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ヤンキーパンダ流マルハン研究 その4

2013-01-29 06:35:36 | ヤンキーパンダ
マルハン研究シリーズの第4回(最終)となります。

マルハンを通じて、業界のありかたについても言及しております。私見、提案、回顧、事例などが混在しており、読みづらいかと思いますが、ご容赦下さい。

1.売上・粗利・IR資料

前回触れた利益率とは粗利益(売上総利益)率を指しています。IR資料とは昨年6月に公開された「2012年3月期マルハン会社説明資料」を指します。

粗利なので粗利から機械代や人件費などの諸経費を差引いた営業利益とは別です。パチンコ業の粗利は業の性質から他業種での売上と見るのが一般的です。

しかし、自分たちを大きく見せたい時には売上規模で語り、儲けすぎだと批判されると粗利規模で語る。

産業規模を語る際に、そのように売上と粗利を都合で使い分けるコンサルタントや業界人は多いです。

マルハンが使い分けている事例は確認していませんが、売上1兆円達成時の横断幕には同業者としては、やっかみではなく、「大きく見せすぎでは」と感じたのが正直な気持ちです。

兆という単位で社員を鼓舞しようとしたのか? あるいは法人を分散させ身軽でいることよりも王道を選び進んだ結果をアピールしたかったのか?

真意はわかりません。

殆どの方が認識されていると思いますが、パチンコ売上は貸玉料です。

例えば等価営業で千円貸玉を遊ばずに交換・換金。それを10億回くりかえせば、弱小店でも千円が行ったり来たりで1兆になります。気の遠くなる10億回、誰もそういうことは、しませんが、理論的には可能です。パチンコの売上とはそういうものです。

自らアピールしなくてもその売上から推察される企業努力は伝わる人には伝わります。

また、伝わらない人には言い方を代えても伝わらないし、表面的にしか理解しない人と同じで、決してマルハンはじめ、業界の理解者にはならないし、揶揄されるだけかと思います。

よって私はパチンコ店の売上はさりげなく、事務的に触れる程度でよいかと思っています。

次に粗利についての体験を述べます。業界人には釈迦に説法のような話が続きますがしばし、お付き合い下さい。

「アウト(稼働)は?いくら抜けているのか(粗利を確保しているのか)?」といった確認、その類の会話はあいさつと同じくらいしていますし、してきました。

お客様への断りもなく、また、開示もせずに店の都合だけで、日毎、粗利益を調整しようとする。

これはパチンコ業の妙ですが、一方、お客様の立場からはどうなのか、そういう事を考えながらも…抜いています。

抜き幅はその時々で異なり、赤字の日もあります。しかし、ビジネスですからトータルでは…当たり前に抜きましたし、抜いてます。

しかし、集客が予測以下であったり、確率が甘く出たりすると、月間粗利未達成となります。稼働よりも粗利重視の場合、月間の粗利未達を避けるため月の終盤に駆け込みで抜く事があります。

この駆け込み行為の積み重ねがお客様の不信に繋がると感じています。

そう言った事態にならないためには稼働予測と稼働を構成する客数・客層・客質分析が重要であり、その精度が高いほど駆け込みなく、低稼働でもバランスよく粗利を確保できると思います。

もちろん低稼働の限度はあり、その基準は地域・環境によって異なります。

店長である以上は常にステークホルダーを意識し、不測の事態が起こることも踏まえ、最低でも半年くらいのシナリオは、描いておきたいものです。また、技術力は大切ですが予測力がもっと大切かと、予測通り進んで初めて技術が生きるかとそう感じています。

また粗利よりも長期的な営業利益が重要かと思っており、経費バランスには日々気を配り、取組んでいます。

ところで、前述の「抜く」という言葉は業界独特の表現で世間では通用しない言葉です。しかし、使っています。誰がはじめに使ったかはわかりません。言い得て妙ですが、「抜く」とは「とりのぞく・追い越す・盗む」などの意味です。

過去のコメントでも多く見られましたが、「粗利を確保する」を「抜く」と表現する業界の体質があります。

マルハンをはじめ、「お客様が大切」とアピールする有力店も日常的に「抜く」という言葉を使っているかと思います。私も使うのですが。

次にIRについてです。

マルハンはじめ、大手数社は決算期ごとのIRを行い、一部はHP上に公開しています。私はIRについてはこうして参考にし、自店と比較、勉強になるので好意を持っています。

IRは投資家向けの広報活動全般ですから主に投資家(資産家)や金融機関を意識したものです。

そこで私見ですが、もう一方の投資家(お客様)を意識したものにシフトしないと勿体無いと思います。

具体的には店ごと、日毎、還元率(利益率)を公表する。店舗ブログやカウンター横に掲示。SIS平均と比較しても良いでしょう。事前に予告すると、広告規制にかかりそうですが、日毎の結果だと事実の公開になり支障はないはずです。

また、出玉(大当回数)情報と併用し、お客様のより冷静な店選びに繋がるかと思います。

そして、自信のある店舗にとっては煽りではない、絶好の広告宣伝かと思います。

IR資料から粗利益率は業界平均より低い。マルハンならそれが可能かと、決算期IRを日毎IRに、会社IRを店舗IRにする。

マルハンが良く使う「業界を変える」「新しいパチンコ」とは本来はそういうところにあるのではないのでしょうか。

表だった換金は公営に倣うことはできませんが、還元率(利益率)公開は倣えます。また、店舗還元率(利益率)の日毎公開は会社上層部が決断すればすぐにでも出来ることと思います。

管理コンピュータが行き届くパチンコ店こそ、そういう取組みが可能です(経費は日毎確定できないのでここで言う日毎IRは還元率・粗利益率を指します)。

一方、IRは行わないが、現場でしっかりとお客様に出玉を体感させ、ハートをつかむ。そういう店舗もおおいに結構かと思いますし、そういう路線の有力店・有力法人も多いかと思います。

私自身は店舗還元率の公開を実現する野心を持つものの、実現はしておりません(汗)。

よって、「このことが業界の透明性・健全性に繋がるのでは」と言った、そういう希望であるとご理解くださいませ。

お客様の離反・お客様の安心、両方の可能性があると思います。年間・全社IRを行うのであれば、日毎・店舗でも不可能では無いはずです。すでに実行している店があるかどうかわかりません。

15〜6年前、40個交換主流の時代に還元率(利益率)ではなく、島ごとにアウト・差玉を公開していた店が記憶にあります。

不確かな記憶で恐縮ですが、確か明石のマルハンだったような。今は機器の充実で全台の差玉を見ることはできますが、定時にジャーナル印字を島端に貼っていたことは当時新鮮に感じ、記憶の片隅に残っております(単にデータロボがスランプグラフ対応でなかっただけかも知れませんが)。

健全性や透明性を出来るところから追求することで、業界の地力と言いますか、実像を自覚できるかと思います。また、そういう時期に来ていると感じています。

2.地域一番店

マルハンの資料では独自の手法による2回統計店舗比較から直近の地域一番店比率を91.5%としています。稼働率地域一番店の定義づけと判定を第三者が行い、業界の共通認識にならない限り、この数字は正確ではないと言えます。

よって、自己満足の指標かと思います。

例えば、SISのアウトデータを競合店も同意の下で開示しあい、比較するなら納得できます。一、二番店が僅差の場合の判定はどうしているのか? 商圏はどう定めているのか?

一番店舗名も開示しておらず、疑問がわきます。

マルハンと対峙する各地の有力店の「ほんとうかよ」と言う声が聞こえてきそうです。

他者が言うならともかく、自分で宣言するのはいかがかと、感じますし、一番、番と言う相対評価は客観的であるべきです。

その真意はどこにあるのか? 前述の通りの仮説ですが「新卒者むけ?銀行?プレス?社員を鼓舞するため?

などあれこれ考えてしまいます。ただし、デジタルに不慣れなおじさん客、おばさん客を意識したものとは到底、思えません。

そして、すべてのお客様が相対評価での一番店を意識している訳ではありません。

経験則ですが、繁盛店のライバルはその店の以前の姿でもあります。例え稼働率一番を維持していても稼働が落ちる時期があります。出しても出しても「出てない。」抜いても抜いても「出てる。」と同じ店舗で言われたことがあります。

「以前は出していたからお客が多かった」とお客様は判断されたのです。「実は客足が落ちた今の方が出しているよ」と言いたいのですが、言えません。判断するのはお客様ですから。

私は10年前の520台(4円・20円のみ)年間P5万S2万稼働越え店舗から、800台(レート多様)年間平均稼働20%まで複数法人の様々な店舗を運よく、経験させていただきました。平均では6年在籍しましたが、入退社を繰り返しました(トホホ)。

でも、そのおかげで結果的に多くの経験をさせていただきました。

因みに職位は平社員から部長まで、部長職で退社。部長職後の主任職は辛いものがありましたが、今となればいい思い出です。拾って頂いた会社にも感謝です。

様々な職位を経験しましたが店長職が一番面白い。今は店長職の面白さを感じながら日々過ごしています。ただし、転職を繰り返すことはお勧めしません。茨の道を歩む覚悟があれば別ですが、念のために言っておきます。

経験の話を続けて恐縮です。5万稼働の店よりも20%稼働の店のほうが年間の台あたりの営業利益は実は多かったりもします。

年間もしくは数年間ですから、決して短期ではありません。そういう店はオペレーションの工夫もありますし、やるべきことはキチンしています。

常連さまのためにTV取材に応じない目立たないラーメン店と同じく、借りすぎず、入替過ぎず、薄利でわざと目立たない、そんな店でした。

また、稼働率30%代の店舗在籍時には偶然?もしくは競合店のエラー?によって稼働が伸びた事がありました。

その際「最近、出してるね。」と常連のお客様から声をかけられました。出玉感(景品玉)で判断されたのでしょう。

稼働アップ時は利益率がそのままでも出玉感(景品玉)はアップします。よって、安定稼働・安定利益であれば、地域一番店に拘る必要はなく、内なる一番、お客様にとっての一番店を意識すればよいと思います。

稼働は血圧や飛行機の高度と同じで高すぎても低すぎても辛いです。乱高下はできるだけ避けたいものです。

乱高下しないためにも計数に加え、常に客層、客質は見ておきたいです。

客層・客質に関係しますが、プロ、セミプロの中でも、ジグマとノリ打ちは異なると感じています。ジグマは目立たないし、定時に帰ります。

次のお客様のためにさりげなくハンカチでハンドルを拭いて帰ったり、マナーも良く、他のお客様に優しいことが多くありました。

某マルハンではノリ打ちや潜伏狙い客が多いと耳にしますが、彼らはガセ煽りには騙されませんので、それはそれで人気の証でしょうが、そんなお客が増えすぎた地域一番店は決してマルハンが本来、望んだ形ではないはずです。

3.ラッピングトラック・中つり全車両広告

大阪でのその光景を同業者でありながら「危機感」というよりもまずは「奇異」に感じました。

私は当局規制や自主規制が強い地域での勤務経験が長く、2011・6・22通達以前のおおらかな大阪の広告宣伝には本当にびっくりしました。大阪の業界の先輩方が当局と様々なシーンで防犯協力など信頼関係を構築したことがその背景にあるかと想像できますし、信頼関係の構築は良いことかと思います。

しかし、「マルハンがするなら」と、「規制にはかからないから」と、大阪の有力店であるn社やh社が競ってラッピングトラックを走らせると御堂筋はどうなるのでしょうか?

大阪市民でパチンコをされない方はどう思われるのでしょうか?

イチョウの葉がパチンコ玉やメダルになってしまうのでしょうか?

当局から指摘されるまでやり続けるのでしょうか?

世論を人一倍意識し、自制する気はないのでしょうか?

憎まれても良いから目立った者が勝ちとでも思っているのでしょうか?

と様々な疑問がわきました。

また、S県やG県ではそれまで守っていた、自主規制を反故にし、空チラシ(イメージチラシ)を多く入れるなど驕りともとれる良からぬ話も耳に入りました。

このことでマルハンが世間から問題にされるのは自業自得でしょうが、憎まれる時はお子様の事故と同じく、業界全体が憎まれます。そういう意味では奇異よりも危機感という表現が相応しいかと思います。

御堂筋線のラッピング地下鉄に関してもマルハンを全面に押し出すのではなく大阪城や通天閣など観光名所を写真やイラストで全面に出し、隅っこにマルハンロゴであっても「実はマルハンなんや」と気づいていただける。

意外とそちらの方がマルハンのブランドイメージは訴求できるかとも思います。

余計なお節介でしょうが、控えめがイメージアップに繋がることもあるかと。広告宣伝において直球ばかりではなくチェンジアップも必要かとそう思います。

4.BA・TY・S、その他クォリティー

前回はいずれも10年前、当該店で1年間にわたり、複数日、試打、視察した上での判断です。

最近はあるマルハン2店舗で不定期に遊びますが、同じ機種でも店舗により異なります。

きつくBA、TY、Sを落としているケースも見受けられます。もちろん機種によって日によって様々です。

当たり前なんですが。

調査・研究のためには複数店舗の土日を含む数日のサンプルが必要です。また、私に同じく、駆け込み抜きもあろうかと思います。パチンコと異なり、スロットは設定が上手く、客つきも良好な印象です。

印象ばかりで申し訳ありません。

よって接客やクリーンリネスはマルハン標準クオリティーは伝わるものの、釘調整のクォリティーはなんとも評価できません。

接客に関しては「おもてなしします」と言ったアピールを感じるものの、同業他社に比べ、決して表面だけで終始しない内面的なものはいつも感じています。

約300店 1万人をそういうレベルに押し上げたのは並大抵のことではないとそう感じています。

5.結び

私は内からも外からも長年パチンコと付き合ってきました。手打ちの時代から 内・外を通算すると30数年になります。

大きな声では言えませんが手打ちデビューは○○歳です。幼い頃、近所の繁華街にパチンコ店が多く、くわえタバコで両手を使い、立ち打ちする大人たちをガラス越しに見て、あこがれたりもしました。

経験が長いことを自慢したいわけでも、ノスタルジーに浸りたいわけでもありません。

30年前、20年前、10年前と節目ごとに振り返ると大きく変わってきたことの実感を伝えたいのです。

変わり方が正しかったのかどうか、それはまだ、判断できません。

胡散臭い部分も、欲望渦巻く部分も、ワクワクドキドキ感も、グレーな部分も、人間の持つ表も裏もコンプレックスの反動も、遊技台のしくみも進化も、待ち合わせに時間があるからちょっと打とうかという感覚もすべてが好きで好きでなんとか続けることができましたし、これからもついていけるなら走り続ける気でいます。

21年前、業界に転職の際、身内から「パチンコ業なんかに・・気が狂った」とも言われました。「なんかではない。パチンコは明るくなりつつあるし、社会貢献もしているし、、○兆円規模で、雇用も創出しているし」などとはこれっぽっちも抗弁しませんでした(当時はそう言う明るいと思われる情報も無かったです)。

「好きにさせてくれ。ただし、生活面は迷惑かけない」と主張したのです。

もちろん高額そうなギャラにもあこがれはありました。

回顧することで パンチパーマーの従業員を容認するのではありません。かといって過度な接客アピールも如何なものかと思います。つまりは清潔で控えめで良いかと。

広告宣伝も同じく控えめで良いかと思います。派手な宣伝を繰り返さないと目標売上が維持できないような業は如何なものかと、そもそもの目標が背伸びし過ぎた物であると冷静に総括すべきではないのでしょうか。

こんな私ですから(世間では変わり者とおもわれると思いますが)パチンコ業はお客様も従業員も参加者全てに楽しさの強調だけではなく、そういうパチンコであることを併せ呑む覚悟を持つ必要があると考えています。

ところがこの10年で、覚悟の無いお客様や従業員を多く、巻き込んでしまっているような気がします。

いや、巻き込んでいるのです。

「是非どうぞ」ではなく「よく考えて、よろしければどうぞ」の世界にもかかわらず。

私の考えはパチンコ業のイメージアップを図ろうとするマルハンの対極なのかも知れません。

実はマルハンもHPで見られるとおり、飲食・マカオ・カンボジアなど様々な形で、ある意味のリスクヘッジをかけているかとそう見ています。

一連のシリーズで、良い思い出や辛辣な意見も長々と書かせていただきました。

パチンコ日報を読まれるマルハン関係者の方々へは失礼な表記も言葉足らずも多くあったことかと思います。

お詫び申し上げます。

業界やマルハンに関し、経験したこと、言いたいことはまだまだあります。管理人様や読者のみな様のご許可があれば、不定期ですがまた、寄稿させてください。

最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。


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ヤンキーパンダ流マルハン研究 その3

2013-01-11 06:07:33 | ヤンキーパンダ
マルハン研究の第3回です。

その前に、前回、「元店長氏なみの記事を…」とのコメントを頂戴いたしました。

はっきり言います。無理です。洞察力、表現力、継続力、熱意、どれをとっても私が劣ります。

また、元職と現職の違いによって、しがらみの種類や表現方法も異なります。元店長氏の記事内容にはとても、共感する部分が多くあり、行間に込められた「業界への愛情、人への優しさ」を感じております。

一方、私の記事は行間が広いが故、勘案の上でお読みいただくと幸いです。

では、本題に入ります。

10年前、競合したマルハンの様子を箇条書きします。(一部は自店対応エピソードつき)

1.建物はダイナム程ではないがローコスト、外人モデルのイメージシートを多用。

2.設備は特に最先端に拘らない。ただし、イスは良いものを使用。

3.交換率は地域トレンド、1番店に合わせる。(当時の当該地域では30個、5.5枚)


マルハンは4個返し・ハーフスペックの海M27メイン、自店は5個返しの海3(R)とM27併用。

話が多少それますが、回顧を含めて物申します。暫しのお付き合いを。

5個賞球の海3(R)を30個から33個で使うのが稼働と利益のバランスは一番、良かった。

ただし、「M27登場以前」です。

初代ギンパラやミルキーバーのような低ベース機もあったが、設置シェアは海に比べ低い。

努力と工夫で採算ベースを維持しながらベースを18前後まで上げたりもしました。

3個賞球メインの昨今、一部リリースでは埋もれてしまうため、8割程度のリリース機種が5個賞球になることを願います。

台は進化し続けるが、かつての良い部分の芽まで摘む必要は無いはずです。
ギンパラと源さんは設定付きパチンコの名機。しかし、新しいものに淘汰されるのは宿命でした。

釘調整NG・厳格化が進む中で、設定付きパチンコのニーズは高くなると思います。その形が封入式になるのだろうか? 要は進化の中身を問いたい。

話を元に戻します。

当時、各メーカーは単発図柄に時短が付かないハーフスペックと時短がつくフルスペックを同時販売。いずれかをホールが選びました。

しかし、三洋はまずはハーフのM27のみの販売でした。三洋に「M27をあるだけ欲しい」と言ってもグランドオープン優先でした。

よってマルハンにとってM27大量導入は、結果的にアドバンテージとなりました。

8カ月後、三洋はフルのM56を販売。

お客様動向は海3→M27→M56と変遷しました。ほとんどのホールがM27からM56へ全入替えに。

実は海3には相当な歩率を打ちました。それにも拘らず、お客様は新しいスペックに流れました。

4.スタート釘調整は開け過ぎず締め過ぎず、イベント時は開けるが分岐一杯(30個なら12割まで)と思われる。

土日・半休は基本的に1〜2枚(25刻みの板の場合)締める。
つまり、0.2から0.4落とす。千円スタートで平常よりも1〜1.5回下げ。

スタートに関して競合店を大幅に上回ることは、お互いになかったと記憶しています。

MAXスタートとMINスタート、台景品は常に意識しました。マルハンを少しだけ上回れば良いかと。

しかし、限度はあります。スタートの上げ調整は暗黙の手打ちに繋がったような気がします。

5.確変ベース(BA)、特賞中差玉(TY)はノーマル。


自店はマルハンを上回ろうと、BAを限りなく100に近づけたり、TYをかなり寄せたりしたが、余り効果はありませんでした。

お客様にしっかり認知されるまで続ければ良かったのかも知れません。
BAはノーマルの90〜95で良いような気がします。触りすぎはいけません。

釈迦に説法で恐縮ですが、場合によっては敢えて触らないという判断が店長(釘師)には必要かと感じます。

6.スロット設定は中間多用。イベント時は角台、角2に高設定。もしくは一台おき、3台に1台など規則的に投入。

7.イベント、装飾など真似るスピードは速い。(お互いに)

8.野立て看板・ビル看板は多用する。チラシは地元の規制は守り、オーソドックス。テレビCMは確かなかったような。

9.新台ゲージの作り方は同じマルハンでも千差万別。統一はされていない

10.ハネモノ設置は消極的。競合が高稼働の場合は競合に合わせ導入。

手前味噌ですが、自店のハネモノは強かった。ファインプレーや玉ちゃんファイト、その後リリースされるレレレにおまかせなど。

常時、5万稼働。客層も老若男女、もちろんセミプロも多数。「30個交換、40台全台赤差玉で利益を残す」を常に目指しましたが、どうしても1〜2台は黒差玉。「全台赤差玉のプラス利益」はとうとう達成できませんでした。

その後、複数の地域でハネモノの育成に取組んでみましたが上手く行きませんでした。地域性、時代背景もあるのでしょう。

店の伝統のおかげで「高稼働である」ということを痛感しました。ハネモノはお客様との駆け引きが多く、面白い。

玉単価50銭前後の4円のハネモノなら1円よりも断然、お勧めです。ただし高稼働維持が前提です。

大阪・ナンバ周辺でマルハンと競合する某店がハネモノを大切に運用し、高稼働であることには敬服します。

11.導入機種のとりこぼしはない。話題の機種は必ず、脇役機種も結構導入する。入替えで後手に回ることはまずない。

12.機種配列、導線作りはオーソドックス。

13.当時は日にち固定イベントはなく、7の日は未確立。店舗名や地域名を冠する不定期イベントが主流。

14.一般景品について、お取り寄せの特別販売は当初はしていないが、競合動向に合わせ行う。

15.入替・店休は組合に従う。ただし、いい加減な組合なら従わないようである。

16.従業員は当初、精鋭だが徐々に地元アルバイト採用にシフト。女性の雇用には積極的な印象。

当初の接客は控えめでソツがない。「おもてなししてます」といった過度なアピールはしない。身だしなみは清潔、控えめ。ただし、主要メンバーの移動で接客力は劣化する。

当時、自店を辞退された20代後半の女性が数カ月後、マルハンで月間スーパースターに成られていました。

その女性はシングルマザーで、面接の時、「子供が発熱したら、保育所に預けることができないので、当日欠勤になる可能性がある」といわれました。

私は「シングルマザーかどうかは採否に影響しない。約束の日に出社していただければ良い。ただし、当日欠勤が増えると雇用契約に違反すると判断せざるを得ない」といったところ辞退されました。

マルハンの面接のノウハウは分かりませんが、そういう女性を受入ているのは好印象でした。何らかのサポート体制が整っているのでしょう。

昨年10月、数年ぶりにこのマルハンを視察しました。マタニティー制服を着た女性スタッフがスロットコーナーを担当していました。

思わず「マタニティーユニフォームは会社が用意するのですか?」と尋ねたところ、明るく「はい」と答えてくれました。

ただ、煙害を考えると安定期といえどもパチンコ店勤務はお勧めできません。
しかし、安定期のご本人が望むのであれば、環境は整えるべきでしょう。そういう点に学びがあると思います。

マタニティー制服の女性がシングルマザーかどうかは分かりませんが、悲しい事件を耳にする度に、シングルマザーの雇用を考えてしまいます。大阪方式は半世紀以上前から身体障害者や未亡人を積極的に雇用することで警察からのお墨付きを頂きました。

17.スタッフ紹介、スパースターは定番。美談エピソードポスターを良く使う。

まだまだ触れたい項目がありますが、キリがないのでこのくらいにします。
総括的に振り返りますが、自店もマルハンも特別なことは何もしていません。丁寧に一つひとつの取組みを進めただけです。お客様の顔色、声なき声に敏感だっただけかと思います。

その後、自店は海シリーズ3BOX120台の稼働率の維持に注力しました。
その結果、マルハンは稼働率40%に落ち込み、1040台から880台に減台します。

マルハンの海を崩し、稼働率の優位に成功はするものの、マルハン出店前の稼働よりは劣る結果となりました。

前回、紹介したおばちゃんは2008年の1パチ実施時に戻ってきたそうです。

2008年、既に私は退社しており、後任の者から聞きましたが、いわゆる「にいちゃん達」が1パチではいない、との事でした。

一度、離反したお客様が戻っていただくのに、実に5年の歳月を費したと言えます。

これは極端な例ですが今、来ていただいているお客様を大切にする教訓にしたいものです。

「俺達は大きいぞ」と言うスタンスでなかったマルハンがその後、「大きいぞ」に変わっていきます。

2005年1月、売上1兆円達成。時を同じくして、全国的に等価営業にシフトし、地域一番店比率に拘り始めました。

ご存知の通り、パチンコの売上は貸し玉料。兆という数字におぼれたのかマルハン各店が横断幕で「1兆円達成」とお祭ムードでした。

IR資料ではマルハンの直近の利益率は12.6%〜13.4%で推移。SIS平均よりも低く、全国レベルの相対評価では良心的ですが、利益率10%前後の地元の雄と対峙した場合は苦戦するようです。

余計なお節介ですが、地域一番の定義もあいまいな中、あまりそこに拘らない方が賢明かと思います。

実は「マルハン研究について」の寄稿をしたのはあるキッカケからです。それは昨年11月、12月に御堂筋での「マルハン広告トラック」と地下鉄御堂筋線での「中つり片面、全てマルハン広告車両」を目撃したことです。

風適法第1条に「善良な風俗と清浄な風俗環境の保持(そのための射幸心の抑制)及び、少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため」と記されていることは業界人であれば誰もがご存知かと思います。

その趣旨に照らすと上記のようなマルハンの広告宣伝はやりすぎでしょう。

ラッピングトラック、地下鉄、ドームやフィギュア選手権での広告で感覚が麻痺しているのでしょうか。

御堂筋はパチンコ嫌いの方、18歳未満の方も一杯見ています。

マルハン梅田店の不振は広告が不足したことではないはずです。10年前とは全く異なるスタンスを強く感じると共に、ますます過度になる広告に危機感を持ち、寄稿したのです。

さらに元旦に全国的に折り込まれたマルハン企業チラシ。多くの方がご覧になったかと思います。

新しいパチンコの取組みや社会貢献活動に触れられ、「高評価」とのコンサルタントやジャーナリストもおられますが、良く目を通してください。

パチンコが「18歳未満は禁止である」ことはどこにも書いてません。そして、パチンコ依存からの回復支援を社会貢献としています。

私達の「業」は時としてお客様の正常な判断を歪め、不幸にしてしまうことがある「業」なのですが、全国に折り込まれた今回のチラシからはその自覚は微塵も感じられません。

パチンコ依存は私達が原因です。よってその支援は責務であって貢献ではありません。

「リーディングカンパニーがこの程度の認識か」と、ますます業界全体が揶揄されます。いくら社会貢献度が高くても、派手な形ではそのことには触れない。そういうストイックさが必要ではないでしょうか。

そして、テレビCM、和田アキ子氏の「ナナナナ〜」は特定の日をアピールする隠語であるため「We Needたのしい」に変えざるを得なかったと推察します。

本来、風適法よりも厳格なテレビ考査を覆す、皮肉な結果になったこと、そういう「業」であることは当事者であるマルハンが一番わかっているはずです。

私はマルハンという企業が成長、進化することを歓迎しています。

ただし、業の性質を十分に認識した上での成長を願います。そのためにも地域に丁寧に根ざそうとし、同業他社からも尊敬された10年前のマルハンを思い出していただきたい。

「We Needたのしい」はCMで良く耳にするが、このままではたのしくありません。

(シリーズ最終回はまだ草稿中です。是非とも、皆様からの「学びと気づきのコメントを参考にし、寄稿させてください)

つづく


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ヤンキーパンダ流マルハン研究 その2

2012-12-27 06:26:24 | ヤンキーパンダ
2002年冬…

マルハン△△店がグランドオープンです。
1040台は△地区では最大。機種は当時、地元では複数BOXはとても入らなかった新海M27が6BOX240台。4号機のミリオンゴッド80台(10年前の記憶なので間違っていたらごめんなさい)などパワー営業全開でした。

開店前の告知チラシはそれほど派手なものではなかったかと思います。

自店のある▲県はチラシの組合自主規制を実施しており、そこに配慮したのかと。もちろん仮説ですから真意はわかりません。ただし、全国○店舗と店舗のある都道府県名は必ず入れていました。

開店数日前にはマルハンのK店長がお茶菓子を持って自店にごあいさつに来られました。

ごあいさつは謹んでお受けいたしました。

現在、マルハンがグランドオープン時に近隣店にあいさつに行かれてるかどうかわかりませんが、その時の印象はとても良かったです。

後日、お返しのお茶菓子を持って伺いました。

数日間にまたがる、台番指定の整理券の配布もソツなくされていて、お客様の導き方と機種の事前告知など多くの学びがありました。

整理券配布時、見知らぬお客様同士の「マルハンが来たし、◎◎(自店の事)が相当、出すやろうね。面白くなるね」と言う言葉が耳に入り、自店への期待が高いことが伝わり、誇らしく感じました。

スタッフ紹介ポスターは北海道・静岡・大阪など、それぞれの出身地が記され、全国から精鋭スタッフが派遣された事が分かる内容でした。

当時、マネージャーの肩書きを持つ方が複数おられましたが、全て制服で、白シャツはK店長のみです。

肩書きを持ちながら、白シャツの威を借りずにユニフォーム姿でソツなく、丁寧に接客される姿には、共鳴しました。

早速、自店の主任にも「制服には戻さないが心構えは学んで欲しい」と伝えました。

グランドオープン時のK店長のあいさつやスタッフ全員のカウントダウンにも有名芸能人に頼らない手作り感、暖か味がありました。

その後、入替合戦、配列の工夫、機械調整、出玉、機種イベント、店内装飾、POP、ポスターなど「取り組みと駆け引き」、「機種イベントや装飾のパクリ合い」がしばらく続きました。

マルハンは交換率の変更、装飾の変更、プチリニューアル(ペンキの塗り替え)、減台など稼働が落ち込む寸前に何かを必ず手掛けてきました。

一方の自店はマルハンにあって自店にないものにはハード面、ソフト面ともにすぐに対応しました。

もちろん社長指示があってこそ対応できたのですが、お互いの取組みは続き、稼働率における明らかな優勝劣敗がはっきりしない状態でした。

しかし、地域全体では稼働率はアップしており、自店のクオリティーもアップしたかと、そう感じました。

ある日、しばらく来店されない常連のおばちゃん(60代)に出会いました。

「おばちゃん、最近来られないですね」

「兄ちゃんばっかりで打てないから…」

「早く来たら?女性や高齢者は優先入場だよ」

「うん。知ってるけど、事情があって、午後からしか行けないの」

当時、自店とマルハンのやりとりは業界誌で「マルハン対○○(地方名)ナショナリズム」と煽り系のタイトルで特集記事として紹介されたりしましたが、本来、大切にしないといけないお客様が誰なのかを、そして、その方々は煽りを必要としているのかどうか。

おばちゃんの言葉は自分自身が「はっ」とした瞬間でした。

と同時に客層・客質を十分には考慮せず、マルハンとの稼働率争いに一喜一憂した自分自身を情けなく感じました。

つづく

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ヤンキーパンダ流マルハン研究 その1

2012-12-26 05:53:43 | ヤンキーパンダ
マルハン研究の業界誌記事や書籍はあるが、競合他店の現役店長が考察したマルハン研究は数少ない。そこで、ヤンキーパンダ店長が自らの体験を基にマルハンを考察した。このシリーズは不定期で4回に亘ってお届けする。

以下本文

私は過去10年間で3府県6店舗の店長をさせていただきました。4キロ商圏で4店舗、15キロ商圏では全店舗がマルハンと競合してきました。

研究を兼ねて、プライベートで、マルハンで遊ぶ事も多くあります。マルハンと関係するいくつかのエピソードをまじえ、「業界とマルハンの広告宣伝」について私見を述べさせていただきます。

2002年夏。ちょうど10年前のことです。

自店事務所に 一本の電話が入りました。

「店長、マルホンさんから電話です」と事務員さん。

「あれ? マルホンは○○商会との取引であり、直販・直売買ではないはず。何事かな?」と首をかしげながら私は受話器を取りました。

「株式会社マルハンと申します。この度、△△地区の出店が決まりまして、△△遊技場組合にごあいさつに伺いたと思いまして…」

電話の主は、マルホンではなくマルハンだったのです。

昔は地元の老舗店舗の事務所が、遊技場組合の事務所を兼ねることは よくありました。この組合の場合もそれでしたが、組合事務所はすでに移転していました。

マルハンの担当者はかなり古い名簿を見て電話されたのでしょう。

「あいにくですが、遊技場組合は移転しておりまして、今から言う電話番号におかけ直しください」

間違い電話によって、結果的に競合店舗に直接、出店を伝える事態となったのです。

通常、新規出店情報はメーカー、販社、商社、不動産会社などから「未確定情報ですが」と前置きして入ってくることが一般的です。マルハンに関しては、そう言った事前情報は全く入っておらず、情報の統制がとれていると感心しました。

「組合にあいさつ」という段階ですから、公開できる状態です。同時にそれは「公開に至るまで一切、外部に漏らさなかった」ということです。

出店用地は自店から約1.5キロ。幹線道路から入り込んだ道沿い、片側1車線対面道路。パチンコ店の出店用地としては、相応しくないと思われる立地で、ノーマークでした。

それまでのパチンコ立地の常識をくつがえす選択に感じました。

この立地で出店することは自信の表れなのか、勇気なのか、はたまた無謀なのか、判断に苦しみました。

当時のマルハンは120店舗前後のチェーンでした。店舗数ではダイナムに次ぐ、業界2位。(因みに公式HPでは2012年12月20日現在283店舗、2012年度13店舗となっています)

業界1位を狙い、あえて地域一番店の近隣に出店する。そういう意図が見えました。

数日後、同業他社のお節介な知人から電話が入りました。

「ヤンキーパンダちゃん。負けないでよ」

「えっ、負けないって、何に?」

「マルハンがお宅に、宣戦布告の電話をしたと聞いたよ。『ぶっ潰してやる』って」

「いやいや、組合と間違ってあいさつの電話をしてきただけだよ。こっちもマルホンさんと間違ったんだけど」

「もう、そこら中で噂になってるよ。みんな注目しているよ。絶対、負けないでね」

「・・・・」
(お宅の社長から うちの社長に言ってくれよ)

勝ち負けの基準が良くわかりませんが、おそらくその基準は外部からも判断できる稼働率のことかと思います。

個人的には「目立たずに、継続的、安定的に営業利益を残す」ことが賢明と考えてきましたが、外野はそれを許さないようです。

地元意識の高い▲地方。ライバルだけど同じ地元を応援。電話のエールに対する嬉しさはありました。

と同時に、人を介した情報の不確かな事。「あきれた」を通り越して、笑えてきました。

あいさつ希望のアポ電話がいつの間にか「ぶっ潰してやる」に化けるとは…。人の口には戸を立てられません。

現代社会は情報社会でもありますが、情報の真贋にはくれぐれも気をつけたいものです。しかし、ありえる話なんで、パチンコ屋らしいといえば、らしい表現なのですが。

10年前、▲地方ではまだ馴染みが薄かったマルハン。全国展開中であり、いずれは競合すると覚悟はしていたものの、その時期が早くなったことへの戸惑いはありました。

しかし、予測よりも早くなっただけであり、避けて通れない道です。と言うことで、マルハンの主要店を調査・研究することになりました。

機種構成、設備、POPポスター、1000円あたりの回転数、接客、店内美化、交換率、地域におけるポジション、競合店の状況などなど。

調査項目は多岐にまたがるのですが、何と、のぼりと曜日毎の機種イベントが自店に酷似! 機種イベント名、のぼりの色使いなどが酷似しており、偶然の一致とはとても思えません。

実はマルハンは既に自店を研究済みであり、一部、模倣していることが判明したのです。

既に出店を公表している段階なので、研究済みは当然の事でしょうが、自店の取組みを模倣するマルハンに「俺たちは大きいぞ」と言うスタンスは微塵も感じられませんでした。

さらに、マルハンに数年在籍していた知人の情報を集めました。

印象に残る情報は「マルハンはマナーの悪いお客様の排除ではなく説得を粘り強く行ってきた」ということです。

中にはマナーの悪いお客様の家庭訪問をしたこともあったとか。今ではどうされているのか判りませんが、10年前はドライさよりもそう言ウエットな対応が良とされたのでしょう。

ちなみに業界では模倣し合い。

「パクリ合い」ならぬ、「パクリ愛」。と勝手に表現していますが、ノークレームのアイデアや機種イベント名の「パクリ愛」がしっかり存在します。

例えばメーカーも「超海」「海です」「ガオガオフェスティバル」「スモモちゃん」・・・海物語、ジャグラーなどオリジナル版権についての他社による流用はよく見かけられました。

もちろん 内諾は得ているでしょうが、「パクる」のはリスペクトの証、「パクられる」のは一流の証かと。

吉本の「面白い恋人」は本家「白い恋人」から訴えられましたが、パチンコ業界に「パクリ愛」がなければ、年中訴訟かと、そう感じています。

余談ですが、「海のニセモンまあまあやな」と言ってニコニコして超海をいつも打っておられたオジサンの顔は今でもしっかり覚えています。

そのオジサンには「ニセモン外したのか!」と超海撤去時に叱られました。「ニセモン、ニセモン」と最後まで「超海」と仰いませんでした(笑)。

つづく

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KYでも憎めない主任

2012-12-14 06:03:37 | ヤンキーパンダ
私が在籍していたI県のあるホールでの警察の階級に関するエピソードです。

警察の階級を知らない業界人が意外と多いですね。業界を監督・規制する官庁ですから、是非とも知っておきたいところです。

登場人物名は全て仮名です。

I県警のある所轄では同僚を階級で呼ぶ習慣があるようでした。
例えば佐藤巡査、田中巡査部長などです。

巡査部長は呼称が長く省略し○○部長と呼ばれていました。上司である課長や係長は職位名で呼んでおり、部下からは例えば「鈴木警部補」などとは呼びません。

呼び方基準に「階級と職位」が混在するダブルスタンダートな習慣でした。

自店の山本主任(当時32歳♂) 

よく言えば明るくおおらかな性格。悪く言えば がさつで大雑把。

担当官の入替検査訪問時、ものおじどころか、かしこまった素振りも無く、また、所轄での呼称に倣い「さん」でなく「部長」。

「ちはーっす。田中部長お疲れサマッ」とこんな感じの対応です。

担当官はそのフレンドリーな山本主任の対応で和むのか、結構おおらかな検査…のような感じでした。あくまで「感じ」です。

そんなある日のこと、新しい生活安全課長が赴任され、店長の私と主任の山本でごあいさつに伺うことになりました。

新課長は非常に丁寧な方で、こちらのあいさつに対して、御自身の名刺を出されました。

「I県警 △署 生活安全課長 警部 山田太郎」

生活安全課の方がパチンコ店に名刺を出すことは珍しいことです。ましてや課長となるとそうそうもらえるものではありません。

差し出された名刺をかしこまって受取る私。

一方の山本はな・な・何と…

「へえー、警部さんですか。ペッパー警部と同じですね。幼い頃、ピンクレディーとペッパー警部にはお世話になったんだよね」

一同シーン。

私は場数を踏んできたつもりですが、そんな私ですら頭の中が真っ白。

固まってしまいました。

私の心の声「おい、山本! 空気を読めよ。ここはかしこまる場面でしょ」

山田課長(大物?)が かすかに会釈をしてくれたのがせめてもの救い(私が勝手に会釈と思っているだけで実は苦笑い?)。

その後の検査がおおらかでなくなった気がしてなりません。

後日談ですが、山本主任は、「課長よりも部長がえらい」と思っていたらしく確かに世間ではそうなんですが、巡査部長と部長は別です。

つまり、「階級と職位」の区別がついていません。いつも(巡査)部長にタメ口なので、その部下であると勝手に思っている課長にもタメ口で良いと判断したようです。

「事前に警察組織や階級を説明しなかった責任が私にある」と今更ですが、説教を兼ねて念入りに説明いたしました。

説明後、「ということは警視は軽視してはいけないということですね。ケイシを軽視なんちゃって」と山本主任。

「この人は懲りないわ」と心の中でつぶやく私。

しかし、彼には周りを朗らかにさせる天性のオーラがあり、放し飼いが賢明かと、、叱責も半減。ほんと、憎めない人物でした。

因みに警察官の階級はこうです。

巡査→(巡査長)→巡査部長→警部補→警部→警視→警視正→警視長→警視監

巡査長は正式な階級ではないので( )としています。

一般的に課長クラスは警部、署長クラスは警視、本部長クラスは警視正や警視長が相場だとか。

興味のある方は調べてみてください。

余談ですが、今回紹介したI県警は「一物一価」遵守を徹底したパイオニアです。

4年前の2008年、担当官と話す機会があり、「他府県では」などと決して口に出来ない緊張感の下、「二物二価」について、見解を求めました。

「たばこ、お菓子など一般景品はパチンコ用、スロット用と分けないのに…。買取ありきの手法は容認出来ない」と一喝されました。

今ではアラフォーとなった山本主任。風の便りではお客様にもスタッフにも慕われる店長に成られたようです。


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公務員の割数 後編

2012-12-07 05:41:07 | ヤンキーパンダ
公務員の割数の後編です。

数日後、Cの弁護士から私宛に手紙が送られてきました。

内容はCの反省文です。

「あのふてぶてしいCの反省文を今更、いただいても、何故、一方的に送ってくるのか?」と私は思い、弁護士事務所にTELすることにしました。

事務員さんに趣旨を伝え、折り返し弁護士先生のTELを待つことにしたのですが、いくら待っても折TELはなし。

2日後、こちらからかけると、同じ事務員さんが
・今は不在であること
・先日の趣旨は伝えていること

を事務的に繰り返すばかりです。

「何時なら先生はお戻りか?」と尋ねても、言葉を濁すばかりです。居留守のにおいがプンプンです。

しっくりいかない私は、知人の弁護士にいきさつを説明し見解を求めました。

知人は決して悪口ではない、と前置きしながら次の様な見解を示しました。

・その方は国選弁護人かと思われる。

・被告人のために必死になっても量刑は変わらない。

・裁判で出来ることは被告人が反省していることを示すくらい。

・反省することで、店長さんの理解を求めたいのではなく、反省文を送った事実が欲しいだけ。

・よって、店長さんが納得していないことが判ると面倒なため、対話は避けたい。

・被告人の利益を最大限に追求する場合、嘆願書を作成。
 被害者の理解そして署名を求めることもあるが、今回のケースはそうする気はないようだ。

「国選の場合は被告人のために頑張っても報酬が変わらないため【手抜きしている】と言うことですか?」と私が更に尋ねると、

「手抜きという表現がふさわしいかどうか、見解は分かれるが、効率的に進めようとしていると思われる」と言うことでした。

私は、刑事→検事→弁護士とベルトコンベアーのように流されていくCにあわれみを感じました。

悪いのはCなんで、あわれみは持つ必要はないのでしょうが。

正義の味方は心のこもった業務で悪人の心も変え、更正させ、再犯しないようしむける。

ドラマのような、そんな弁護士さんの心のこもった働きをイメージしていた私はギャップを感じました。

そして、正義の味方であるはずの人たちの省エネ業務にがっかりしました。

パチンコで例えるなら、「割数が低い」となるのでしょう。

(割数とはパチンコ営業で非常によく使う用語です。ここでは詳細は省略しますが、割数が高いと、店の利益率は低い、お客様に親切な営業と言えます。逆に「割数が低い」は「不親切」です。業界人には「釈迦に説法」みたいな話ですが、日報読者は業界人以外の方も多いようなので、敢えて触れました。また、台運用上は薄利の店であっても、「各種対応が遅い」「台メンテナンスが不十分」「清掃が行き届いていない」なども「割数が低い」と勝手に表現しています)

しかし、冷静に振り返ると、検事も弁護士も予測されるであろう結果への最短距離を選び進んだだけであり、可能性が低くても全力でチャレンジという青い臭い真似はしない静かに仕事を進める「いぶし銀」の働きをしたのです。

ですから、私の勝手なイメージで期待し、勝手に失望したと言う事です。

多くの公務員(紹介したケースでは弁護士は国選とみなし、準公務員と考えています)は、大きくは国家公務員・地方公務員にわけられ、職種・雇用形態も様々であり、一律に評価するには無理があります。

共通項で括ると国民・全体の奉仕者であり、税金から給与をもらう人々です。

奉仕者ですから、裁量権はありません。

局長クラスであっても法令、規則の根拠がない限り、決裁できません。

手続きの質を向上させることで全体の奉仕に繋がると考えているようなので、法令の下で、法令に忠実に、効率よく、確実に手続き(仕事)をすることのプライオリティーが高く、プロであればあるほど、「愛想よく」と言った姿からかけ離れることになるようです。

(ただし、検事など一部の公務員は裁量権を持ちます。検事は送致された事件に疑義があれば、不起訴、もしくは起訴猶予にする権限を一人ひとりが有しますが、実際はその多くが組織の暗黙の掟に従い、「手続きの効率化」を優先していると思われます)

誤解を恐れずに言うと公務員の多くは「手続き屋さん」なのです。

手続きに徹すればするほど、公務員の割数はどうしても「低」(不親切)に見えるのです。

また、業の性質から目立つことを避けるため、世論に抗弁はできないし、いたしません。抗弁しないため、批判は一方通行になります。

日本の公務員の人口当たりの比率は先進国の中では低いのですが、「外国に比べて数は多くないのです」と公務員の側から発信することは まずありません。

「数ではなく質が問題」であることは彼らは十分に自覚しており、「効率と確実性」に磨きをかけ、質を向上させようとするのですが、その姿を世間は冷たく感じるのではないのでしょうか。

翻って、私たちの業界はどうなのでしょうか。

公務員に対する批判は世間が「公務員は手続き屋である」と言う認識に乏しいことが、背景にあると私自身は考えていますが、私たちパチンコ業界に対する批判の原因は何なのでしょうか?

パチンコ業が規制対象業種であることは言うまでもありません。 

また、法的根拠も脆弱です。

俗っぽく言うと「日陰の産業」なのです。

しかし、日なたに出よう、出ようとしてきました。

日なたに出ようとした結果、多くの誤解、勘違いが起こり、それが、批判に繋がったのではないのでしょうか。

バイクメーカーはテレビCMを業界ぐるみで自粛しています。事故時の人命を考えるからです。

「吸いすぎない様に」とタバコのパッケージも年々、工夫が見られます。

一方、私たちパチンコ業界はどうなのでしょうか。

もちろん、ビジネスですから売上向上のための合法的な煽りは否定しません。

しかし、規制業種である以上、煽りは自律、自制とセットになるべきです。

日陰があるから日なたがあるわけで、日陰と日なたは対等です。よって、日陰は「肩身が狭い」わけではありません。

日陰を楽しみ、日陰を堂々と歩めば良いのです。

最後に公務員の皆様へ 批判は期待の裏返しです。

「もっと割数を上げましょうよ(親切になりましょう)。お互いに」


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公務員の割数 前編

2012-11-29 05:49:12 | ヤンキーパンダ
私も警察も体感機ゴト師対応に辟易していた2004年。

ゴト師C(37歳♂)のケースです。

ホールで確保した段階で私は、

・器具の放棄

・お詫び状(念書)

・組合への氏名・写真提供の同意

をもって、和解しようとしたのですが、Cは証拠ビデオを見せても全く、認めず、横柄な態度でした。

後々、わかるのですが、Cの道具は無線型で有線型に比べ、立件が難しいと
タカをくくっていた模様でして、更には30万円と高額な体感機であり、
まだ、元はとっていない。

よって器具の放棄に並々ならぬ抵抗を示したようです。関東からの単独ゴト行脚中のCは余程、自信があったのでしょうか。

ビデオ、データ、コインなど各種証拠と共に警察に突き出すことになりました。

刑事さんはこういいました。

「店長さん、Cは前科があるね。相当根が深いよ。どうする?」

「全く反省の色がないから、徹底的に絞ってください」と言う私に刑事さんは 瞬間的に面倒そうな表情が浮かびました。

「では、店長さん、今から被害届けや事情徴収の手続きに入りましょう」と言うことで取り調べモードは一気に加速しました。

手抜きは一切なし。 私も事情聴取で警察署に詰めることになりました。

おっと失礼。

「手抜きなし」をあえて使うと 「日頃、手を抜いているのでは?」という印象を与えますね。和解を奨励することはあっても警察の仕事に手抜きは一切ない、とそう感じています。

明らかになったことは、Cは元ホール幹部。

東京のホール勤務時、外部勢力とグルになり、裏ロムを仕組むと言う前科がありました。

数日後、刑事さんから「店長、一緒に検察に来てもらえないか?」と依頼がありました。

その趣旨ですが、「検事さんが体感機のしくみの説明を求めているのだが
私はうまく説明できない。よって補足してもらえないか」ということです。

F地方検察庁Y支部へ刑事さんと出向きました。

検事さんの部屋に通されたのですが、検事さんからの声かけはなく、しばらく沈黙。

しばらくして「で、何の用?」と検事さん。

刑事さんと私は顔を見合わせ、話の切り出しに苦慮。

間を置いて、刑事さんが「先日のパチンコ店の窃盗未遂事件の件ですが」と口を開きました。

「そうそう、そういうのがあったな。で、?」と検事さん。

「先日、電話でお話したとおり、器具の説明について本日は被害者であり、器具について詳しい店長さんに来ていただきました」

私は深々とお辞儀し、名刺を差し出したところ、検事さんは受取りません。

「前置きはいいから、忙しいのでとっとと説明してください」と検事さん。

私は「嫌なムードだな、、自分が呼びつけたくせに」と思いつつも、

「儀礼よりも実務を優先する実務派の検事かも」と心の中で善意に解釈することにしました。

そして瞬時に気持ちを切り替え愛想よく、

「かしこまりました」

ということで、
・スロットの大当たりや小役抽選の仕組み
・ストックの仕組みとストック放出の仕組み
・抽選のタイミング
・体感機でそのタイミングを合わせる
・レア小役の松解除、チェリー解除などなど

当時、私の持つ、精一杯の知識を披露し、「よって大当たりの確率は」と【確率】と言う言葉を使ったその時でした。

「俺の前で確率の話はするな!」と検事がいきなり激怒。
(もう「さん」はつけません)

刑事さんも私もびっくり。
鳩豆状態です。

検事「俺はT京大学で、確率論を専攻していたんだ」

つまり、【確率】の解説について、

「プロである俺がアマのお前からの解説を受ける必要はない」と言うことなのです。

その当時にスギちゃんがいたら 
「専攻していたんかねえ〜ワイルドだなぁ〜」とものまね・お笑いで済んだのでしょうが。

再び、沈黙。

重苦しいムードの中、
刑事さんが「実は容疑者は自供しておりまして」というと、

「それを早く言えよ。自白しているならごちゃごちゃ考えなくて良いんだよ!」と検事。

検事も刑事も40歳前後。見た目は若干、刑事さんが年長?

しかし、言葉は完全に上から目線でした。
階級社会には「長幼の序」は存在しないようです。

と言うことで検察での体感機プレゼンは終了。

何の為に時間を割いたのか。とてもむなしい思いをしました。

と同時に怒りのバロメーターがアップ。

帰路、刑事さんが
「店長さん、嫌な思いをさせてしまったね」との労いの言葉でようやく、我に返ることができました。

刑事さんは多くは語りませでしたが、どうやら自白の件は事前に電話で触れており、この検事のヒエラルキーまるだしには他の事件でも手を焼いているようでした。

本人は威張りたいだけなのでしょう。

「エリート街道からはずれ、支部勤務に相当不満があり、権威をアピールすることで不満解消」と思われても仕方がない対応でした。

本来、立件に関して、自白偏重であることは、好ましくないはずなのですが
自白に頼ることが手っ取り早いため、業務的に手を抜きたかったのでしょうね。

「威張ることには手を抜かないくせに」と私は心の中でつぶやいていました。


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組ちがい

2012-11-28 06:11:24 | ヤンキーパンダ
ゴト師豊作の2004年。

こんな豊作はうれしくないのですが、やんちゃグループに属さない普通の青少年達がゴトに手を染め始めたのが2004年、と私は記憶しています。

それまでのゴト師はヤンキー系、チャイナ系がほとんどでしたが、2004年頃から普通のお兄ちゃん達がゴト行為に手を染めるようになったのです。

素人ゴト多発の背景には、器具のネット販売やしっかり儲けたゴトの元締め達が器具を手放す事があったようです。

体感機もしくは低周波治療器を改造した器具によるもので、対象機種のほとんどは4号機吉宗、30パイのシオラーでした。

ゴト師を捕まえる事よりも、「このホールは隙がない」と諦めて何もせずに帰すことを優先しており、それらしき人物にはベタ付きでこちらがマークしていることを知らせることで予防できました。

しかし、このお兄ちゃんたちはガードが甘く、悪気なく、普通に行為に及び、「ちょっと事務所まで」にも素直に従う(中には逃げ出したり、暴れたりする者もいましたが、概ね素直に従い、それまでのゴト師とは様相が異なりました)。
と言うことで多い月には10人ほどを確保することになってしまいました。

(その後、「レバー付近は念入りにズームアップしています。体感機のもちこみは住居侵入罪、従わない場合は不退去罪となります」と言った趣旨のポスター告知を徹底することで沈静化しました)

ゴト師の立件には証拠の提出や事情聴取(多い時には刑事課、地域課、生安課少年係と3回)。

実況見分、時には検察への説明への同席、国選弁護人からの手紙対応などなど膨大な労力を費やすのです。

数回目ともなると、当時、担当していただいた警察の幹部職員から「少年で初犯。反省の色も濃く、警察、被害者立会いの下、器具を処分することで和解してはどうか」との提案もしばしばありました。

煩雑な手続きに辟易していた私は警察の提案に迷わず「了解です」。

その他にも色んなケースがありました。

■A(当時21歳)の場合

押し売り被害でした。

K市のパチンコ店で大勝したら、「換金所で待ち伏せされ、10万円で買わされた」そうです。

使い方の説明、ゲームセンターでの練習の奨励もあり、押し売りなのに親切でして、ただし「K市ではするなよ」ということで、当時私が勤めるホールのあるY市に遠征してきたのでした。

本人談話を額面通り受取るわけには行きませんが、待ち伏せされたホール名、手書きの取説、練習したゲームセンターの場所など具体的な話でした。

■B(当時19歳)の場合

前述の警察の提案により和解したのですが、その際「君の写真と免許のコピーは組合に回すからな、今後はY市のホールに出入りするなよ」と遊技場組合に限り、写真・氏名を公表する旨の同意書にも署名させました。
(実際はこういう事件があったことの報告にとどまり、写真・氏名は公表し
ません)

後日、Bの父親から私に電話が。

「うちの息子は一生、黒い勢力に追われるのでしょうか?」との質問です。
息子さんの行為に対するお詫びの言葉はありません。

どうやら「組合」と「組」を混同していたらしいので、ここは丁寧に

「パチンコ業界が健全化の努力をしていること」

「当ホールは黒い勢力とは無関係であること」

「息子さんがまた、犯罪に手を染めないよう見守ること」
などを話すとえらく喜んでいただきました。

宝くじの組違い当りはとてもうれしいのですが、この「組違い」には丁寧に説明しつつも、とても複雑な気分になりました。

「組合と組」の勘違いがあったとしても、「黒い勢力から一生追われるのでしょうか?」と尋ねることは私たちパチンコ店を黒い勢力の一味と感じている証でして、「まだまだ世間はそういう印象を持っているのか」
と思いつつ、臆面もなく(黒い勢力の一味とみなしている)私にそう尋ねる思慮のなさ。

「この父親にしてあの子あり」と感じました。このあほ親には「はい、一生どころか孫の代まで追われます。」と言ってやった方が、薬になるのではと思いつつも、実際は丁寧に解説させていただいたのです。

つづく

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人で態度を?

2012-11-24 06:30:08 | ヤンキーパンダ
社長から店舗へのTELが不定期に入ります。

社長はいつもディスプレイ表示のない外線にかけてこられます。

私がその外線を取る場合、「社長かも…」と予見し、十数秒の間にすぐに答えられるよう、売・割・客数・競合動向などある程度のデータを開き、電話をとります。

社長TELは傾向として土日の午後4時ごろが多い。

土日も営業される熱心な(笑)メーカーさんからのTELもあり、「社長からのつもり」で万全の明るい声で受話器をとったところ「なんや、○○さんかいな」とちょっと不機嫌になったりします。

全てこちらの都合なので、○○さんの落度は微塵もありませんが、ちょっとムカつきます。

私以外の者が社長TELを取った場合、受話器へのおじぎや腰の浮き加減などその仕草で「社長やな〜」と気づきを与えてくれます。

数十秒の会話の後、「社長からです。店長に代わってください、とのことです」ということで、その数十秒の間がなんとありがたいことか。

その間にデータを開くなど「社長対応モード」突入です。

ところがKリーダーが対応した場合は、事情が異なります。

社長であっても、アルバイトであっても、業者さんであっても、全く電話の声色やしぐさに変化がなく普通に丁寧な対応です。

社長じゃないなと油断していたら、「店長、社長からです」との言葉に慌てる私。

「社長TELの場合はもっと慌てろ。かしこまった仕草をしろ」などと文句を言っています。

日頃「急ぐことと慌てる事は違うぞ」と指導していますが、この件だけは例外で、Kリーダーからすると理不尽な要求に外なりません。

幼い頃、祖母から「人見て態度変えたらあかん。陰日向のある行動はあかん」といわれて育ちましたが、かしこまることや、声色が変わることは今回の様に合図でもあるし、敬意でもあるので、今では遺訓となった祖母の言葉は「道としては正しくも、術としては如何か?」と屁理屈をこねている私です。

しかし、素直になれば、まさしくシンプルな「金の言葉」。

「誰にでも丁寧に接しろ」と言う深いい意味も含まれます。

よって、私が反省すべきです。天国のおばあちゃんには直接、謝ることは出来ません。

Kリーダーは毎日、顔を合わせていますが、店長のプライドから謝る気はありません。

そこで、このブログを借りてお詫びさせてください。

おばあちゃん、Kリーダー「人で態度を変えてごめんなさい」

しかし、これからも、「態度を変える」ことは変えません。


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リスク分析の先にあるもの

2012-11-20 05:43:51 | ヤンキーパンダ
先日、自店スタッフが店舗内外でストーカーもどき被害に会い、スタッフの身内が警察へ通報したことからそのことが顕在化しました。

そして刑事(生活安全課)さんと私(店長)でスタッフ(当事者)のヒアリングを行うことになりました。

ヒアリングの中で私が加害者(当事者とは旧知の関係らしい)との関係を当事者に尋ねようとしたところ、刑事さんから「それを聞くと被害者や身内から訴えられるよ」とストップがかかりました。

私は「上長として、当事者が安心して仕事ができる環境を整え、効果的なアドバイスをしたい。また、いざという時の連携強化を図りたい」とそのための事実確認でした。

刑事さんの立場からすると「客観的な状況が固まらない段階でのプライバシーにかかわる質問はプライバシー保護の観点からNG」とのことです。

つまり、私も刑事さんもリスクヘッジ(ここでは防犯)という動機があるのですが その手段に於いて、全く逆の見解になりました。

「状況を正確に把握するための質問であり、店で起きているため私も半ば当事者になってしまっている」と心の中で反論していましたが、捜査のプロである刑事さんの見解を尊重し、加害者との関係は聞かずにおきました。

その場は、当事者からのシグナルがあれば、【店も警察もすぐに連携を図る】ことで一致し、幸いストーカー行為は沈静化しております。

数年前、高校新卒の採用面接を実施するにあたり、ハローワークから面接におけるNGワードの指導を受けたことがあります。

詳細は省略しますが、「最近読んだ本は?」などの質問もNGで、人物を深く知るための質問はほぼNGでした。

担当者は「『読んだ本』」を知ることでややもすると『思想・信条・宗教差別』に繋がる恐れがある」とのことです。

私は「そういう差別はしないことを前提に任意で尋ねてもダメなのか?」と尋ねたところ、
「未成年には任意という話でも誘導になる」とのことで結局はダメということでした。

もちろん、理不尽な差別選考が過去に多くあり、その教訓からルールが定められたことは理解しますが、どうもしっくりしません。

出自にハンデを設けることは当然、いけないのですが、その目的が形骸化し、ルールだけが一人歩き、逆に立身出世のチャンスの目を摘んでしまっているような気がしてなりませんでした。

誤解を恐れず記しますが、警察も職安も役所であり、多くの役所の「リスク分析の先」は「何もするな」に繋がっているような気がしてなりません。
(もちろんそうではないケースもありますので公務員全てが「そうだ」とは思っておりません。そういう傾向が強いということです)

「リスクの強調=慎重であること」と多くの方々が受入れがちですが、その先にあるものは、

1.何もしない

2.今はしない

3.リスクを覚悟した上で、目標にチャレンジする

と大きくは3種類あると思います。

1.で世を渡っていけるほど、グローバルな現代社会は甘くはありませんし、その環境で何もしないリスクほど危険なものはありません。

リスクを語ると同時に「その先にあるもの」も語りたい人でありたいものです。

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基準がわからん!(セクハラと広告規制)

2012-11-15 06:13:00 | ヤンキーパンダ
先日、知り合ったベテラン店長からホール現場のホットな話が届いた。ハンドルネームは「ヤンキーパンダ」。これから不定期ながら面白話が聞ける。現場の問題を共有しながら解決の一助になれば幸いだ。

以下本文

業界歴が20数年ともなると、自分の娘と同年齢のアルバイトスタッフを採用することになります。

娘と同年齢のアルバイト女子に「○○さん かわいいね」と言ったところ○○さんは会釈。

ところが横で聞いていた主任が、
「店長 セクハラにつながります」

「えッ! 親がかわいい子供に『かわいい』ということと同じなんだけど、セクハラなんて…」

「店長の思いではなく、声をかけられた本人がどう感じるかです。ましてや特定の女性スタッフに『かわいい』と声をかけると他の女性スタッフから不協和音が生じる恐れがあります」

「俺は上司として全員かわいいと思っているし全員、声かけしている」

「そうじのおばさんに店長が声をかけている姿は見たことがありませんが」

「・・・・・」

主任の言うことは全く正論です。ただ、「息苦しく」感じておりました。

そんな出来事があった数日後のことです。

ある部品交換が必要となり、メーカーに要請のところ、部品供給の段取りが悪く、とまどうS社。

「所轄に今日中に書類を出さないと土日稼動できない。今から取りに伺います」ということで元町の大阪支社に行きました。

日頃はショールームしか訪れることはありませんが、この日初めて総務・経理の部屋へ。

担当者と部品・書類のやりとり後、あるポスターが目に入りました。

【セクハラ窓口、ホットラインTEL○○○ー○○○○】

私は思わず担当者に「セクハラ相談窓口は、設置しなくてはいけないのですか?」と聞きました。

「そうですね。コンプライアンスの一環です」

「でも、実際どうなん。どこまでセーフでどこからアウトなん?」

「アウト、セーフは受ける側の判断ですね」

まさしく自店主任と同じ見解。しかしどうしても素直に引けない私。

「マリンちゃんに似てるねはアウト、セーフ?」

「それはセーフでしょう」

「では、マリンちゃんの格好して」

「ア、ア、アウトでしょう」

「でもその女性が『マリンちゃんの格好大好き』と喜んでいたらセーフでしょ」

「そうですね。点(その一言)だけで捉えるのではなく線や面(前後の脈絡や日頃の人間関係)で判断すべきでしょうか」
と他愛もない会話は終了しました。

同じアウト、セーフの会話シーンが警察検査で起きました。

所轄の担当者△係長。

最近の検査では新台だけでなく店内POP、ポスターなどかなり念入りに見ておられます。

海コースの床シートの上で立ち止まり、「うーん」といった表情。

「な、何か問題ありました?」

実は広告規制以来、問題にされそうな文言は念入りに修整したつもりでした。

「『全ては海とともに』とはどういう意味や?」

確かに床シートにはほんの小さく海と共にの文言が…。

「他意はなく、デザインの一部かと…」

「アウトやな〜」

「えっ!」

「アウト、セーフは店側でなく、こっちが決めるんや」

「か、か、かしこまりました」

「店長さん、言うておくけどな」

「は、は、はい」

「とにかく余計なことはせんで欲しいんや、問題に思われたら本部が入ってくる。そうなると俺もあんたも困るんやで」

“俺もの”のくだりは妙に迫力がありました。

「は、は、はい」

「9月までに改善してや、それ以降は処分の対象になるで」

「かしこまりました」

所轄とのやりとりで使う言葉は「はい」と「かしこまりました」のふたつと日頃、部下に言っており、それを自ら実践し事なきを得ましたが・・・。

このようにセクハラ問題も広告規制も相手次第で基準がはっきりしない戸惑いがあります。

しかし「はっきりしないから柔軟な運用がされている」と前向きにとらえています。

もちろん時代背景・環境変化で規制や摘発の濃淡は発生します。

「この業界だけ(所轄解釈で振り回される)」と言われたりしますが、「良く似た事例は多くある」と感じる今日この頃です。

ちなみに「それってセクハラや」と言われると気の弱い私は「シュン」となり、うつむいてしまいます。

黄門様の印籠を見せられた町人状態です。

「被害者はそれ以上にダメージを受けているのです」と言う声が聞こえそうですが。

黄門様は1週間に1回しか使ってません。しかし「セクハラや!」は無制限。

文中で触れたとおり、点(言葉尻)で捉えるのではなく線・面(前後の言葉の脈絡や日頃の人間関係)で捉えて欲しい、と思うものの、所轄同様に職場の女性たちには念入りな配慮が必要、と言ったところでしょうか。

「過払い金請求報酬」による利益がひと段落し、弁護士諸氏が今度は「セクハラ問題」や「サービス残業」ネタでの報酬を狙っているとかいないとか。

ガードが甘く、お金がありそうなパチンコ関連企業が狙われやすい?

あらゆる面でコンプライアンスが問われる時代です。皆様、職場の人間関係を定期点検されることをお勧めいたします。

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