2006年、弱冠12才で『全国国民的美少女コンテスト』でのモデル部門賞、マルチメディア賞をW受賞し、その後雑誌『SEVENTEEN』の専属モデルとして活躍中の武井咲ちゃん。今年は映画『櫻の園-さくらのその-』にて女優デビューを果たすなどめまぐるしい活躍を見せる14才の素顔に接近!!
まだ中学3年生、名古屋に在住の咲ちゃんは「とんかつには、もちろんミソをかけます!」と明るく語る。「東京って“カフェ”というじゃないですか。ありえない!“喫茶店”でしょう! みたいな(笑)」。
ファッション誌『SEVENTEEN』で表紙も務める看板モデルながら、飾ったところはなくフレンドリー。「咲」と書き“えみ”と読む名前は「この字には“笑う”って意味もあるみたいで」と付けられ、「病院とかで絶対“サキさん”と呼ばれますけど(笑)、字も読み方も大好き」という。その名の通りの花咲くような微笑みと、ネコを思わせる瞳が印象的だ。
もともとモデル志望の彼女。中1のとき、米倉涼子や上戸彩らを輩出した『国民的美少女コンテスト』でモデル部門賞とマルチメディア賞をW受賞したが、きっかけはお父さんがパソコンでたまたま募集を見ての応募だった。
念願叶ったモデル活動の一方、今年は映画『櫻の園』で女優デビュー。女子高で先輩に憧れる役を演じたが、実際には中学で後輩から「モデルになりたくて憧れてます」と言われる立場。「私は全然そんな人じゃないんですけど……」と謙虚な一方、「将来はビッグになりたいです」ともキッパリ。「“ビッグ”が何かは分からないけど、いつもお母さんといつもそう話してます。自信を持って堂々とした人になりたいですね」。
誕生日は12月25日。「イブにはクリスマスのケーキを食べて、翌日は誕生日のケーキを食べます(笑)。まだサンタさんも信じていて。信じてないと来ないと、サンタさんに言われたので(笑)」。飛躍の年になりそうな15才。「演技にモデルに歌も……いろんなことをやりたいです!」と意欲をピュアに語る。
「台本をもらって“すごーい!私の名前が載ってる”と感動して、そこだけずーっと見てました(笑)」。咲ちゃんの女優デビュー作となった映画『櫻の園』。憧れの先輩に誘われて舞台劇を手伝う水田真紀を演じた。
「台本は何度も読みましたけど、真紀の台詞を意識しなきゃと気づいたのはけっこう遅くて(笑)」。
レッスンは受けていたものの、初めての現場で「ずっとパニクってました。今どこ撮ってるの?自分の台詞は何?ってキョロキョロしていて(笑)」と振り返る。実際は同性の先輩に憧れた経験はないそうだが、「どう演じるか悩んだのかも覚えてないくらい、毎日わからないことだらけで必死でした」。
撮影初日「演じることが恥ずかしくて、その恥ずかしさを皆さんの前で出しちゃったんです。そんな自分自身が恥ずかしくなって……」。これじゃダメだと決意を固めたという。
橋の上から「先パ〜イ!」と遠くに叫ぶシーンの前には、ひとりで大声を出す練習を繰り返した。花吹雪を持って転ぶシーンに備え、家でコケる練習も。そして、職員室で先生たちの話を聞き、驚いて走る表情だけを撮ったシーンでは、中原俊監督から初めて「よし。できた」との言葉をもらった。
クランクアップから半年。完成した『櫻の園』を観て「演技はまだまだでしたけど、違う人間になってる自分が面白かった。やれるだけやって、ちょっとだけ自信が付きました」。モデルを目指していた彼女が「もっと演技がうまくなりたいと、今すごく思ってます」と、演劇に初めて挑む少女たちの物語とシンクロするように女優の魅力に目覚めた。
(文:斉藤貴志)
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