ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




協和会館。千代田区東神田1-1。1987(昭和62)年4月5日

戦後、浜町川が埋立てられ、その上に繊維問屋が入居するいくつもの長屋のような、あるいはアパートともいえる2階建ての細長い建物が建った。○○会館という名称が共通している。今残っているのは「いとへん会館」1棟だけと思われ、他はマンションなどに建て替えられた。「協和会館」は神田金物通りを挟んで2棟あったが、写真は南側のもの。

『東京戦後地図 ヤミ市跡を歩く』(藤木TDC著、実業之日本社、2016年、2640円)に、建物の成立事情が書かれているので紹介する。
事業は東京都建設局が1948(昭和23)年に開始した。すると露天商の撤去問題が発生し、浜町川の埋立て地を代替地に当てることになったらしい。神田須田町、小川町の靖国通り沿いの繊維関係の露天業者が橋本会館、大和会館、繊維会館を、そして神田駅東口前、鍛冶町の業者は協和会館、クラカケ会館を建設し、1952(昭和27)年に移転した。




協和会館。2004(平成16)年2月7日

協和会館はグレーの壁面までで、クリーム色の壁は橋本会館という別の建物。間に路地が通っている。
現在は橋本会館と共に、「ウィルローズ小伝馬町」(2014年2月築、14階建50戸)というマンションに替わっている。また、神田金物通りの北側の協和会館(東神田1-6)は最近まで残っていたが、「ルネサンスコート秋葉原」(2021年2月築13階建24戸)というマンションが建った。

左の写真は『goo古地図・昭和38年航空写真』に浜町川跡に建った衣料問屋の建物名を加筆した。

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