サカナクションが最新アルバム『
DocumentaLy』を引っさげて10月1日にスタートした全国ツアー『SAKANAQUARIUM 2011 DocumentaLy』が11月11日、京都KBSホール公演で千秋楽を迎えた。全15公演ソールドアウト、合計3万5000人を動員した本ツアーのハイライトとなった千葉・幕張メッセ単独公演には2万人のファンが集結し、熱狂した。
メジャーデビュー5年目。サカナクション最大キャパの会場を埋め尽くした観客の数に、ファンもメンバーも興奮を隠しきれなかった。オープニングの「RL」から定番曲「セントレイ」「アドベンチャー」を挟みつつ、一気に6曲連続でたたみかけたボーカルの山口一郎は、感慨深げにゆっくりと会場全体を見渡した。
明るく照らし出されたフロアに「すごい人っ!うしろの人も聴こえてる?」と呼びかけ、これもまた最大級のレスポンスがメンバーに押し寄せる。喜びを抑えきれず、無邪気に「アハハ」と声に出して笑う山口を見て、ファンもメンバーも笑顔になる。「こんなに大きいキャパでワンマンやるのは初めてなんで、緊張してるの伝わってると思うけど楽しんでいってください」
この言葉から本編ラストまで、サカナクションは一気に疾走した。
岡崎英美(Key)が紡ぎだす音、スクリーンに映し出される映像、レーザーや照明との融合によって生み出された幻想的な空間で、オーディエンスが体を揺らす。「エンドレス」ではサカナクションが手に入れた新たな武器、「NINJAR LIGHT(ニンジャーライト)」がお目見え。天井から吊り下げられたLEDライトがコンピュータ制御で楽曲とともに色や動きを変え、自在にダンスする。
続いて「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」では、ミュージックビデオでおなじみの山口一郎人形がステージ下から登場。会場のどよめきをものともせず、山口に扮したダンサーと一体化した4体の人形が山口本人を覆い隠さんばかりに激しい“バッハ・ダンス”を繰り広げ、観客を歓喜させる。
再びNINJAR LIGHTが踊り狂う「ホーリーダンス」、ゴーグルとヘッドホンを装着したメンバーがステージ前方に横一列に並び、機材を操る「DocumentaLy」、草刈愛美(B)と岩寺基晴(G)がドラムを乱打する「ルーキー」と続き、山口の「まだまだいくぞー!」のかけ声とともに「アルクアラウンド」で会場のボルテージは最高潮に。笑顔で飛び跳ねる2万人の姿に、山口はこの日最上級の笑顔を見せた。
「緊張しましたね」。山口はアンコールで率直に胸の内を告白した。「地元の北海道で江島(啓一・Dr)、岩寺と男3人、3ピースでやっていたのが5年前。そのときのお客さんは20人。そして今日は2万人」と胸を張った。アルバムの世界観を表現するために本編ではMCを割愛した山口は饒舌(じょうぜつ)に展望を語り、「いつかここで2DAYSができるように、あきらめないで頑張ります。これからも気に入ってもらえる曲やライブを作っていきます」と頭を下げ、割れんばかりの喝采を浴びた。
ダブルアンコールは「目が明く藍色」。5人の決意と覚悟が詰まった演奏に、2万人のオーディエンスは言葉にならない興奮と感動に包まれていた。
この日の模様は11月20日(日)午後10時半よりWOWOWで放送される。
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OA情報
『サカナクション SAKANAQUARIUM 2011 DocumentaLy』
11月20日(日)夜10:30〜
WOWOWで独占放送
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『SAKANAQUARIUM 2011 DocumentaLy』 セットリスト(11/11)
01.RL
02.モノクロトウキョー
03.セントレイ
04.アドベンチャー
05.仮面の街
06.Klee
07.アンタレスと針
08.years
09.流線
10.エンドレス
11.『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』
12.ホーリーダンス
13.DocumentaRy
14.ルーキー
15.アルクアラウンド
16.アイデンティティ
17.ドキュメント
アンコール
01.ネイティブダンサー
02.三日月サンセット
03.目が明く藍色