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ズッキーニ食中毒に注意

 ◇備前保健所管内 飲食店で14人症状

 人気食材の夏野菜「ズッキーニ」を食べ、下痢や腹痛などの中毒症状を訴えたケースが、今年7月に県備前保健所管内で発生していたことがわかった。ウリ科植物にまれに含まれる植物性自然毒「ククルビタシン」が原因とみられ、同保健所は「強い苦味があるので、調理前の味見で確認して」と注意を促している。(安田弘司)

 同保健所によると、管内の飲食店で7月上旬、コース料理で出された「アワビとズッキーニのステーキ」を食べた客14人が症状を訴えた。いずれも軽症だったが、その場で「苦い」との声が上がり、食べなかった客もいたという。

 保健所で調べたところ、使用されたズッキーニは産地が同じで、生産者に同様の苦情が2件あったことが判明。通常はない苦味を発症者が感じており、保健所は苦味成分のククルビタシンが原因とみている。

 ククルビタシンはズッキーニのほか、キュウリやカボチャ、メロン、ヒョウタンなどウリ科の植物に含まれている。含有量が多くなると、嘔吐おうとや腹痛、下痢、手足のしびれといった症状が出る場合がある。

 同様の事例は、観賞用ヒョウタンやユウガオの実などで報告されている。ただし、ウリ科でもゴーヤ(ニガウリ)の苦味は成分が異なるため、食中毒症状は起きないという。

 同保健所の担当者は「苦くないか確かめてから調理し、苦みがあったら食べないでほしい」とし、県のホームページでも注意を呼びかけている。

2014年09月11日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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