝きを失って何も見えなくなった目。本社会議の席上でも表情ひとつ変えずに生返事を繰り返すだけの私を、いや、そんな男に現場を任せられないと案じたであろうオーナーと営業部長はその日、ガラガラになった店舗の視察にやってきて私の目の前で腕を組んでいた。そして私は遂に、禁断の一言を口にしてしまったのである。


「もう、自信がありません……」


経営のトップと、営業の最高責任者。どちらの表情にも明らかな失望の色が見えた。だが私には、それ以上の言葉を告げることができなかった。二人からの期待に応えられなかった事実による胸の痛みよりも、両肩にのしかかる重圧から早く解放されたいという気持ちの方が遥かに上回っていたのだ。すみません、もうこれ以上は、心も身体も持ちません。格好悪いけど、これでギブアップです。弱音の塊のような、短い言葉だけが全てだった。

その後のやりとりについては、あまり記憶に残っていない。叱られても、励まされてもいなかったはずだ。ただなんとなく、普段と変わらぬような1日を終えたのだろうと思う。ひとつだけ、ぼんやりと考えていたのは今後の自分の処遇についてだった。降格か異動か、その両方か。あるいは退職勧告か。いずれにしても自分の役割を果たせなかった者に対して、会社が甘い処分を下すことは無いことは知っている。そんな光景を、今まで幾度も目にしてきたのだから。

店長とは、言うまでもなく店舗の管理責任者である。ホールを管理できなかった責任を取るのは今度は私の番なのだから、知らぬ顔は出来ない。

 

 

カタギリ・今週の1枚

バラエティコーナーで異彩を放つルックスに惹かれて思わず着席してしまった『CRぷよぷよ』で、 点滅保留から呆気なく揃った3つの数字に思わず笑みが零れるも、2ラウンド分の出玉を吐き出して、30回転の電サポを終えるとアッサリと楽しかった時間はジ・エンド。

とりあえず叫んでおきますね、ばよえ~ん!!

 

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この記事へのコメント(2 件)

プロフィール画像
元・店長カタギリ
投稿日:2018/04/05
あきうめさま。

う~ん、実際のところはどうなっていたんでしょうかね?
いろいろと考えさせられますね、今となっては。

動画は地方のホールだったら結果が違っていたと信じたいです!
プロフィール画像
あきうめ
投稿日:2018/03/21
どこの世界も、売り上げが上がれば自分の手柄。
悪ければ他人の責任。

そして、現場を見ないでその場しのぎの対策。
カタギリさんがギブアップしていなかったとしても、
きっと同じ末路であっただろうと予測できます。


そして、動画でのハイテンションからの瞬殺。
ありがとうございます。
ある意味持ってますね!(笑)

元・店長カタギリ
代表作:しくじり店長

シルバ〇アファミリーみたいに小さなパチンコ店の責任者から一転、 雑巾がけがメインの業務となってしまった事務員へとグレードダウン。 そんな設定①のスランプグラフのような半生を、隔週水曜日に連載させて頂いております。 タイトルは「しくじり店長」。 パチ屋の店長が平社員へと降格していく逆サクセスストーリーを、 海物語シリーズの泡リーチを見つめるような気分でお読みください。

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