福島第一原発事故で町のほぼ全域が帰還困難区域となっている福島県双葉町で24日、文化庁の職員らによって、国指定史跡「清戸迫横穴」の立ち入り調査があった。現在の状況を確認し、今後の保護の見通しを決めるためだ。

 町によると、7世紀ごろに丘の上に掘られた横穴式の墓で、当時の有力者が埋葬された可能性があるという。内部の横約3メートル、高さ約1・5メートルの壁には、渦巻きのような模様、冠をかぶった人物や、弓を射る人物、馬や犬の動物などが描かれている。描かれた人物の大きさは76センチと国内の装飾古墳では最大と見られる。国指定の文化財では福島第一原発にもっとも近く、震災後は状態を把握しにくい状況となっている。

 文化庁古墳壁画対策調査官の建石徹さんは「保存状態は悪くない。国の宝でもある清戸迫横穴を何とか守っていかないと」と話した。(関田航)

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