死刑囚２人の刑を執行…今の安倍政権下で４度目

　法務省は１２日、２０００年と０８年に大阪市で強盗目的で２人を殺害して死刑が確定した加賀山領治死刑囚（６３）と、１９８６年に山梨県などで男女２人を殺害して死刑が確定した藤島光雄死刑囚（５５）の刑を同日午前、大阪、東京両拘置所で執行したと発表した。

　死刑執行は９月１２日以来で、現安倍政権下では４度目。この日の執行で、死刑確定者は１２９人となった。

　谷垣法相は記者会見し、「いずれも尊い人命を奪った残忍な事件で、慎重に検討を加えた上で執行した」と述べた。

　加賀山死刑囚は００年７月、大阪市中央区で中国人女子留学生（当時２４歳）のバッグを奪い、ナイフで刺殺。０８年２月には同市北区のビルで金を奪おうとして会社員男性（同３０歳）を殺害し、強盗殺人罪などに問われた。１審・大阪地裁、２審・大阪高裁で死刑判決を受け、１２年７月に最高裁が上告を棄却。死刑確定から約１年４か月でのスピード執行だった。

　藤島死刑囚は１９８６年３月、山梨県春日居町（現笛吹市）で前妻の祖母（当時７３歳）を殺害。逃走資金を得るため、前妻と交際していた会社員男性（同２６歳）を新潟市で殺害し、殺人罪などに問われた。１審・甲府地裁、２審・東京高裁の各判決は死刑。９５年６月に最高裁で上告が棄却され、再審請求を繰り返したが、棄却されていた。