10月8日の広島から全国11ヶ所16公演行われてきた
加藤ミリヤのベストツアー『M BEST TOUR 2011』。ツアー中盤となった12月8日の横浜アリーナは、終始とてつもない熱量と愛に包まれていたのだった。
「今日は加藤ミリヤの世界をぜひ楽しんでいってください」目にも鮮やかなピンクパープルのジャンプスーツで、ダンサーを引き連れ、勇ましく登場したミリヤは、1曲目の「DESIRE」を力強くパフォーマンス。彼女がステージに現れた瞬間、一気に華やかなオーラが会場に充満し、観客を魅了する。そして、「SAYONARAベイベー」のイントロが流れると、場内はどよめきにも似た歓声が沸き起こり、大合唱となる。
その後も「夜空」や「ジョウネツ」、「Aitai」、「19 Memories」などヒット曲のオンパレードに、観客は熱狂しながらも、彼女と一緒に口ずさみ、時に涙しながら1曲1曲の主人公となり、陶酔する。「私の曲というのは、私だけの気持ちではなく、みんなの気持ちが込められているんです。だから、私の曲は私達のものなんだよ」――それぞれが自分自身(の想い)と重ねながら、ミリヤのこれまでの7年間の軌跡を振り返っていくとともに、未来への力強い一歩を踏み出す。まさに今回のライブは、決して過去を懐かしむものではなく、現在の加藤ミリヤの姿、彼女に渦巻く喜怒哀楽すべての感情、そして、輝かしい未来を期待させる、内省的でありながらも、非常にスペクタクルなステージとなった。
またこの日は、「LALALA feat.若旦那」で湘南乃風の若旦那が中盤ゲストとして出演!会場はタオルを振り回し、パワフルな2人のステージに応戦。さらに「WHY」では、ミリヤがみずからギターをかき鳴らしながら熱唱。そして、「今回のツアーをやりながらわかったことがひとつだけります。私は力強くあるべきなんだな。みんなにパワーをたくさん与えられる力強い存在、自分でありたいなと。今は自分自身のことをすごく誇りに思っていますし、自分のことをすごく愛しています。私が私自身を選んでこの世界に生まれてきたんだなってすごく感じています」と、披露された「Me」は、現在の彼女をもっとも象徴する揺るぎないエネルギー、光を感じさせるナンバーであった。
1万人の大合唱に迎えられ再びステージに登場したミリヤは、その温かな歌声、ミリヤ(の作品)への深い愛情に感極まり涙。「どうしよう〜」と戸惑いつつも、「みんなのおかげで今回のツアーができています」と感謝の気持ちを述べ、「ディア ロンリーガール」、そして、最高のパートナー、清水翔太とともにステージを所せましと駆け回り「Love Forever」を披露。会場は最高潮の盛り上がり、一体感をみせた。
「すごくみんなに会いたかったし、誰よりもみんなに見せたいツアーでした。だから、一番見てもらいたいみんなに見てもらえてこの上なく私は幸せです。今日私ができるすべてのことをこのステージで表現したつもりです。最後に、今のこの瞬間の私を見て帰ってください」とラストナンバー「BYE BYE」で1万人と心をひとつにし、約2時間半に及ぶ濃密な一夜は幕を閉じた。
1曲ごとにコンセプチュアルな演出、衣装、斬新なパフォーマンス、映像が施されたエンターテインメントなステージで観客を釘付けにし、圧倒しつつも、やはり観客の心根を捉えたのは、ひとりの女性、そして、ひとりの人間、加藤ミリヤであった。自らの身を削るかのように歌に全神経を注ぎ込むミリヤはどこまでも遠く、けれど、誰よりも近い存在であった。「次はもっとすごいすごい加藤ミリヤで会いたいから、今のミリヤを見ておいてください!」と観客と最後に約束を交わし、彼女は振り返らず、2時間半前よりも力強い足取りでステージを後にしたのだった。
■OA情報:『加藤ミリヤ M BEST TOUR 2011 in 横浜アリーナ』
1月13日(金)午後10時〜/1月31日(火)午前0時〜
WOWOWで放送