さいたま水族館:元職員がチョウザメなど441匹死なす

毎日新聞 2014年06月16日 22時49分(最終更新 06月16日 23時28分)

 ◇殺虫剤入り泥団子投げ込む 2月に500匹の魚死ぬ事件も

 埼玉県羽生市三田ケ谷の県営「さいたま水族館」で魚を大量死させたとして、県警捜査1課などは16日、同館元職員で職業不詳、柳沢正孝容疑者(24)=熊谷市上奈良=を器物損壊と威力業務妨害容疑で逮捕した。

 逮捕容疑は4月26日から27日の間に、同館の庭池に殺虫剤が入った泥団子を投げ込み、ニシキゴイやチョウザメなど441匹(約420万円相当)を死なせ、同館の運営業務を妨害したとしている。柳沢容疑者は「辞めた後すぐ(事件が)起こったので疑われるのは仕方ない」などと供述する一方、「証拠を見せてください」と容疑を否認している。

 同館によると、柳沢容疑者はペット飼育の専門学校生だった2010年3月からアルバイトとして働き始め、昨年4月以降は週5日勤務の定期契約社員として水槽や魚の管理を担当。職場では「熱帯魚が好き」と話していたが、今年1月半ばから体調不良を訴えて休みがちになり、2月に自ら辞表を出した。県警は職場で何らかのトラブルがあったとみて調べている。

 また、同館の池では今年2月にも約500匹の魚が死んでいたほか、5月には職員用控室の窓ガラスが割られるなどの被害があり、関連を調べる。

 県庁で会見した県公園緑地協会の赤石沢寿彦理事長は「多くの県民、関係者に多大なご迷惑をかけ申し訳ない」と謝罪。上田清司知事は「子どもたちに生命の大切さを伝える立場にいた者が逮捕されたことは残念。防犯対策を強化した上でできる限り早期に(同館を)再開したい」とコメントした。【川畑さおり、夫彰子】

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