倒れそうになる力を利用
Q ブーメランはなぜ元の場所に戻ってくるのですか?(滋賀県東近江市、小5、男子)
A 全国の会員約320人が所属する「日本ブーメラン協会」の代表理事、先光吉伸さんに教えてもらいました。
「戻ってくるためには、いくつかの条件があります」と先光さんは話します。
(1)羽根の形=ブーメランの羽根の断面が水平だと、戻ってきません。飛行機のように、風を受けると揚力(翼を浮き上がらせようとする力)が発生するようにすることが必要です。
(2)投げ方=水平に投げるのではなく、ブーメランを立てて、スナップをきかせて前へ投げましょう。
ブーメランは回転しながら前に飛んでゆきますが、上側に来た翼には回転と前進の両方の風を受けて大きな揚力が発生し、下側に来た翼には、回転と前進の風が打ち消し合って、あまり揚力が発生しません。
この揚力の差がブーメランを倒そうとする力になりますが、ブーメランが回転しているため、飛んでいく方向を変えるように作用します。
ちょうど回転しているコマが傾いても、倒れずに首を振りながら回り続けるのと同じです。ブーメランは、飛んでいる間、常に方向が変わって円を描くように飛び、投げたところに戻ってきます。
紙でも作れる
ブーメランといえば「く」の字形の木製のものが思い浮かぶかもしれません。しかし、先光さんが紙で作ったブーメランには、漢字にひらがな、動物の絵まであります。部屋の中で飛ばしてみると、全部手元に戻ってきました。
「牛乳パックやお菓子箱、厚紙でも作れます。山折りで約30度の角度をつけて調整してください。投げる力は優しく、手首を使って縦に回転をつけてください」と先光さん。日本ブーメラン協会のホームページ(http://www.jba-hp.jp/)にも作り方がのっています。【出水奈美】