ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 





日本基督教団 芝教会。港区虎ノ門1-20
2007(平成19)年3月9日

桜田通りの東の虎ノ門1丁目は、ぼくがご無沙汰している数年の間に大変貌を遂げてしまった。環状第2号線(新橋-虎ノ門間)の開通が2014年3月、同5月に「虎ノ門ヒルズ 森タワー」(地上52階地下5階、高さ247m)が竣工した。その南、愛宕1丁目に「虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー」(地上54階地下4階、高さ215m、住居550戸)が2021年1月竣工予定。そして写真の教会があったところは、虎ノ門1-17~20番地の4つの街区をまとめて「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」(地上36階地下3階、高さ183m)が2020年1月に竣工、6月に開業した。
再開発された地区には「森ビル」が8棟あった(1982年の住宅地図による)が、まとめて建て替えてしまったことになる。

日本基督教団 芝教会」は、1874(明治7)年に創設された日本で最も古いプロテスタント教会だという。1936(昭和11)年に写真の会堂を建てて西新橋3丁目から移転した。
建物は『日本近代建築総覧』では「芝教会、港区芝西久保桜川町、建築年=昭和11年、構造=木造1階建、設計=間野貞吉」。西久保桜川町は旧町名、木造というのはなにかの間違いで、RC3階建てである。
「日本基督教団芝教会」の保存活用に関する要望書』(2015年1月、日本建築学会関東支部が、芝教会と港区教育委員会に出した要望書)には、間野貞吉(まのていきち1903~1979年)は、「新潟県直江津市(現上越市)出身、東京帝国大学工学部建築学科を卒業後、復興建築助成株式会社、日本万国博覧会工務部などを経て大林組に入社し、晩年まで勤務」「大林組では、全国のゴルフコース及び施設の設計を手掛け……戦後日本のゴルフ施設建設に貢献した建築家として知られる」「父・松蔵が教会の熱心な信徒であり、その縁で教会堂建設を依頼された」などとある。施工は「竹村工務店」。

都市徘徊blog>日本基督教団 芝教会』には、2013年に撮影された内部の写真が載っている。そこに見られるステンドグラスや照明具などは、建て直された教会に移されたと思われる。

コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
そういえばあった (道草亭ペンペン草)
2021-09-10 18:47:07
確かに西松建設の隣にあったっけ・・・あの界隈は本当に変ってしまった。なんだかつまらない街になってしまったような気がします。
事務所がまだ虎ノ門にあった頃は桜川町会のお祭りがあって、近くのおそば屋さんの松美家さんのおばさんが世話をしていたっけ・・・お神輿だったかこの教会の近くにあった青少年なんたら(確か元学校だったと思う)?という建物の庭で神輿をおいて小さくお祭りしていたのを思い出す。
 
 
 
>道草亭ペンペン草様 (流一)
2021-09-13 11:18:15
旧町名は正式には「芝西久保桜川町」。地図を見て言っているだけなので、どんな建物だったかは知らないのですが、西松建設の西側の向かい角は「区立西桜公園」、その西に「区立青年館」、公園の北に「区立西桜福祉会館/児童館」と「秀和第三虎ノ門ビル」。これらが区立桜小学校(統合前は西桜小学校?)の跡地に建てられたようです。
 
 
 
調べていただいてありがとうございます。 (道草亭ペンペン草)
2021-09-17 14:47:34
芝西久保桜川町
懐かしい名前です。思い出しました。
その近くの日本刀を売っていたお店(日本刀剣)の桜田通りの交差点を芝西久保巴町の交差点と言っていた記憶があります。今グーグルマップを見ますと虎ノ門三丁目の交差点です。
区立青年館というのも思い出しました。あの界隈はちょうど、マッカーサー道路上にあったエリアで、ビルの上から眺めると長い帯状で、高い建物がなかった。もっと写真を撮っておけばよかったなあ・・・
 
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