フィルター処理した森の美しさだけにとどまらず、部屋に差し込む陽光、暗闇に差す夜の光などさまざまな光を巧に捉え、ミステリーの緊張感や恐怖感を映像面から支えた。
フィルター処理した森の美しさだけにとどまらず、部屋に差し込む陽光、暗闇に差す夜の光などさまざまな光を巧に捉え、ミステリーの緊張感や恐怖感を映像面から支えた。
画像の色調、構図、粒子の粗さなどなど「ハルモニア・この愛の涯て」の映像美を挙げる声が大多数。“土9”で堤幸彦監督とコンビを組むカメラマンの唐沢悟氏はこれが4回目の受賞となる。
セリフも動きも少ない静かな画面に、表情や小道具のアップを効果的に取り入れ、人物が背負った過去や現代人の孤独を浮き彫りに。すれ違いの場面も必要以上にくどくなく好印象。
「ステディカムを使った短いカットで、迫力やテンポを心がけた」(技術・安藤健治氏)という工夫で登場人物の心象までも表現。ニュース映像ふうの赤っぽい港の風景も印象的。
青空など空間を生かし人物を小さく撮る映像が印象的な「ぼくらの勇気 未満都市」。「引きの絵を気持ちよく撮ろうと心がけた」とチーフカメラマン・唐沢悟氏。土9で担当した3本すべてで本賞を受賞。
夏休みの空気ごと撮ったような、開放的な雰囲気があふれた映像の「ビーチボーイズ」がV。熱く湿った空気とともにゆったり流れる時間を感じとれたのも、監督&撮影スタッフの工夫の結果!
手持ちのカメラによる独特の“動く”映像や、スリリングで細かいカット割りでサスペンスフルな気分を盛り上げた「FIVE」が受賞。“アジト”の煙った地下的な雰囲気も印象的。
画質の粒子が粗い揺れる映像で、生々しさと今っぽさを表現することに成功した「サイコメトラーEIJI」がダントツ1位。ドラマ離れしたミュージックビデオのようなカッコよさに引きつけられた。
撮影賞の常連になりつつある日本テレビ系土曜夜9時枠。今回はカンフー・アクションの迫力を出すために工夫が凝らされた点が評価された。演じ手である安達祐実も頑張った。
見せ場は手作りのカメラによる回転映像でインパクトをもたせ、光の効果的な使い方も印象に残った。ドラマの撮影方法のセオリーにとらわれないさまざまな冒険が生きていた。
さまざまに趣向を凝らした透明人間の特撮表現を評価。「流血とか雨の中とか、どんな表現が可能か脚本から編集までみんなで意見をたたかわせました」(ビデオエンジニア・守屋誠一氏)
赤や青のフィルターを用い、逆光を効果的に取り入れた迫力満点の映像が魅力。アングルにも凝り、劇画チックさとリアリティーが調和していた。“ビョーン”という効果音もキマった!
大人の男女の細かな感情の揺れを大胆なカメラワークでていねいにとらえてみせ、光をうまく使った幻想的な映像で印象づけた。タイトルバックなしの、映画のようなつくりも新鮮。
都会的でセンスあるサイコサスペンスの映像を創出した「沙粧妙子・最後の事件」が完勝。カメラ移動を多用するなどして、衝撃シーンや登場人物の心理描写などの細部に工夫を凝らし、視聴者を引きつけた。
キメ細かい映像が登場人物の情感を巧みに表現。チーフカメラマン・川田正幸氏は第1回「警部補・古畑任三郎」、第3回「若者のすべて」(ともに'94年 フジ系)につづき3度目の受賞。
スキーシーンに代表される、透明感かつパワフルな映像を巧みなカメラワークとライティングで見せた。ロマンチックな“ホワイト・ラブ・ストーリー”を、映像面からサポート。
工場街の雰囲気、登場人物の表情をていねいに追うことで、若者たちの心情をリアルに伝えた「若者のすべて」が受賞。川田正幸氏は第1回「警部補・古畑任三郎」(フジ系)に続き2回目の受賞。
絵の美しさが際立ち、心理描写を巧みに引き出した、「禁断の果実」が受賞。演出家からの「エキセントリックな雰囲気を」との指示を、カメラワークと照明のメリハリで表現した。
従来のドラマとは一線を画す「古畑任三郎」が、撮影賞も受賞。演出家からは「舞台中継ふうに撮ろう」などの指示があったという。映像美が際だっていた「鬼平犯科帳」に競り勝った。
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