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　各地で修業を重ね、季刊誌「四季の味」の編集長、森須滋郎さんの元に集まった料理人らでつくる「笹目会」のメンバーたちと全国の著名な老舗料理店などを巡っていた私が静岡に店を開いたのは、食材の宝庫だからです。駿河湾では近海ものの魚がたくさん揚がりますし、土地が肥沃（ひよく）で野菜も取れる。６月に舞阪で水揚げされるスズキは塩焼きでも刺し身でも素晴らしいですし、アオタと呼ばれるクルマエビよりひと回り小さいマキエビは絶品です。麻機（あさばた）のレンコンなど野菜も豊富で、３月下旬から４月上旬に取れる新鮮なタケノコはしょうゆと酒だけで煮る「直火煮」で驚くほど甘くなり、ま…［記事詳細］