中日新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社説・コラム > 編集局デスク一覧 > 記事

ここから本文

【編集局デスク】

どっちが非民主的?

 絶叫調のデモを「テロ」とみなした自民党の石破茂幹事長は、撤回後も「民主主義と相いれない部分がある」と指摘し、特定秘密保護法案に反対するデモ活動を批判しました。

 そんなことが言えるほど、安倍政権は民主的なのでしょうか。

 昨年末の衆院選で自民党の得票率は小選挙区43%、比例代表28%。それで絶対安定多数の二百九十四議席を獲得しました。しかし小選挙区で五割超が「死票」となり、安倍晋三総裁も「自民党に信任が戻ったわけではない」と、謙虚な言葉を口にしていたはずです。

 それなのに、選挙公約で一言もふれていない秘密保護法案を早期成立させるため、今国会ではごり押しが目に余ります。危険性を指摘する声に耳を貸さず、反対論一色の地方公聴会を無視して衆院での採決を強行。参院でも与党だけで地方公聴会開催を決め、怒号の中での委員会採決…。

 一連のデモは、安倍政権に「白紙委任」したつもりもない人たちの抗議行動であり、張り上げる大声は危機感の大きさの表れにほかなりません。

 「徹底した議論」と「少数意見の尊重」が民主主義の肝であることを、自民党は思い起こすべきです。

 (名古屋本社編集局次長・岡安大助)

 

この記事を印刷する

PR情報



おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ