携帯からドラマアカデミー賞に投票できます。脚本＝野沢尚／演出＝土井裕泰、竹之下寛次／主題歌＝「Wanderin' Destiny」globe／出演＝豊川悦司、夏川結衣、佐野史郎、永作博美、鈴木杏、山田麻衣子、櫻庭博道、宇梶剛士、山谷初男、りりィ、前田吟、仲谷昇ほか
長野の田舎町の駅員・理森（よしもり・豊川悦司）が人妻・かほり（夏川結衣）と恋に落ち、その夫（佐野史郎）に執拗に追われながらかほりの娘・誌織（山田麻衣子）とさらに旅を続ける。破格の制作費で半年に及ぶ長期ロケを敢行、連続ドラマの域を超える壮大な作品に。
豊川悦司との一騎打ちを僅差で制し、「ロング バケーション」（'96年 フジ系）に続き2度目の受賞。ナンパで熱くて、人一倍優しい男・哲平を、髪も切って魅力的に演じた。相づちひとつとっても完璧に哲平らしい、相変わらずの細部まで行き届いた芝居を堪能させてもらいました。
病院ものの多かった今期の“理想の医者”賞！ 心の病を抱えた患者と真摯にコミュニケーションをとり、全身全霊をかけて診療する熱血医師・涼子を体当たりで演じた。医師としての温かさと強さ、悲しさを確かに伝える熱演。持ち前の明るさと豊かな表情に、見る者も癒されました。
あぐり（田中美里）の浮気性の夫で、自由でモダンな天才文士・エイスケに、狂言界のプリンスが扮し話題に。美しい体の動き、現代劇のナチュラル志向とは異質の演技法、圧倒的な存在感と類まれな品格が、トボケつつ奥に強い意志と芸術性を秘める魅惑的なエイスケを形づくった。
連続ドラマ出演は実に3年ぶり。2人の男をはからずも翻弄する人妻・かほりの、浮き世離れした、かつ官能的な美しさと、テレビ画面の中でなんとも新鮮だった彼女の透明感がぴたりと重なった。悲しみの表情が多かっただけに、静かに花開くような笑顔が艶やかで印象深かった。
ささやくような導入部分から、「あなたと死ねたら」と歌い上げるサビまで、ドラマチックに展開するシリアス・ナンバー。スピードを増して盛り上がる後半の高音ボイスが、追いつめられた人間の熱情を代弁しているかのようで心に迫った。
嫌みのないハッキリした口調としっかりした演技が、母親思いのおませな小学生のけなげさに重なって、見る者の心を打った。理森（豊川悦司）への微妙な恋心もいじらしかった。なによりカワイらしく、その後の演技派女優としての成長を予感させた。
沙織のキッツイ性格とは対照的（!?）な、ブラウン系ベースのソフトでシックなお嬢様スタイル。さすがの気品で着こなしてました。ストールやスカーフの使い方にも高級感と流行を同居させるひと工夫が。ブランドはグッチが多かったそうです。
小説で'97年度の江戸川乱歩賞を受賞した野沢尚氏に栄冠。人間の内面を静かな筆致でえぐって生々しさをもたせ、ダイナミックな逃避行劇を単なる“劇的”に終わらせなかった。
永山耕三Dらが、得意の王道ラブストーリーで初受賞。キスやすれ違いをひとつひとつていねいに撮り見る側の気持ちを盛り上げる手腕はさすが。ボーカル入りのBGMも気分でした。
青空など空間を生かし人物を小さく撮る映像が印象的な「ぼくらの勇気 未満都市」。「引きの絵を気持ちよく撮ろうと心がけた」とチーフカメラマン・唐沢悟氏。土9で担当した3本すべてで本賞を受賞。
豊川悦司を2年3か月ぶりに連ドラに連れ戻し、映画主体で活動していた夏川結衣の透明な存在感を生かした「青い鳥」が受賞。カッコイイトヨエツのさえない駅員姿と指差し確認の魅力は大発見。
手錠姿の理森（豊川悦司）が牢獄や列車をさまよう「青い鳥」。飛ぶ鳥のCG、粒子の粗い映像は絶望と希望が混在するイメージ。撮影は「協奏曲」（'96年 TBS系）も撮ったCM界の無州英行氏。
現代人のさまざまな心の病気を正面から見つめ、十分な医療的配慮と娯楽性とを両立させて、見ごたえあるドラマに仕上げた挑戦精神に。奇をてらわない王道の手法も好感度高し。
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