１０年ほど前まで、香港には九龍城砦（ガウロンセンチャイ）と呼ばれる悪名高き一角がありました。

かつてここには、香港の法律は適用されず香港の警察官も立ち入ることができなかったため、文字通りの「無法地帯」となり、売春や麻薬、博打などあらゆる裏産業がはびこり、「あらゆる犯罪の巣窟」で「一度迷い込んだら二度と出て来れない場所」などとも言われていました。

そんな九龍城砦に私が初めて足を踏み入れたのは、１９８５年の秋でした。昼でも太陽の光が差し込まず、薄暗くて汚水まみれでかつ臭気が充満した通路をおっかなびっくり歩いて来ました。

九龍城砦は香港の中国返還を前に９３年に取り壊され、跡地はのどかな公園になっています。
 
 
 

その１：地底の迷路を歩く その２：屋上から啓徳空港を見下ろす その３：再び地底の迷路へ その４：取り壊し反対住民集会へ その５：城砦落城の日へ 番外編：幻の九龍城砦へタイムスリップ!?

九龍城砦にまだ人が住んでいた頃の貴重な写真集 『City of Darkness』の日本語版が発売されました！ 城砦で生活していたさまざまな人たちへのインタビューや、 城砦の歴史など、九龍城ファン必携の１冊です。 で、監修はワタクシです。 九龍城探訪　魔窟で暮らす人々 著者：グレッグ・ジラード / イアン・ランボット　監修：吉田一郎 出版社：イースト・プレス 本体価格：3,500円

●おまけ
ヤジ研：九龍城砦★秘宝館（城砦の地図など）
トビ研：九龍城砦（城砦の歴史や解説）
トビ研：飛び地運営の実態
トビ研：飛び地解消時の変化
トビ研ＢＢＳ：九龍城砦スレッド

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