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大塚角満の ゲームを“読む!”

【カルドセプト】第10回 コンプリートはいつの話?

 なんかやたらと忙しくて更新が滞っておりますが…………しっかり遊んでいますよ『カルドセプト』!! いやぁ、こうやってアレコレ考えながら遊ぶ携帯ゲーム機用のソフトは、世界的ビッグイベントのテレビ中継が相次いでいる昨今にはピッタリだな。

 さて。

 ゲームの内容とは直接関係のない話ですが、あまりにもショックだったので綴らせていただきます……。

 先日、ひさしぶりに会った旧知の友だちふたりからいきなり、「角満さん! 俺らも根っからのセプターっすよ!!!」とカミングアウトされた。続けて、目をギラつかせるふたりから「対戦しましょうよ!!!」と宣戦布告され、いまや俺は首を狙われる立場になってしまったのである。

『カルドセプト』は決してハデなゲームではなく、チクチクとカードを集めては「ぐふぐふぐふ。いろいろ集まってきたなぁ」とひとり悦に入るという“自己完結型”の側面も持っている。なのでその正体を明かさず、アンダーグラウンドに潜って飛躍の時を虎視眈々と狙っている“潜伏セプター”は思いのほか多く、俺に挑んできたふたりもこれに類するセプターであるのは間違いなかった。

 血気溢れる若きセプターの登場は、この上なくうれしいことだ。しかし、それは自分を負かす可能性があるライバルが現れたことも意味しているので、やはり脅威を感じずにはいられない。さっそく俺は、たけちーという名の友だちに質問をぶつけた。

「なるほど。俺と勝負がしたい、と……。……ま、それはいつでも受けて立つけどね。……ちなみにキミ、カードはどれくらい集まったのかね

 言われたたけちー、キョトンとした顔でこう答えた。

「どれくらい……ってのは、“各カードが何枚ずつ集まったのか?”ってことですよね??」

 今度は俺が、キョトンとする番だった。何を言っているのだコイツは。それじゃあまるで、すでにカードアルバムはすべて埋まり、なおかつ各カードを複数枚ずつ持っているみたいじゃないか!

 俺はこの通りのことを、たけちーに向かって言った。すると彼は急に申し訳なさそうな表情を作り、こんなことを言い放ちやがったのである!!

「あ、えーっと、カードの種類のことですか? それならとっくに、コンプリートしてますよ。……ていうか、角満さん、まだだったんですか^^;;;

 俺、8秒ほど脳ミソが止まって、わけのわからないことを口走った。

「たたたたけち、も、もうコ、コンクリート!!? じゃなくってコンプリート!!!?」

 しかし急に我に返り、弱みを見せまいと虚勢を張る。

「わ、わは。わはははは! だ、だよねー。いやウン、そうだと思ったよ。だって俺もとっくに。いやマジでコンプリのコンクリ

 そして、チラチラとスッカスカのマイカードアルバムを眺めてから吐き捨てた。「オマエもういい。ゴリガンとでも対戦してなさい」。

 続いてもうひとりのセプター、Mizunoe君が俺の前にやってきた。そして開口一番「さあ対戦しましょうよ!」と言って俺を挑発する。そこで俺は、たけちーにしたのと同じ質問をMizunoe君にもぶつけてみた。

「勝負はいつでも受けてやるが、その前にひとつだけ聞きたいことがある。……キミ、カードの集まり具合はどんな感じかね」

 これを聞いたMizunoe君、しばし考える仕草をしてから、のんびりした口調でこうのたまった。

「んー……っと、どうだったかな。確かまだ、4枚ずつは集まっていないと思いますよ。もしかしたら、2枚程度しかないのもあるかもですね」

 え……………。そ、それってカードコンプリートはデフォルトの話なの……? それが大前提なの……?? じゃあ、俺のスッカスカアルバムはいったい……

 あんぐりと口を開ける俺に、Mizunoe君は畳み掛けた。

「今回、いまいち集まりが悪いんですよねえ。なので、まだちょっと自信がないんすけど、試しに対戦してみましょうよ」

 俺はそれには応えずに無言でニンテンドー3DSを閉じ、「まあひさびさに会ったんだから、朝まで語らおうや!!」と言ってMizunoe君と肩を組んだ。

 つぎに会うときまでに、俺もカードをコンプリートしておくぞ……。

 次回に続く。

投稿者 大塚角満 : 18:43

【カルドセプト】第9回 0×2=試合終了

“水属性は守るに堅いが侵略に弱い”

 初代『カルドセプト』の時代から言われて続けていることだが、これは3DS版にも当てはまると思う。敵の領地を踏まずにポンポンとクリーチャーを配置でき、そこを順調にレベルアップしていければ非常に強いが、そんなにうまい具合にゲームが進行することなど奇跡が起きない限り皆無であろう。

 人は必ず、敵の高額領地を踏む。

 この動かしがたい事実を鑑みれば、そうなったときの対抗手段を何かしら持っていないと安心して対戦に打って出ることなどできない。水属性にも、たとえば“メデューサ+バタリングラム”(※)という必殺コンボがあるが、それだけではなんとも心許ないというものだ。

(※)メデューサ+バタリングラム……メデューサの攻撃が成功すると、相手クリーチャーは無属性の防御型クリーチャー“スタチュー”に姿を変える。そしてアイテム・バタリングラムは、防御型クリーチャーを即死させるという問答無用の能力を持つ。このコンボが決まれば、たとえHPが200あるクリーチャーでも瞬時に消滅する。

 そこで俺が注目したのが、水属性には珍しい攻撃型のクリーチャー、“ドルール”だ。こちらのコラムでも触れている通り、ドルールは“戦闘中のST=使用者の持つ水属性領地×10”という能力の持ち主。つまり、水属性の領地が10ヵ所あればSTは100に、20ヵ所あれば200になるというわけだ。

 これは強い。

 俺のような水属性特化型のブックを使っていれば、1ゲーム中に所有する水属性の領地はだいたい10ヵ所前後にはなる。これならば十分、ドルールは攻撃の要になってくれるはずだ。

 ただ残念なことに、ドルールはすべての武器と巻物が使えないことになっている。強すぎるがゆえの縛りということか。でもそうなると、たとえ水属性の領地が10ヵ所あっても、ドルールの攻撃力は100で頭打ちに……。これでは、“敵の高額領地にハマったときの対抗手段”としてはあまりにも弱いと言わざるを得ない。

 どうすればドルールを有効活用できるのか?

 俺は考えた。発売中のエンターブレインムック『とことん楽しむカルドセプトの本』の付録、“カルドセプトカード大全”と首っ引きになって……。そして、あらゆるアイテム、スペルカードの能力を分析し、ついに「これだ!! このアイテムを使えばドルールは最強のアタッカーになれる!!」という組み合わせを発見する。俺はニヤリとほくそ笑み、「さっそくこのコンビを使って、AIキャラを血祭りにあげてやるか」と芝居がかったセリフを吐いた。

 そして俺は、ドルールと“あるアイテム”を大量に組み込んだブックを持ち、AIキャラとの対戦を実施した。相手は宿命のライバルであるセレナとレオで、いわばこれは積年の恨みが籠った“遺恨マッチ”である。

 試合は、互いが高額領地を築き合う一進一退の攻防となった。そのどれを踏んでも、対抗手段がなければ一気に優勝戦線から転げ落ちてしまう−−。そんな戦いである。

 戦いの場には、ヒリヒリするような緊張が満ちていた。しかし俺は、どこか楽観視もしている。というのも、すでに水属性の土地を7つ所有しており、手札の中ではしっかりと、ドルールがデカい目をギョロつかせていたからだ。この段階で、ドルールの攻撃力は70。十分に強いが、さらに俺はここで、ドルール用に持ち込んだ“例のアイテム”を引く!

「キタ!! もらった!!!

 俺は勝利を確信し、セレナがガセアスフォームやグレムリンアムルを持っていないことをしっかり確認してから、わざとその高額領地を踏んでやった。俺の計算では余裕どころか、おつりとして隣の土地まで手に入るのでは……ってくらいの攻撃をセレナのクリーチャーに叩き込めることになっている。さあ、戦闘だ。俺は大声で「喰らええええええ!!!」と言い、あるアイテムの名前を叫んだ。

「ゆけ!! パワーブレスレット!!! ドルールのSTを倍にしてやれえええええ!!!!」

 そう、俺がドルール用に持ち込んだアイテムは“パワーブレスレット”。コストは90Gと高額だが、使用クリーチャーのHP、STともに2倍にするという恐るべき能力を持ったカードである。しかもこれ、アイテムの属性が“道具”なので、武器を装備できないドルールでも使用できるのである。その証拠に、ドルールのHPはグイーーーーンと伸び、倍の60になった。さあつぎはSTだ。70の2倍、140まで成長しちまえええ!!! 俺はワクワクしながら、画面を見つめ続けた。

 しかしここで、信じられないことが起こる。

 ギュイイイイイイイイン!!!!!! と伸びるはずのSTは、なぜか、

 キュゥゥゥゥウウン…………

 と雨に打たれた迷い犬のように縮こまり(詩的な表現だナ)、なんとゼロになってしまったではないか……………!!!!!

「え…………………………………??」

 何が起きているのか理解できず、ひたすらドルールを見つめる俺。しかしSTはゼロのまま動かず、ドルールはただただデカい目をギョロつかせて、

「…………………………………」

 と無言を貫いている。当然、STゼロでは敵にダメージを与えることはできず(当たり前だが)、ドルールは膨らんだHPで敵の攻撃を受け止めただけ…………。結果……。

 ガッシャーーーーーンッッ!!!

 俺は高額領地の洗礼をモロに浴び、所持魔力のすべてと、いくつかの領地をまとめて失ってしまう。そして、そのショックを引きずったままゲームは進行してしまい、けっきょくセレナ、レオに次ぐ3位という屈辱の順位で戦いは終了……。

「わああああああ!!!! なんだそりゃあああああ!!!!」

 せっかくドルールの能力を活かせる組み合わせを発見したと思ったのに、まさかSTゼロなんていう裏切りにも似た仕打ちを受けるとは……。ショックのあまり、俺は3日ほど熱を出して寝込んでしまった(いやウソだけど)。

 ではなぜ、こんなことが起こったのか?

 原因は、俺がパワーブレスレットの効果を勘違いしていたことに尽きる。このアイテムは確かに、クリーチャーのSTを2倍にしてくれるが、効果はあくまでも“基本ST”で、能力アップ後のソレには効力を発揮しないのだ。

 ドルールの基本STは………………ゼロ。つまり、

 0×2=0

 という数式が完成し、せっかく70まで膨れ上がったSTを、わざわざアリ1匹殺せない数値に引き戻してしまったというわけ………………。

バ、バカすぎる………………。こんなこと、誰にも言えない…………><」

 この失敗は、墓場まで持っていくことにしよう……。

 次回に続く……。

投稿者 大塚角満 : 17:36

【カルドセプト】第8回 俺が負ける理由

『カルドセプト』のAIキャラは、それぞれ個性的なブックをいくつか持っている。ゆえに、各プレイヤーのブックごとに対AIキャラとの“相性”が生まれ、対戦成績に顕著に表れる……はずだ。

 そこで、7月18日現在の、俺とAIキャラとの対戦成績をつまびらかにしたいと思う。ただ現状、「こいつ、エグザイル(呪いが付いたクリーチャーを強制的に手札に戻す、悪魔のようなスペル)とかテンペスト(ST40以下のすべてのクリーチャーのHPを20削る地獄スキル)とか使おうとするからヤダ」という子どものような理由でまったく対戦していないキャラもいるから、信憑性に乏しいデータだけどな(苦笑)。でも、なんとなく相性がいいと思っているセレナ、レオの2名に関してはかなり集中的に対戦しているので、それなりのデータが取れているはずだ。では、さっそく見ていってみよう。※バルベリト以降に登場するキャラについては、それぞれ1回ずつしか戦っていないので省きましたw

・ライバーン:10戦8勝
・セレナ:27戦15勝
・ザゴル:3戦3勝
・レオ:20戦11勝
・ルシエン:4戦3勝
・ピケット:9戦7勝
・アルダ:6戦3勝
・モロック:4戦4勝
・ゲモリー:2戦1勝
・ワールウィン:4戦3勝
・ガミジン:3戦2勝
・ミュリン:4戦3勝
・バルベリト4戦3勝

 ……ってちょっとタンマ。なんかタイピングミスして、約2名の対戦成績を間違えちまったみたいだ。このぉ、俺ってばオッチョコチョイ♪(テヘッ) えーっと、セレナとレオとの対戦成績はと……。

・セレナ:27戦15勝
・レオ:20戦11勝

 ななな、何度見ても↑この成績なんですけど……!! だ、誰だ!! 俺のブックはセレナ&レオと相性がいいなんて言ったヤツは!! 俺だ!! イヤじゃなくて(そうだけど)、「こいつらにだったら負ける気がしねえ」っていうナゾの自信に背中を押されてセレナ&レオとばかり対戦をくり返していたけど、これ思いっきり苦手なことを証明してるデータじゃねえかあああ!!!!! ……はぁはぁはぁ。

 でも、さすがにおかしいとは思っていたのだ。

 最近、この2名と対戦するとやたらと負けることが多くて、密かに心の中で(直近の対戦成績はよくて五分五分……。ヘタすると負け越してるかも……)って思っていたから……。

 そこで、このような恥をかかされている理由は対戦相手のブックにあるのだろうと思い、セレナがよく使う“ねこねこ1”というブックを覗いてみた。しかしこいつが、拍子抜けするほど大したことない。

●ねこねこ1の中身

【クリーチャーカード】
・ニンジャ×2
・ファイター×3
・ケットシー×3
・バルキリー×2
・ファイアードレイク×2
・ミノタウロス×3
・ウッドフォーク×3
・オドラデク×2
・グリマルキン×2
・セージ×2
・ドリアード×2
・ブリンクス×2

【アイテムカード】
・アースアムル×2
・アメジストリング×2
・ファイアーアムル×2
・ペトリフストーン×2

【スペルカード】
・キュアー×2
・シュリンク×2
・ピース×1
・フェアリーライト×2
・フォッグ×3
・ホーリーワードワン×2
・ホーリワードシックス×2

“ピース”や“フォッグ”は確かにイヤらしいが、対抗手段はいくらでもあるので“凶悪”ってほどではない。クリーチャーも、まあぼちぼちの強さだろう。

 ってことは、俺が負ける理由は彼らのプレイにしかないわけで、こいつは一度キッチリと、その動きを追ってみる必要がある。俺はさっそくライバル2名を対戦相手に選び、クレイトスを舞台に激突してみた。

 その結果、AIキャラがじつに小狡く立ち回っていることがよくわかった。

 たとえば、俺が小銭稼ぎをしようと思って“トライアンフ”を使ったとする。周回ボーナスが1.5倍になるスペルだ。するとすかさずレオが、ダイス目が5〜7になる幸せスペル“ヘイスト”を使用。……そう、自分にではなく、対戦相手の俺にだ。これによりトライアンフは上書きされて効力が消え、周回ボーナス1.5倍は泡と消える……。また、同じヘイストでは、たとえば俺の進む先6マス目に敵の高額領地があるときなどでも迷わず使ってくる。ヘイストがかかるとダイス目は5、6、7に限定されるので、「3分の1の確率で高額領地踏んで吹っ飛べや!!!」ってわけだ。

 そして何よりも強烈に感じるのが、“敵は俺の高額領地をなかなか踏まないけど、俺はやたらめったらと敵の領地を踏みまくる”ってこと(苦笑)。これは当然、やっかみ込みの発言なのだが、それにしたって俺は、敵の術中にハマりすぎだと思うのだ。

とにかく5さえ出なければいい!! 5じゃなければ俺の勝ちなんだ!!」

 なんて状況になったら、俺はほぼ間違いなく5を出す。6分の1の確率だろうが10分の1の確率だろうが、出すったら出す。

 上級セプターになるためには、敵がくり出す細かな戦術を学習するとともに、「ここぞ!」ってときのダイス目コントロールにも長けなければならないのかも……。

 修業の日々は続く……。


投稿者 大塚角満 : 19:19

【カルドセプト】第7回 初めてのカードトレード

「どうすれば効率的にカードを集められるんだ……」

 三日三晩ほど寝ずに考え続け(若干オーバーだな)、その結果、「そうだ! 我が身内にも『カルドセプト』をプレイしてもらい、“トレード”を利用してカードをやり取りすればいいんだ!!」という考えに至った俺。そしてすぐさまニンテンドー3DS本体と『カルドセプト』を購入してきてS君に渡し、「いい感じにカードが集まったらトレードしようぜ!!」と元気に言ったのだった。

 そして数日後、S君から「ぼちぼちトレードしようよ〜」と声がかかったので、ドキドキしながらやってみた……ってところまで前回の日記で書いた。今回はその続きである。

 S君は初代『カルドセプト』の時代から火属性が好きで、今回も初期ブックは火のクリーチャーが多そうなのを選んだとのこと。水属性好きの俺とは欲するクリーチャーがまるで違うので、そういった点でもトレードにふさわしい相手と言えた。3DSのボタンをピコピコと押しながら、俺はS君に言う。

「俺は水のクリーチャーが欲しいんだけど、けっこう集まった?」

 これを受けてS君は「うん、わりと手に入ったと思うよ〜」と言い、続けて「とくに欲しいクリーチャーっている?」と逆に質問をしてきた。俺、ここぞとばかりに勢い込む。

「欲しいのあるある!! えっとね、もしも“ドルール”を持っていたらぜひ譲ってほしいのだが!!!」

 ドルールは水属性のクリーチャーで、基本スペックはHP30、STゼロという、一見して「え…………」と絶句したくなる能力の持ち主だ。でも、もちろんこれだけで終わるわけがなく、どちらかと言うと守備に優れたクリーチャーが多い水属性の中では、出色の“攻撃性”を秘めているのだ。

 ドルールが持つ能力は、地形効果を無視する“貫通”と、“戦闘中のST=使用者の持つ水属性領地数×10”というもの。これは、基本STゼロという弱点を補って余りある能力で、一発逆転の夢を追う“ロマン派セプター”にはタマラナイ魅力がある。だって、もしも水属性の土地を10個所有していたら、その瞬間にドルールのSTは100になるんですよ? スゴくないですか?? つーことはつまり、20個所有していたら200に、30個所有していたら300に、ひゃ、100個所有したら、せせせ1000にッ!!!!

「こ、攻撃力が1000になる可能性が!!!!」

 ひとり興奮する俺を唖然として見たあと、S君は目線を3DSに移して自分のカードを精査した。そして、「お!」と小さく感嘆の息を出し、俺が歓喜するセリフを放ってくれたのである。

「ドルール、いるいる! しかも、なぜか3枚も持ってるよw 俺はまったくいらないから、2枚あげるね〜!」

 やったーーーーーーー!! 攻撃力1000が2枚も手に入るぞ!!!

「いや、そもそもカードを50枚しか持てないわけだから、1000てのはありえないんじゃ?w」

 S君はそう言って笑い、それでも本当にドルールを2枚も俺に送ってくれた。俺はおかえしにと、火属性のエグゼクター、ヘルハウンド、マトックテイルといったクリーチャーをS君に渡す。マトックテイルは“先制”を持ち、さらに“敵破壊時、戦闘が行われた領地のレベルを1上げる”というステキ能力の持ち主だったので、S君はたいそう喜んでくれた。

 そんな、お互いが大満足できるトレードを終え、俺はさっそくブックの編集を行った。できあがったのは、こんなブックだ。

■クリーチャーカード
【水属性】
・Gイール×2
・Sジャイアント×1
・アンダイン×1
・ウィザード×1
・グレンデル×1
・ケルピー×1
・ゼラチンウォール×3
・ドルール×2
・ネッシー×2
・ヒドラ×1
・ファンゴノイド×1
・ボジャノーイ×1
・メガロドン×2
・リザードマン×2
・リバイアサン×2
・リリス×1
・レモラ×1

■アイテムカード
・オーディンランス×1
・ガセアスフォーム×2
・カタパルト×1
・グレムリンアムル×2
・ティアリングハロー×2
・パワーブレスレット×2

■スペルカード
・シャッター×2
・ファインド×1
・フライ×4
・ヘイスト×1
・ホープ×1
・ホーリーワード8×1
・マナ×3
・レイクリープ×2

 せっかくなのでドルールに大活躍してもらおうと、水属性に特化したブックにした。贅沢を言えば、土地を水属性に変える“シンク”を何枚か入れたいんだけど、残念ながら1枚たりとも持っていないので組み込むことができません。さらに贅沢なことを言うと、“攻撃を食らうと、戦闘終了後にランダムな空き地に分身を配置する”という特殊な能力を持つ“マイコロン”を入れたいんだけど、こいつも1枚も持っていない……。

 でもとりあえず、このブックで対戦してみよう。さてどうなるやら……。

投稿者 大塚角満 : 15:56

【カルドセプト】第6回 需要と供給

 7月11日現在、俺の戦績はこんな感じになっている。

 48戦 36勝12敗

 本作はAIキャラが強い……と言うかかなりしぶとく、総魔力が目標数値を突破してもまったく油断がならない。

 先日も、こんなことがあった。

 “ひとりで対戦”で“クレイトス”を舞台に水使いのミュリンと対戦していたときのこと。一進一退の攻防の末にどうにか「つぎのダイスで6以上が出れば、ゴールして勝利だ!」ってところまでこぎ着け、勝利を確信してダイスを回したのだ。

 しかし出たのは、お約束ともいえる“1”

 まあでも、セプターはこんなことは慣れっこなので、

「ハイハイ。どーせそうだろうと思ったよ

 と吐き捨ててミュリンにターンを渡したのである。すると彼女はダイスでデカい数字を出し、テクテクテクテクとマップを巡る。それを見ながら俺は、「いまさら何をやっても俺の勝ちは動かんぞ」とつぶやき、続けて「とっととターンを終えろや」と余裕の発言をする。しかしそんな声は届かないらしく、ミュリンは何を思ったのか“領地コマンド”の“移動”を使って、レベル5まで育てた俺のケルピーにケンカを売ってきやがったではないか。

 このケルピーの“足止め”を使って、さんざんミュリンから魔力を毟ったのだ。

 彼女としたら完全敗北を刻まれる前に、嫌がらせをされまくったケルピーに一矢報いたいと思ったのかもしれない。しかし、あまりと言えばあんまりな悪あがきに、俺は若干鼻白む。

「オイオイ(苦笑)。もうムダだって。俺はガセアスフォーム(通常攻撃無効化)とグレムリンアムル(戦闘中に相手が使用したアイテムを破壊)を持ってんだぜ? 強打だろうがオーディンランスだろうが跳ね返しちゃいますよ?

 ところが、ここで彼女が持ち出したのが恐怖の巻物“ティアリングハロー”。巻物攻撃は鉄壁のガセアスフォームも効果がないので、「じゃあグレムリンアムルで壊してやる!」と思ったが、このティアリングハローは“アイテム破壊と盗みの効果を受けない”という戦慄の能力を持っている……!! 結果、我が愛しのケルピーは問答無用の巻物強打の洗礼を浴び(ティアリングハローは、無属性以外のクリーチャーが使うと巻物強打になる)、無残にもズタズタにされて海の藻屑となってしまった……。当然、ケルピーがいたレベル5の土地にはミュリンのクリーチャーが新たに居座り、これを受けて彼女の総魔力は目標を突破する−−!

 俺は「ん?」と言ってるあいだに侵略され、「あれ?」と首をかしげているうちに総魔力もブチ抜かれ、逆転ゴールまで許してしまったわけ……。山の頂上に着く直前、木の枝だと思ってつかんだのがじつはマムシで、「わあ!!」と一発断末魔の悲鳴とともにスタート地点まで転げ落ちた……って感じの、恐ろしくも見事な逆転劇の餌食になってしまったのであった−−。

 とまあ、こんな感じでつねにギリギリの戦いをしているので、思ったようにはカードが集まらない。カードが集まらないってことは理想のブックもなかなか作れないわけで、結果AIキャラに喫する敗北も増える。

 この、タマゴが先かニワトリが先かを地で行く(そうか?)状況を打破するために、俺は一計を講じた。3DS版『カルドセプト』は、ほかのセプターとのカードのトレードがじつにやりやすくなっている。これを利用し、俺に同調してくれるセプターを探し出して、その人といらないカードの交換をしていけば互いのブックが充実していくはず……! と考えたわけである。

 俺にもっとも近しいセプターは、我が身内のHとS君である。ふたりとも、初代『カルドセプト』の時代からずっとこのゲームをやり込んでいる筋金入りだ。しかし、どちらも『カルドセプト』はおろかニンテンドー3DSも所有していなかったので、俺は夕飯時にこんな提案をした。

「あの〜、いま俺、3DSの『カルドセプト』にハマッてるんだけど、なかなか思うようにカードが集まらないんだよね……。そこでふたりにもプレイしてもらい、互いのカードをトレードしながら充実させていく……って考えたんだけど、どう!?」

 この発言に対してHは、最初のうちこそ「えー! あんたのブックの充実のためにカード集めしろってこと!?」といきり立ったが、やはり新作の『カルドセプト』の魅力には抗えなかったのだろう。すぐに「まあ、時間があるときにやるのは悪くないかも」と日和った発言をしてきた。そこで俺はここぞとばかりに、準備していた殺し文句を発したのである。

「ありがたい!! じゃあニンテンドー3DSと『カルドセプト』を買ってくるから、ぜひプレイしてみてください!!!」

 そして翌日、俺は本当にニンテンドー3DSと『カルドセプト』を購入してきて、メインでプレイしてくれるであろうS君にそのセットを渡した。強いブックのためならば、多少の出費には目を瞑らなければならないのだ。

 で、昨夜、当初の目的を抜きにして毎日夢中でプレイしていたS君から、「ぼちぼちトレードしようよ〜」と声がかかったので、さっそくカードのやり取りをした。これがまた、お互いの需要を満たすトレードとなり、なかなか素敵なラインアップができあがってきたのよ。

 トレードの結果できあがったブックは、次回さらすことにします。

投稿者 大塚角満 : 13:07

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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