沿革
本当の教育を求めた試行錯誤の40年
年 | 内 容 |
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1965年 | 青田 強、全寮制の高等学校の設立を企画、 校地を三重県上野市の青山高原に求め、「太陽のように生きる人を育てん」との思いから、日の精神を生きる「日生学園」 と定める |
1966年 | 日生学園高等学校開校(現 日生学園第一高等学校) 全日制の普通科・農業科で出発 |
1967年 | 自動車科を開設 |
1975年 | 学園創立10周年記念式典を挙行 永井道雄文部大臣、学校を視察 |
1980年 | 三重県一志郡白山町に日生学園第二高等学校開校 |
1982年 | 日生学園附属中学校(日生学園中学校)と附属幼稚園を第二高等学校の敷地内に開校 第二高等学校内に歯科診療所開設 |
1983年 | 兵庫県飾磨郡夢前町に日生学園第三高等学校開校 |
1985年 | 学園創立20周年記念式典を挙行 |
1986年 | 青田 強逝去 理事長に青田 進就任 |
1987年 | 21世紀に向けての新しい学園像を模索し、コース制の導入を柱とする学園改革に着手する 第一高等学校の農業科、自動車科の募集停止 第二高等学校に進学コース、体育コースの設置を決定 |
1988年 | 第二高等学校進学コースと附属中学校を第一高等学校に移転 中高一貫教育に着手する 第二高等学校内の旧附属中学校舎を芸術棟に改修し、芸術コースを設置 |
1989年 | 第二高等学校野球部が第61回全国高等学校選抜野球選手権大会に出場 |
1995年 | 学園創立30周年記念式典を挙行 学園章と制服を新規に制定 青田 進が「全寮制が輝く」(教育出版センター)を刊行 |
1996年 | 第一高等学校ハンドベル部アメリカでの世界フェスティバルに参加 |
1998年 | 第一高等学校6年コースの編入クラスが通学制を導入 |
1999年 | 第一高等学校の全クラスで通学制を導入 |
2000年 | 第二高等学校野球部が第82回全国高等学校野球選手権大会に出場 |
2002年 | 第二高等学校サッカー部が第81回全国高等学校サッカー選手権大会に出場 |
2005年 | 学園創立40周年 |
英国イートン校をモデルにした全人教育
日生学園の寮教育は、英国の名門全寮制イートン校(パブリックスクール)をモデルに日本の将来を背負うリーダーの育成を目指しています。欧米では数百年前から貴族や社会的地位の高い人達が子弟を全寮制の学校へ入学させており、イートン校では歴代英国首相を19人輩出し、イギリス王室のウィリアム王子、ヘンリー王子も卒業生です。また、アメリカでもケネディ元大統領、ブッシュ元大統領親子、フェイスブック創業者など政財界のリーダーの多くも全寮制出身です。日本でも19世紀後半に欧米の全寮制教育を模倣した旧制高校・師範学校がエリート育成機関として存在していましたが、戦後の教育改革で日本から欧米型の全寮制教育がなくなりました。そこで、日生学園では世界で活躍し、世界と戦い、日本社会を牽引するリーダーを育てるために、寮生活を通じた全人教育を行っています。
イートン校(Eton College)・・・1440年ヘンリー6世により創設された英国にある全寮制学校(パブリックスクール)。13歳から18歳までの生徒が寄宿生活を行い、ジェントルマンとして教育される。卒業生として過去19人の英国首相を輩出し、英国王室の王子様も出身者である。
規則正しい寮生活~自立・社会性・リーダーシップ
寮教育の基本は「自立」と「社会性」です。親元から離れて規則正しい寮生活をすることで子供は自らの事を自らで行い、自らの行動や発言に対して責任持ち、心身をたくましく鍛えられます。明治時代、日本人の「自立・自助」を福沢諭吉や中村正直が唱えた精神を引き継ぐものです。青年期に日本全国・海外からやって来た同世代の子供たちと寮生活する事で人格形成ができ、真の人間関係を学び、コミュニケーション能力に優れた社会性を体得していきます。
寮における年齢を超えた寮生同士の絆は素晴らしいものです。この絆はとても温かく、寮生ひとり一人の持つ自尊心を豊かにしてくれる人間関係を築かせてくれます。例えば、学年の異なる寮生同士が1つの歌を合唱する姿は、寮の中で協力的なチームワークが生まれる顕著な人間関係の良い手本です。
「一生の友」をつくれるのも寮生活の特徴です。人間関係が苦手な子供でも、まさに寝食を共にする事で互いの悩みを打ち明け、励まし合うことで関係が深まり、卒業後は人生を支え合う仲間にまで発展していきます。
日生学園の寮ではブラザーシステムという上級生が世話役として下級生の面倒をみる方式を採用しています。下級生はルールやマナーなど最低限の事を上級生の姿を見ながら学びます。性格や意見の合わない寮生と如何に向き合うかも上級生から教えられ、互いに高め合う姿は寮生活でしか経験できません。
寮は生徒の自治組織(運営委員会)によって運営されており、下部組織として各委員会が設置されています。そこで寮生同士が議論をかわしながら、様々な活動の計画や実行をしています。また、部屋ごとには室長が置かれ、寮長が寮全体を統括しています。各寮生には何らかの役職・役割が与えられ、上級生になるにつれて要職を任されていきます。特に最上級生になれば寮生の模範として、下級生を先導する本物のリーダーとしての自覚が生まれてきます。日生学園では、リーダーとは自分の意見を押し付けるのものではなく、周りの優れた意見を引き出し、最終的にリーダー自身が決定して、先頭に立って前進して行く姿だと考えています。
個性を育てる
「自己の個性、能力を発揮して世のために尽くし、自分の使命を果たす。」ことが日生学園が目指す人物像です。現在の日本の学校教育では競争を排除したことによって均質化(均一化)が進み、受験偏差値だけが優先される社会構造の影響で、子供が個性を発揮する場面が少なくなっています。教育の本来の目的は子供自身の個性を発見し、育てることです。通常の学校教育だけではそれらの時間を確保できません。そこで、寮生活という充実した時間を通じて日生学園では様々な活動を行い、個性を伸ばす教育をしています。
個性教育は同世代の子供たちと生活・活動するなかで生まれる競争下で他と違う自分を強く認識することから始まります。寮生活だけでなく、寮対抗の活動や毎学期、文化祭に並ぶ大きな行事を開催することで、生徒同士が切磋琢磨して競争しながら、自分の個性を発見して伸ばす環境を用意しています。今までの人生で体験していない事に積極的にチャレンジして、新たな自分を発見する事が日生学園で実現できます。
高い知性と教養
日生学園の寮では、大学受験に向けた学習プログラムを独自に作成しています。基礎・発展・応用の3段階のレベル設定を行い、それぞれの生徒の学力に合った学習を進めていきます。特に基礎学習を大切にしており、時間をかけて基礎分野をマスターする事で学習の土台を作り、目標とする難関大学合格を目指していきます。寮では夜8時から2~3時間程度の自習時間*を設けて、自学自習の習慣を身につけます。さらに、チューター制度と呼ばれる学校の授業担当教員が夜間に寮や学校で学習塾のような個別指導やゼミを行っており、大学受験においては予備校に相当し、各寮生の志望大学に合わせた徹底した学習サポートも行います。
欧米の全寮制教育では、芸術活動を通じて自己表現力を学びます。日生学園でも寮対抗の合唱(コーラス)や演劇など多彩な芸術活動を行っています。また、読書の習慣を身につけるために読書運動を行っており、古今東西の賢人たちが残した書物に常に触れる事で知的刺激を受けながら思考の幅を広げていきます。そのほかディベート大会を開催したりするなど、生徒の教養を高める活動も率先して行っています。
*各寮によって細かい時間帯は異なります。
豊かな人間性を養う「道徳教育」
日生学園では、社会で活躍するエリートは親への感謝を持つ正しい心のある人物でなければならないと考え、道徳教育を大切にしています。青少年のモラル低下が叫ばれる昨今、人間の心を正しくし、人間としての道を教え、その個性を育てる事が大切だと感じている保護者の方も多くいらっしゃいます。
寮生活を通じて生徒たちは、校訓に掲げられた「謙虚にして、親と師を尊ぶ」「規則を守り、礼儀を重んじる」「責任を果たし、進んで奉仕する」「働くことを喜び、実行を第一とする」「不可能はなしと信じ、不退転の努力を続ける」に沿って成長します。毎夜に寮で行われる集会では、教師が先人の言葉を借りて人間の道を説いたり、他人のために生きる素晴らしさを時事問題などに関連して指導したり、様々な社会問題を取り上げて、その背景や根本問題を生徒に探らせ議論をさせたりしながら、教科学習だけでは難しい深い「道徳教育」を積み重ねていきます。
演劇 Drama | ディベート Debate |
読書 Reading | 運動 Athletics/Club |
合唱 Chorus/Glee | プレゼンテーション Presentation |
芸術 Art |
日生学園の寮教育で学ぶ13の力
- 1. 自立力
- 2. 社会性
- 3. コミュニケーション力
- 4. 決断力
- 5. 問題解決力
- 6. 自律力
- 7. 論理的思考力
- 8. リーダーシップ
- 9. ディスカッション力
- 10. 表現力(プレゼンテーション)
- 11. マネジメント力
- 12. 創造力
- 13. 忍耐力