第73回特別賞は合議の結果、該当なしとなった。
第73回特別賞は合議の結果、該当なしとなった。
好評だった尾野真千子から主役を引き継いだ夏木マリ。主役交代のニュースが話題となり、ハードルが上がった中で見事に演じ切った彼女に特別賞を。「途中から主役を演じるという大変なことを違和感なくやっていた。特殊メークの首のしわも自然だった」など、多数の賛辞が寄せられた。
'69年に放送開始し、シリーズの最高視聴率は'79年の43.7%。'11年12月19日放送の1227回で終焉を迎えた人気時代劇「水戸黄門」の功績をたたえ、特別賞を。身分を隠して旅を続ける主人公の水戸光圀公をはじめとした個性的なキャラクター、勧善懲悪の分かりやすいストーリーなどが老若男女に支持された。
放送21年、放送回数500回の金字塔を打ち立て終了した、「橋田壽賀子ドラマ 渡る世間は鬼ばかり」。家族の愛をテーマに人間模様とそれぞれの大騒動を描いてきた“渡鬼”は、最終回の平均視聴率22.2%、全500回を通した平均視聴率も20.6%と高い数字を維持。功労をたたえ、特別賞に。
芦田愛菜と共に「マルモのおきて」ブームを巻き起こし、助演男優部門でも2位と大健闘した鈴木福に特別賞を。「愛菜ちゃん、ムック(犬)の隣でいつもニコニコ。太陽みたいな笑顔に癒やされた」との意見や「早くスペシャルドラマが見たいし、成長を見届けたい」と今後の期待も大きい。
「てっぱん」で大躍進を遂げた新人・瀧本に特別賞を。「ほぼ無名だったのに最終的に視聴率20%を連発したのはスゴイ」「タイトルバックの“てっぱん体操”も印象的。楽曲との相乗効果もあり、おおいに楽しめた」。
全10話、すべて異なったタイトルバックを放送した「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~」。特異能力の世界観を表現する曲調や映像で制作し、ドラマにスパイスを効かせた。「計算されたタイトルバックでオープニングからワクワクした」「主題歌も映像もおしゃれで見逃せなかった」との声も多く、作品を盛り上げたことが受賞理由に。
一眼レフカメラでの撮影や、スピード感あふれるBGM&最後に紹介される「今週のモテ曲」など、多くの仕掛けを使い、新しいドラマの息吹を感じた作品。演技派の森山未來らがドラマをしっかりと支えていたことも、高評価に。脚本と演出を手掛けた大根仁には、次回作を期待する声が寄せられた。
大人にこびる芝居や虐待された後のけなげな笑顔などが印象的だった芦田。オーディションで脚本の坂元が推したという彼女が、今作で一躍“天才子役”として脚光を浴びた。今後の期待も込め、ザテレビジョン特別賞・新人賞を贈呈。
第64回特別賞は合議の結果、該当なしとなった。
愛を掲げた武将・直江兼続(妻夫木聡)の幼少期・与六役。わずか5歳で主に仕え、寂しさを乗り越えて忠誠心を身に付けていくけなげな演技が涙を誘った。本作で大ブレークし、兼続の息子・竹松として再登場したほか、ドラマやCMに引っ張りだこの人気者に。'09年末の紅白歌合戦では“こども紅白歌合戦”司会の大役も果たした。
第62回特別賞は合議の結果、該当なしとなった。
連続ドラマ初出演ながら、多くの視聴者を魅了。二人の父を思う無垢な姿が涙を誘った。演技力も上達し、今後が期待される。
相棒不在を逆に生かすストーリーなど、攻める姿勢で、今クール中ナンバーワン視聴率を獲得。その取り組みが評価され、TV記者票と審査員票の合計では支持率1位だった。
特別賞は助演男優賞に続き緒形拳。「命を懸けて臨んだ役だけあって素晴らしかった」「セリフの重みが違った」など、多くの票を集めた。
バラエティー番組への出演や、全日本女子バレーチームの応援団として活動するなど、ドラマの枠を超えた活躍が光ったニコガクナインが特別賞を受賞。メンバー同士の雰囲気の良さが作品の魅力を引き出し、劇中で“チーム”になっていくさまともリンクしていた。
第57回特別賞は合議の結果、該当なしとなった。
英治の娘・雫役で、ドラマ全体を引っ張るほどの存在感を見せた八木優希が受賞。健気でかわいらしく、驚くほど完成度の高い演技に、助演女優賞にも多くの票が集まった。
本格連ドラ初出演ながら、主演を見事に務めた北川に新人賞。ダメダメだがチャーミングなヒロインを表情豊かに演じ、視聴者をいい意味で裏切り続けた。
伝統と格式を重んじる老舗旅館の女将となった現代女性・浅倉夏美を演じた比嘉愛未に、新人賞としての支持が殺到。視聴率も最初こそ振るわなかったが、最終回は23.2%を記録した。ほか「山田太郎ものがたり」の妄想シーン演出、「花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイス」のイケメンキャスティングにも支持が。
ほっしゃん。や真木よう子を新人賞に推す声も多かったが、スピンオフの試みを成功させた2作に栄冠。「バンビ~ノ!」は、公式HPでミニドラマを配信。本編同様に岡田惠和が脚本を手がけ、再生数が100万回を超えた。「プロポーズ大作戦」は、ツルとエリの物語を「プロポーズ小作戦」と題し携帯で配信。DVDに特典映像として収録される予定だ。
40年前の華麗な世界を見事に表現、ドラマに厚みと華やかさを持たせたことを評価。銀行の頭取室や会議室は時代の重厚感を表現。万俵家のリビングでは、海外から取り寄せた木材やカーペットを使用、アンティークのシガーボックスなど細部までこだわり、“華麗なる”空間を作り出すことに成功した。
原作に登場するオーケストラを実際に作ってしまう試みで、演奏シーンの出演、曲の録音を担当。若々しい演奏で原作マンガに描かれたクラシックの魅力を見事に具現化し、ドラマを大成功に導いた。サントラCDやコンサートも人気で、クラシックブームをも巻き起こした。
桑野と心を通わせるパグ犬・ケン役。従来の動物タレントの枠をはるかに超え、喜怒哀楽の“感情”を感じさせた名演技と、演技指導を評価。特に第8話では物語のメーンを張る活躍。何かを訴えるような瞳と切ない表情で、桑野ときずなが生まれる過程を絶妙に表現した。
ゴージャスな巨大セットに通常のドラマの20倍ものCGスタッフと、総力を投入して作られた豪華絢爛(けんらん)なビジュアルを評価。毎回細かいところまで凝った異国情緒あふれる建物や、筋斗雲に乗って高速で空を飛ぶ孫悟空など、おとぎ話のようなシーンを巧みに映像化。エネルギッシュで、夢のあるビジュアルで楽しませた。
“熟年世代の離婚”という現代の日本社会を反映した問題を軸にして、オリジナルドラマを企画。さらに、クオリティーの高い作品を作り上げ“ドラマ離れ”が進んでいるといわれる中高年の男性をも視聴者に取り込み、社会現象ともいえるヒットを記録したことを評価した。
膨大な手間と困難が伴う海や水中でのロケを、海上保安庁の全面協力を得て妥協することなく敢行し、迫力満点の映像を生み出したことを評価。水と格闘する生身の人間の姿は、思わず息をのむ緊迫感。テレビドラマの枠を打ち破るスケールの映像が、作品のリアリティーの根幹を支えた。
88年のシリーズ開始以来、18年間の長きにわたり安浦刑事を演じ、常に高品質のドラマを作り上げてきたことを評価。犯人の心情に対する刑事の心の動きを幅広い演技力で表現し、アクション中心だった刑事ドラマに新しいスタイルを確立した。
深田恭子が全10話で71セット着用した衣装はすべて1セット約1000万円相当、同じものは着ないなど“富豪”というキャラクターを豪勢に表現したファッションが話題に。膨大な衣装集め、毎回保険をかける、HPで写真とブランド名を公開するなどスタッフのこだわりと労力を評価。
石原裕次郎の生前に身近にいた人々が出演し、制作に携わったからこそできた作品。裕次郎と兄・慎太郎の最後の会話など、全シーンから裕次郎への愛が伝わってくる。
「ほんまもん」では主人公が修行する尼寺の庵主。「サラリーマン―」では主人公の義母・加代。「京都―」では新聞社のキャップ・つた子。「トリック2」では主人公の母・里見役で出演。
CM→CD→連ドラというかつてない手法で視聴者の期待感をあおり、初回視聴率29%の成功で、連ドラの新たな可能性を発掘した点を高く評価。遊び心あふれる展開も話題に。
“映画史考証”という新たな役割を依頼し、物語の縦軸である京都時代劇映画の盛衰を、人々の心情からセットまでリアルに再現。“時代の証言”として貴重だった点を評価。
窓を破って落下したり、腹からエイリアンが飛び出したりと、CG使いが作品の“遊び”を支え、演出上効果的だった点を評価。逃げるエイリアンに影をつけるなどつくりも本格的。
大正、戦後、現代の各時代において、強く生きる女性を描いた3夜連続のSP。脚本、演出、出演者も毎回異なるという、連ドラに新たな可能性と刺激を与えた斬新な企画性を評価。
ドラマ界に新風を吹き込んだ松本人志と中居正広による劇中の“フリートーク”。その斬新な試みを評価。笑える内容なのに泣けた、死を控えた生徒のための漫才など、伝説のものも。
各局がホームページによる宣伝戦略を打ち出す中、長期にわたるシリーズものの特性を生かしたつくりで3172万ページビューを獲得。ネットと番組の特性を生かした宣伝展開を評価。
少年像のリアルさだけでなく、忘れられがちな現実も伝え、センセーショナルで終わりがちな“少年犯罪”を説得力のあるドラマに。それを支えた幅広く綿密なリサーチを特に評価。
コミックならではの極めて個性的な喪黒福造をリアルに表現。原作ファンのイメージを守りつつ、ドラマ世界に違和感なく取り込んだ。その配役と演出、伊東四朗の“怪演”を評した。
天然ゴム素材でぜい肉をつけた妙子(葉月里緒菜)の特殊メークを評価。特殊メークは体力的負担が大きく撮影は1日おきに。だがその苦労には、作品に説得力をつけるなど遊び心だけに終わらない十分の効果が。
ミステリアスな物語に京都の風景や文化を違和感なく取り入れたことを評価。京都を彩る名所の見せ方は巧妙かつ美しく、次は冬以外の京都も見たいと思わせるほど訴えるものがあった。
依頼人の望む人物を演じる「P.A.」志緒(榎本加奈子)のため、さまざまな職業の衣装を研究。毎回キュートで“本物感”のある衣装を用意したスタイリスト・片山彰乃氏の努力に。
第8話の放送で、近年のドラマ界では珍しい生放送(一部VTR)を敢行、当日の野球の話題を盛り込むなどスリリングな演出で楽しませた「お熱いのがお好き?」の挑戦精神に。
'89年から放送されてきた“鬼平”シリーズの最終作が特別賞。中村吉右衛門演じる主人公の魅力的な人間像を時代劇でありながらも現代的なリアリティーで描き若いファンも獲得。
死体の解剖結果が常に科学的根拠と真実味に支えられていたことが、絵空事になりがちであろうストーリーに説得力をもたせた。綿密な医療関係考証を重ねたスタッフの努力を評価。
現代人のさまざまな心の病気を正面から見つめ、十分な医療的配慮と娯楽性とを両立させて、見ごたえあるドラマに仕上げた挑戦精神に。奇をてらわない王道の手法も好感度高し。
少女マンガ界の“大河ドラマ”を果敢にもドラマ化。主人公の天才女優ぶりや劇中劇など難しい要素をもつ作品をあえて映像化した挑戦精神と、遊び心あふれる配役をたたえ本賞を。
出演者にも大好評だった「ふたり」のロケ地。坂道やその下の海、レンガ色の住宅街など、異国情緒とノスタルジーをたっぷり含んだ横浜の景色が、せつない物語とともに胸にしみた。
本賞は第14回までは朝、昼放送のものは対象外。が、物語性に富んだ大石静脚本や配役の妙で、従来の“朝の連続テレビ小説”の殻を破った「ふたりっ子」の完成度をたたえ特別賞に。
食材は「料理の鉄人」(フジ系)のフードコーディネーター・結城摂子さん、大塚麻彩子さんが調達。服部栄養専門学校の佐藤月彦さんが調理指導。食欲をそそるほど作品を盛り上げ評価。
エミリーズバルーン(株)・エミリー杉浦さんらが収録現場に立ち会い、制作指導をしたバルーンアートに問い合わせが殺到した。ヒロイン・恵(坂井真紀)の自立の証として活躍した点を評価。
ロケでも本物の火で迫力シーンを演出。煙、水、火の各担当スタッフの緻密な計算が実を結んだ。「防火対策には気を遣いました。正直、ものすごく怖かった(笑)」(美術・高原篤チーフ)。
他局の番組のタイトルを取り込んだ長~いサブタイトルは、もはやストーリーを超えた!? 朝ドラもバラエティもエサにする迷いのない突き抜けたギャグ・センスが痛快だった。
ファンタジーに徹したTVドラマでは画期的な試みのドラマで、不自然さを感じさせなかったのは劇中音楽の功績も大きい。弦楽中心のディズニーふう音楽が、絵とぴたりとマッチした。
役者の超リアルなミイラなど、“1クールのドラマの常識”を超えた質と量の力作が登場。ロケ場所の城に急に隠し扉が必要な場合などは、現地で図面を引いて間に合わせたりもしたとか。
視聴者の要望で急遽第2回放送から、耳の不自由な人のために文字放送でセリフのテロップを流した。スタッフは毎回、徹夜に近い作業で文字スーパーを作成。その苦労に敬意を表して。
タイトルバックやドラマの中で、毎回おいしそうな料理を紹介しつづけた。銀座の高級料亭「胡蝶」の料理スタッフが、よりプロに近く見えるように包丁の持ち方なども徹底的に指導。
原作の舞台・函館をそのままロケ地に選んだ「東京大学物語」。函館山、大沼公園などの名所も織り込みつつ、函館の町並みと登場人物が一喜一憂する姿をうまくマッチさせた点を評価。
「君といた夏」を演出面で支えたのが、昔ながらの日本家屋のオープンセットや風鈴、扇風機などの小物。これらを効果的に用い“ノスタルジックな夏”を情緒豊かに描いた。
「ピュンピュンは“名犬ラッシー”に勝る。雑種の犬が血統犬のコリーを超えた」と審査員の松尾氏が演技力を高評価。愛情豊かに調教した池田動物プロダクションの沼田氏の功績を称える。
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