次長課長・河本に栄冠。自然体の演技ととぼけたキャラクターは、重いテーマのドラマの絶妙なアクセントとなった。12月限定ドラマ「笑える恋はしたくない」(TBS系)でも活躍し今後の期待は大。オカマ役がハマった「役者魂!」富岡晃一郎、いじらしい子役の「家族ー」宇都秀星も今期の収穫。
次長課長・河本に栄冠。自然体の演技ととぼけたキャラクターは、重いテーマのドラマの絶妙なアクセントとなった。12月限定ドラマ「笑える恋はしたくない」(TBS系)でも活躍し今後の期待は大。オカマ役がハマった「役者魂!」富岡晃一郎、いじらしい子役の「家族ー」宇都秀星も今期の収穫。
“ダンドリ。”加藤ローサがダントツの強さで受賞。既に映画やネットドラマで主演を張る彼女だけに、今回の新人の中では抜群の安定感だった。娘を見守る美人ママをさりげなく好演した「タイヨウのうた」黒田知永子、パッと見誰か分からないオタクぶりが強烈な「怨み屋本舗」前田健も票を集めた。
ドラマのキーとなるヒロインに大抜てきされ、今回の新人の中ではズバぬけたインパクトを残した村上が、満場一致の支持を得て栄冠に輝いた。キュートなお色気と新人とは思えないナチュラルな演技で、作品の軽妙な空気づくりに貢献した「弁護士のくず」星野亜希も高評価。
新人不足の感もあった今クールだが、村川が多数の支持を得て文句なしの1位に。“朝ドラ”のヒロインにふさわしい、見る人をも元気にするみずみずしい演技が評価された。ほか、独特のナイーブな雰囲気を醸し出し、今後が楽しみな「ガチバカ!」手越祐也も高評価。
恋人の母親と恋に落ちてしまう大学生の戸惑いと、真剣に愛することの切なさを表現したウエンツ瑛士が受賞した。バラエティー番組でのコミカルな表情とは違った、愛を語るときに真っすぐな瞳が印象的。ピュアなまなざしが世の昼ドラ好きの女性たちの心を奪った。
ピュアな雰囲気が光った「がんばっていきまっしょい」相武紗季や、自然体で好演した「スローダンス」西野亮廣も高評価だったが、子役の域を超えた存在感で志田未来が受賞。強烈キャラ・阿久津に負けず、好対照をなした堂々の演技で、今後が楽しみな女優ぶりを見せた。
「エンジン」の養護施設で生活する女子高生役で少女の心の機微を細やかに見せた戸田恵梨香が高評価。が、投票者の過半数が「該当なし」と判断したため、規定により受賞者はなしとなった。
三枚目の看護師・佐倉役。ナースにこき使われ、患者と心通わせる場面など、随所で緊迫した物語を和ませ、ムードメーカー的役割を果たした。
離婚が原因で離れ離れで暮らしていた父親と再会し、揺れ動く中学生・小南役。感情を表に出さない小南が時折見せる寂しげな表情など、少女特有の微妙な心の機微を自然に表現した演技力に将来性を感じさせた。
サク(山田孝之)の幼なじみで高校の同級生・大木役。どこか大人びたスケちゃんを気負わずにサラリと表現。劇中で印象的だった「お前さん」というセリフも感情によって微妙な変化をつけるなど確かな演技力を証明。
葉音(安倍なつみ)らとともにピアノの才能を競って相続レースを繰り広げた、四男・唱吾(塚地武雅)のパートナー・歌乃役。明るく開けっぴろげな歌乃を荒削りながら天真爛漫な魅力で表現し、内面の優しさも伝えた。
父(草なぎ)に遠慮する硬い表情のせつなさ。雪合戦で見せた笑顔、泥酔し二日酔いの父にお怒りのやさぐれふう、ベッドで抱き寄せる父をふっと見上げたときのドキッとするほど大人びた顔…胸に残る姿は数え切れず、愛らしさで日本中を魅了。
“月9”初のオーディションで選ばれた大注目株が、圧勝で受賞。笑顔だけでなく、考え込む姿やせつなさ、やるせなさなど、ひとつひとつの表情から目が離せない、ナチュラルだけど個性的な、不思議な魅力の持ち主。今後の活躍が楽しみな逸材だ。
太っていることがコンプレックスで「どうせ僕なんか…」が口ぐせの石塚役。後ろ向きキャラをユーモラスな雰囲気で包み明るく表現。青春群像に欠かせない存在として、重責にこたえた。体重を増やし“愛すべきデブキャラ”を構築した役者魂にも拍手。
エンゾ(反町隆史)が溺愛する娘・七海役。自分の誕生ケーキを作ってくれた父を思いやったり、アトピーのつらさで癇癪(かんしゃく)を起こしたりと、子供ならではのこまやかな心の動きまで、泣かせる芝居で見せた。しかし何といっても極上の声と笑顔! この愛くるしさにヤラれ、そして毎回いやされた!!
雛(上戸)の親友・紅子役。いじめられっ子の過去をもち、孤独だが、危ういほどピュアで情の深い紅子を、独特の粘着質な空気感で表現。ホストにだまされ“堕ちていく”女をダイナミックに体当たりで演じきった。強い個性と存在感は今後が楽しみ。
映画で実績のある市川が、待望の連ドラ初出演。楷(竹野内豊)のクリニックの押しかけアシスタント・あずさ役で貫禄の受賞となった。シリアスな作品において、画面に登場するだけでコミカルなほのぼの感を醸し出す個性の強さは、まさに大物の証!
ハワイで生まれ育った日系4世の英語指導助手・さくら役。日本で暮らし、文化の差から失敗や騒動を起こしても、とことんポジティブなさくらを、明るく元気いっぱいに好演。英会話はもちろん、豊かな表情や大きな身振りなど、役に説得力を与える気配りが細部にいたるまで行き届いていた。
ホラー漫画家であり、バラエティなどでも活躍の山咲が、ついにドラマ界にも進出! 本人のキャラクターの強さを逆手に取るハマリ役が奏功。表現力にも感服。恵まれたルックスなので、本人キャラとは異なる役にも今後ぜひ挑戦してほしい!
SOPHIAのボーカル・松岡が待望のドラマ出演。その期待にみごとこたえ、新人離れした表現力と存在感で、高レベルの今期を制した。スマートで一見クールだが、内に熱いものを秘め、仲間思いの太朗は、本人さながらのハマリ役。“しなやかな関西弁”で、ドラマ界に新キャラを誕生させた。
不良から一転、歌手をめざす未来役。いきなり重要な役を任されたうえ主題歌も担当。ゾクゾクするような圧倒的な存在感でスケールの違いを見せつけた。芝居はまだ荒削りだが、人を引きつける天性の華があり今後が本当に楽しみ。
お笑いコンビ・ガレッジセールのゴリが、強豪を抑え栄冠を手にした。古波蔵家の問題児で恵里の兄・恵尚の、子供がそのまま大人になったような魅力を好演。なんともいえないユーモラスな表情と動きに個性が光った。
浜田課長(浜田雅功)率いる13課の平社員・田中役。映画「みんなのいえ」出演もあり、役者として注目を集めるココリコ・田中が、激戦を勝ち抜いて受賞。大マジメな表情でケチ&小心者ぶりを表現し、さすがのコメディーセンスを発揮した。
韓国の新進女優で、歌手でもあるユンソナ。ビジュアルから創出される独特のはかなげな雰囲気の中に、芯の強さを感じさせる演技で、命をかけて歌う韓国の歌姫・玲花を好演。表現力に富んだ日本語や透明感のある歌声にも驚かされた。
トップアイドルとして君臨する鈴木の貫禄か、新人離れした存在感はピカイチ。アーチストとして培ってきた表現力が花開き、ドラマ界の新星としての期待が高まる。どのシーンも絵になるビジュアルの魅力は、女優として天性の武器である。
腐れ縁の彼女の女友達と関係をもち妊娠させる、売れない脚本家・直哉役。いつまでもフラフラして成長しない直哉を、人間味あふれる味のある演技で体当たり。“この人にしかできない”役が必ずあると確信させる、独特の存在感があった。
直(滝沢秀明)が糾弾する病院の外科部長の娘・亜美役。4話で、亜美が病院関係者であっても「会いたい」と直に告げられたときの表情は、恋の苦しさと喜びを同時に表現し、見る者をくぎづけにする輝きを放った。卓越した存在感に今後の期待も高まる。
ミュージシャンとして特異な存在感を放ってきた彼だけに、ここまで作品になじんだのは、うれしい誤算。嫌みな役でありながら、キュートさを残せたのも彼だったからこそ。新人が豊富な今クールの中で、初々しい魅力はピカいちだった。
主人公・映児(松岡昌宏)の血のつながらない妹・恵美役。CMでブレークした彼女だけあって、画面に登場したときの存在感や華やかさは新人離れしていた。兄・映児に対するほのかな思いを実にキュートに、そして健康的に表わした。
主人公・力丸(明石家さんま)の不倫相手・今日子役。バラエティで身につけた存在感は抜群で、力丸を変質的につけ回す姿には十分すぎるほどの怖さがあった。これが本格的デビュー作と思わせぬほど演技にも余裕がみられ今後に期待が高まった。
「北区つかこうへい劇団」で舞台経験を積んだ吉田智則が連続ドラマに初登場。鍛え上げられたエネルギッシュでバイタリティーあふれる表現力でドラマ界に新風を吹き込んだ。新人とは思えぬ強烈な存在感に審査員・TV記者の評価が集中した。
“なっちゃん”のCMや映画で話題をさらった田中がドラマでも鮮烈デビュー。足をケガして剣道を挫折、その悔しさから屈折した態度を見せる利奈を好演した。出演は3話分だけだったが、作品に刺激を与えるのに十分な存在感を発揮した。
記憶を失った青年に宿る少年の心や狂気をナチュラルに表現した。ともすればオーバーに演じたくなる役柄を力まずこなしてしまうのはセンスの表われか。アクションシーンの身のこなしも力強く迫力があり、今期最高の収穫との声が多数。
女だが、大工をめざすうらら役。明るく前向きで思ったことは素直に口に出す抜群の行動力。負けず嫌いで頑固…。まっすぐな生き方が魅力的だったヒロイン・うららを、新人離れした演技で嫌みなくさわやかに演じた。ドジな姿もかわいかった!
ドラマ初挑戦で注目を集めていた及川光博が期待にこたえて受賞。雨音(あまね・田中美里)にしつこくアタックするエリート商社マン・吉田役。ストーカーまがいの無気味さと常識的な男らしさを合わせもつ、屈折した現代的な青年像を個性たっぷりに表現。
当時、VANITYのボーカリスト・MIKIとして活躍していた秋山が、ドラマ初出演ながら大役に体当たりで挑戦。友達や恋人につい頼ってしまう寂しがり屋のタレント志望・一子役を好演した。ごまかしのないまっすぐな演技がすがすがしかった。
嫌みのないハッキリした口調としっかりした演技が、母親思いのおませな小学生のけなげさに重なって、見る者の心を打った。理森(豊川悦司)への微妙な恋心もいじらしかった。なによりカワイらしく、その後の演技派女優としての成長を予感させた。
今期作品賞1位、2位の2作品に出演し、さわやかな存在感が光った川岡大次郎の圧勝。大きく澄んだ目とピュアな表情が魅力。「最後の恋」ではアキ(常盤貴子)の弟でストーリーの要となる大役をナチュラルに好演。「ビーチボーイズ」との“別人”ぶりも大器の予感!
実加(奥菜恵)の心の支えとなっていく、心に孤独を抱える青年・智也役。ヒロインが悲しみ、困ったときに助けにくるいわばヒーロー役ながら、押しつけがましさを感じさせない自然な存在感。回を追うごとににじみ出る優しさに引きつけられた。
「踊る大捜査線」のユースケ・サンタマリアに競り勝ち、一見気が強いが実はいじらしいちはる役で受賞。コテコテの関西弁と姑息(笑)な行動がなんともカワいかった。新人とは思えない堂々とした役者ぶりを披露し、独特の個性で注目を集めた。
エゴイストの大学教授(杉浦直樹)と彼の家に下宿する若者たちの関係を描いた作品。正義感の強い礼子を演じた。山田太一脚本独特のセリフまわしに体当たりで挑んだ小橋の存在感は、筒井道隆、鈴木砂羽ら実力派に負けていなかった。
小樽に住む将太(柏原崇)の妹・美春役。少し勝気で天真爛漫な役柄を、まっすぐに演じた。「木曜の怪談」(フジ系)の「魔法のキモチ」('96年・主演)など出演経験はあるが、本格的な連続ドラマ出演は初とみなし、今回新人俳優賞の対象とした。
子役時代から舞台、時代劇には出演経験があったが、現代ドラマは今回が初挑戦なため“新人俳優賞”の対象に。山口智子らパワフルな役者に囲まれながらも、落ち着いた、独自の存在感を保った。お嬢さまっぽい服装も似合って、清純度満点!でした。
連ドラ初出演ながら主役を演じきり、主演女優賞部門で堂々2位につけた酒井が、文句ナシの受賞。どこにでもいそうな女子高生・園子を初々しく演じた。どんなときもまっすぐに気持ちを伝えようとするひたむさが、まぶしいくらいに輝いていた。
「未成年」の北原雅樹、浜崎あゆみ、「恋人よ」の水野美紀などと争った結果、ドラマ初出演・モデル出身の江角が受賞。恋愛に不器用だけどサバサバしてまっすぐなOL・真実子を、ごく自然にさわやかに、元気に演じた。大器登場の手ごたえ。
「いつかまた逢える」の椎名桔平、「カケオチのススメ」のピエール瀧など、さまざまな“新人”が活躍。結果は、手話を堂々とこなし、自然な演技で豊川悦司、常盤貴子に正面からぶつかった矢田が受賞。“ブラコン”の表と裏の顔をかわいく演じ分けた。
「禁じられた遊び」の奥菜恵、「君を想うより君に逢いたい」の吉川ひなのなど、将来性を感じさせるフレッシュな女優の活躍が目立った。そんな中「僕らに愛を!」で両親の離婚が原因でほとんど口をきかない多感な中学生を好演した、16歳の京野に。
SMAPの中居正広と香取慎吾が、本格的な連ドラ挑戦に成功し、上位を独占した。特に中居はほぼ満票の状態。板前修業に励む伊橋の姿が中居とシンクロして見えたことが、成功の最大の要因だろう。毎回のラストの「ヨイショーッ!」の掛け声も評判に。
成績トップの座を争う村上(稲垣吾郎)への恋心を内に秘めた、クールな女子高生・深雪。そのせつない気持ちを初々しく演じた井出が他を圧倒して1位に。2位には「妹よ」でドラマ初出演のミュージシャン・渡辺克巳(KATSUMI)。
陰湿なイジメと裏切りの中、みずから命を絶つ誠役の剛は、今作が連ドラデビュー作。第6話までの出演にもかかわらず圧倒的な支持を集める。また、複雑でナイーブな少年を演じきった堂本光一も2位に入り、KinKi Kidsが新人俳優賞部門を独占した。
テレビ界からの熱烈なラブコールにこたえた“超大物新人”の矢沢が文句なしの受賞。現場でのまじめな取り組み方がスタッフにも評判。ドラマ終盤では、さすがに新人離れした貫禄を見せてくれた。2位には「長男の嫁」の山口達也がくい込んだ。
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