日本では全国各地で頻繁に発生している地震ですが、お隣の国・韓国では日本に比べるととても少ないです。記者はソウルで4年近く暮らしていて、地震の揺れを感じたことは一度もありません。そんな韓国の南東部・慶州で昨年9月、マグニチュード5.8という観測史上最大規模の地震が起きました。
慶州は1500年ほど昔、朝鮮半島にあった「新羅」という国の都でした。今も市内中心部に歴代の王の古墳が多数あったり、王宮の跡が残ったりしており、「韓国の京都・奈良」と言われる韓国を代表する観光地です。韓国の児童・生徒たちの修学旅行先としても知られています。
しかし、小さな余震が続き、それが大きく報道されるため、一時は観光客が70%も減ってしまいました。慶州市によると、文化財は59件で一部損壊などの被害が出ましたが、大規模な倒壊などはなく、既にすべての文化財で応急措置をとり終えました。今は観光客は少しずつ回復しています。
慶州で最も有名な文化財は、8世紀中ごろに建てられたとされる「仏国寺」=写真=です。ユネスコの世界文化遺産に登録されています。お寺の建物は石造りなのが特徴です。
高さ10メートルの石塔もありますが、今回の地震の被害はほとんどなかったそうです。石がずれないように昔の人が精巧に設計していたのかもしれません。市では「慶州は安全。日本からも観光に来てほしい」と呼びかけています。【ソウル・大貫智子、写真も】
国名 大韓民国
首都 ソウル
面積 約10万214平方キロメートル
人口 5150万人(2015年12月)
現地通貨 100ウォン=約9円