長崎県総合水産試験場と東京海洋大は14日までに、トラフグの雄だけを産む技術を開発したと発表した。雌との間で雄しか産まない親フグをつくり出すことに成功。養殖に生かせれば、冬の味覚として知られ、高値で取引されるトラフグの白子(雄の精巣)が手ごろな価格で食べられる可能性がある。
水産試験場と東京海洋大の研究チームが、細胞移植との掛け合わせなどで雄特有のY染色体しか持たない「超雄」と言われるトラフグの雄をつくった。この超雄と雌の間に生まれる稚魚は雄だけで、手軽に雄を選別できるという。
2009年に技術開発を始め、今年3月上旬に成功を確認した。稚魚を生産する業者に来春にも超雄の精子を配布する。雄は雌より市場価格が3割高く、水産試験場の浜崎将臣主任研究員は「新技術が県内の養殖業者の所得向上につながれば」と話している。〔共同〕
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