環境への取り組み

　毎日新聞社が企業理念に「生命をはぐくむ地球を大切にします」の文言を入れたのは91年。96年には、従来の「科学部」を「科学環境部」に改称し、他紙に先駆けて「環境面」を常設しました。

　環境報道だけではなく、実践もしてきました。2000年に「富士山再生キャンペーン」を開始、富士山の環境保全に取り組み、富士山の世界遺産登録実現に貢献しました。05年からは、ノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさん（故人）とともに、「もったいない」の言葉や精神を世界に広げる「MOTTAINAIキャンペーン」を始めました。06年に創刊135周年記念として開始した植樹活動「My Mai Tree」は、森林保全全般を対象とした「つながる森プロジェクト」として続いています。全国のNPOなどと連携し、15年までに約34万本の植樹をしました。朝鮮日報との協力事業で、日韓両国の環境保全に尽くした個人・団体を顕彰する「日韓国際環境賞」（1994年創設）は環境分野の伝統ある賞の一つになっています。

　東京本社1階のMOTTAINAI STATIONに2014年に設置した「毎日メディアカフェ」では、環境に関する講演会などを開催し、多くの読者の共感を集めています。

　これらのキャンペーンや事業を管轄する組織として2007年に「水と緑の地球環境本部」が発足しました。16年からは「健康医療・環境本部」に改組して、環境分野だけではなく幅広いテーマに取り組んでいます。

　1997年の地球温暖化防止京都会議（第3回気候変動枠組条約締約国会議、COP3）で京都議定書が議決され、二酸化炭素（CO2）排出量削減が義務づけられました。毎日新聞社は2002年に環境委員会を設置し、「温室効果ガスの排出削減の推進」「産業廃棄物の適正管理」「グリーン購入の推進」などを掲げた最初の「環境行動計画」を定めました。

　08年からは環境マネジメントシステム構築に取り組み、09年には東京本社が環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」の認証を取得、翌年には大阪、西部、毎日新聞大阪センターが取得しました。16年にISO14001の認証を返上、それまでの7年間の活動を基に、全本社を網羅したマネジメントシステムによる取り組みを行っています。

→ 毎日新聞社の環境理念、環境方針はこちら

　取り組みは、東京にある統括環境マネジメント事務局と、各本社にある環境マネジメント事務局の２極体制を取っています。

　組織体制は、環境マネジメントに関わる最終的な責任と権限を持つ代表取締役社長をトップに、社内の環境マネジメントの統括的な責任者として統括環境マネジメント管理責任者を置き、各本支社の代表室長・総務部長が環境マネジメント管理責任者となり、それぞれの本支社で環境対応、環境保全活動、環境マネジメントシステムの構築・維持などに取り組んでいます。

　統括環境マネジマント事務局は、環境関連の法令などに対応するほか、環境負荷の一層の低減を目指しています。さらに環境保全活動を進めることにより、当社の企業価値を高めていきます。こうした「環境経営」を進めることで持続可能な社会の実現に寄与していきます。

【二酸化炭素排出量削減】

　毎日新聞社は2008年に決定した「2008年度環境行動計画」で、CO2削減目標を本支社とサテライト工場を含めた毎日グループ全体で「2004年度比で2010年度に7％削減」に引き上げました。2005年度計画で打ち出した「04年度比で10年度に5％削減」という目標を一層強化しました。また、業界で組織する社団法人日本新聞協会の「自主行動計画」の「基準年（05年度）比で10年度に5％削減」をも上回る目標としました。

　　毎日グループのCO2排出量は、東京、大阪、西部、中部の4本社、北海道の1支社については、それぞれ電気、ガス、重油、ガソリン、灯油、ジェット燃料、水の各項目の使用量をCO2の排出量に換算しました。これには各本社の支局・通信部などの出先の取材機関の使用量も含まれています。サテライト工場は、北海道北広島市から佐賀県鳥栖市にある工場の電気、ガス、重油、水の使用量をもとに算出しました。07年度からは、新たに稼働した川崎工場も含めた15工場のデータを含んでいます。