中学代からファッション誌『ピチレモン』のモデルとして活躍し、ドラマ『仮面ライダー響鬼』で女優として話題を集めた秋山奈々ちゃん。映画『ガチバン』の公開を控え、さらにテレビアニメ『屍姫 赫』の声優(主人公)にも初挑戦!さらに、歌手としてCDシングル5枚をリリースなど・・・その多彩な活躍を見せる18才に注目!
自ら作詞した新曲「空を泳ぐさかな」が発売中の奈々ちゃん。その歌にはいつも、真っすぐ歩く少女のイメージが漂う。「純粋に明るいというより、悩んだり隠したいこともあったうえで、もう一度前を向いた感じの歌が多くて。目線としては、聴く方の隣りにいる感覚。“友だちCD”だと思います(笑)」
レコーディングでマイク前に立てば自由に歌う一方、歌詞カードには注意点を「いろいろ書き過ぎて何が何だか分からなくなるくらい(笑)」入れるという。「A型で山羊座だからか、生真面目で妙に几帳面です。旅行のときとかは必要なものを全部書き出して、用意したら印を付けていったり(笑)」。
一方、そんな奈々ちゃんは自分自身を「六角形」と表現する。「いろいろな面を持っていて、1コ1コが全然違って。このムダに落ち着いた感じも私ですし(笑)、友だちと一緒のときはキャピキャピ・・・とはいかないまでも、10代らしい明るさは出ますし、家族の前ではおバカなことももちろんやっちゃいます(笑)」。
そんな奈々ちゃんは、その活躍ぶりも多彩。ジュニアモデルに始まり、女優、歌手、グラビア、キャスターに、現在はテレビアニメ『屍姫 赫』のヒロインとして声優にも初挑戦。「昔は歯医者さんが夢で、会社ならデスクワークをしてるタイプだと思います。裏方が好きなので。人前で歌うなんて本当はあり得ない(笑)。でも、たくさんの方と1つの作品を作るのは楽しいから」という。
多くのジャンルに挑戦するのも「(仕事の)声を掛けてくださるのは光栄だし、せっかくのつながりをシャットアウトしてしまうのはもったいなくて」。自らの歌の世界の少女そのまま、真っすぐ前を向いて生きる姿が清々しい。
「1年間が濃くて、終わってしまうのが本当に悲しかった」と奈々ちゃんが振り返るのが、初めて出演したドラマ『仮面ライダー響鬼』。当時15才。人間を襲う魔化魍と戦う“鬼”になるべく修業中の天美あきらを演じたが、初登場の7・8話の撮影では「泣くのを毎日こらえてました」という。「頭の中では理解している芝居に、なかなかたどりつけない。そんな自分にムカついたんです(笑)。撮影前にアクションの練習にも行ってたんですけど、それも生かせなくて」。
だが、回を重ねて監督が求めるもの、シーンでやるべきことが自分の中で整理されると「楽しいと思えるようになりました」。そして29話では、1年続く作品ならではの感慨も。「あきらが7・8話からは想像できないぐらい、優しくなっていて。お芝居上で変わったというより、あきらという人間が実際にいて成長したように感じたんです。自分のことのようにうれしかった」と話す奈々ちゃん自身の成長も反映されていた。
ドラマが終了してから3年経った今、「あきらはどうしていると思いますか?」と質問すると、「頑固な子ですけど、『たちばな』(鬼の拠点である甘味処)にまた行って声を掛けられたら、その温かさを受け入れられるようにはなっていて・・・」と、想像する奈々ちゃん。彼女自身、今でも東映スタジオに行くと当時のスタッフに「あきら」と声を掛けられるそう。「幸せな気持ちになって、またここに帰ってこれたらと思います」と、女優としての原点に愛着は深い。
(文:斉藤貴志)
|