ミュージック インタビュー&コメント

ミュージックライブレポート
2011年12月16日
LIVE REPORT
BoA
デビュー10周年ライブで号泣……アンコールやり直し!?

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10年経った今でも日本のステージで歌えることができて本当に嬉しい
 12月10日と11日の2日間にわたり、『BoA THE LIVE 2011“X’mas”〜The 10th Anniversary Edition〜』が東京国際フォーラム ホールAにて開催された。毎年恒例となっているクリスマスであるが、まさにタイトルが象徴するように、今年はBoAの日本デビュー10周年を記念した非常にスペシャルな、メモリアルな内容となった。

 クリスマスカバーソング「Let It Snow」から、アダルティーなムードに包まれスタートしたこの日。「BoA、気付いたら10年経っちゃいました。10周年もタイトなジーンズにねじ込みまーす!」と印象的なサビのフレーズを織り交ぜたMCで会場を一気にヒートアップさせ、「VALENTI」をパワフルなダンスと歌声で熱唱。「今年は私の日本デビュー10周年でーす!」と客席に投げかけると「おめでとう」の歓声が。

 「今日はクリスマスの雰囲気を味わってもらいながら、BoAというシンガーの10年を見てもらえるライブにしたいと思います。今から歌う曲は相当懐かしい曲です」と3rdシングル「気持ちはつたわる」を何年かぶりに披露。ちなみにこの曲は、まさに10年前の12月にリリースされた、この日披露されたBoAの数ある作品の中で、もっとも古い、初期の楽曲となった。少女と大人の狭間の中で、時にその表現方法に戸惑い、もがきながらも、自分の感覚を信じ、はつらつと表現する10年前の初々しいBoAも非常に魅力的であったが、深みのあるフェイク、包容力のあるこの日の歌声は、まさに10年という長い年月の間に積み上げてきた2011年、いまのBoAだからこそ成し得る表現力といえるだろう。その後も「LISTEN TO MY HEART」「奇蹟」「NO.1」など、初期のヒット曲から「永遠」「BUMP BUMP!」といったアメリカ進出を果たし、アーティストBoAがより前衛的に、飛躍的な進化を遂げた楽曲たちが惜しげもなく披露されていく。

 「昔の曲をたくさん歌うのは久しぶりで。久々に歌うと自分の歌い方の変化とか、いろいろ気づくんですよね。こうやって歌っていると、10年の歴史を感じちゃいますね(笑)」としみじみしながらも、個性溢れる歴代のマネージャーさん(軍隊出身やオネエ系、(あだ名が)トナカイ)を珍エピソードを交えて紹介し、会場を爆笑させたり、観客からの「美脚ーー!」との声援に「今、誰か“美脚”って言った?」と照れ笑いを浮かべたりと、MCでは、彼女ならではのほのぼのトークで会場を和やかな雰囲気にする。

 全体的に今回は70年代のモータウンミュージックをイメージした特別なアレンジ、演出を施行。中盤の「Shine We Are!」からは「BoA TV SHOW」と題し、アフロヘアー、スパンコールのタイトな衣装でガラリとイメージチェンジし登場したBoAは、ダンサーたちとともに、ザ・シュープリームスを彷彿とさせるダイナミックなパフォーマンスで「七色の明日〜」や「QUINCY」を展開。時折ユーモアを交えながら、エンターティナーっぷりを存分に発揮。

 一変して、三日月の下で椅子に腰掛けて披露した「きみのとなりで」や「I SEE ME」などのバラードナンバーでは、祈るように、切々と歌い上げる彼女の感情豊かな歌声に、会場はただただ聴き入っていたのだった。

 アップチューンでは圧倒的なダンスパフォーマンスで魅せ、バラードではじっくりと聞かせる……緩急のついた楽曲、ステージングがBoA の魅力であるが、何よりもこの日等身大のBoA、10年の重み、深みを感じさせたのは、本編ラストに披露された最新シングル「Milestone」。

 「デビュー当時は、2,3年ぐらいで韓国に帰るんじゃないかって思っていて……今みたいに韓国の方があまりいなかったから(K-POPブームではなかったので)、10年経った今でも日本のステージで歌えることができて本当に嬉しいです。これからの10年がどうなっているのか、自分でもわからないし、期待と不安の両方があるんですけど……この先10年もよろしくお願いします」と神妙な面持ちで、これまで支え続けてくれたファンへの感謝の気持ちとともに、新たなる10年に向かう決意表明、素直な現在の心境を語り、会場は大きな拍手に包まれた。

 そして、アンコールの声援に応え、再びステージに登場したBoAは純白のドレス姿で、満天の星空のもと、クリスマスソングの代名詞といえるドラマティックバラード「メリクリ」を熱唱……しかし、歌い出した瞬間、感極まり、とめどなく涙が溢れ出してしまうBoA。何度も歌に気持ちを集中させようと必死に試みるが、涙の粒はますます大きくなり、歌えないBoAの代わりに、観客が大合唱するという、ラストはなんとも微笑ましい、感動的なサプライズとなった。

 「最初から「Milestone」まで10年間のいろんな曲を歌ってきて……BoA頑張ってきたなと思って……。実は昨日もヤバかったんだけど、まさか曲の途中で泣くとは自分でもビックリしました(苦笑)。今日は「メリクリ」を聴けなくて残念に思っている人もいると思うんですけど、来年はちゃんと歌いますんで」と一旦ステージを後にするも、「みなさんすみません。今日はDVDの収録が入っていることをすっかり忘れていました(笑)。収録のためにもう1回歌わせてもらいます。ウーー」とみずからに気合を注入するBoA。しばし、沈黙のあと「できると思います!」と自己暗示をし、再び「メリクリ」を披露。見守るように、熱い視線を注ぐ観客。涙を懸命にこらえ、BoAは完璧に歌いあげた。

 「(再び感極まり)また泣いちゃった……なんか今日はダメですね。でも、超我慢して歌ったんですよ。だって映像が必要って言うから(笑)」と冗談を交えながらも、プロシンガーとしての責任をしっかりとまっとうしたBoA。集まった観客たちはそんな彼女の音楽への真摯な姿勢に、に、鳴り止まない大きな歓声と拍手を送った。感性を研ぎ澄ましながら、必死に走り続けてきた10年。そして、辿り着いた場所、この日の東京国際フォーラムには、無理することなく、けれど、妥協することも許さない、現在25才のBoA、彼女から紡がれた等身大のリアルな歌声が存在していた。

 ■OA情報
『BoA THE LIVE 2011“X’mas』
12月24日(土)午後5時30分〜 WOWOWで放送
(文:星野彩乃/写真:唐澤友美)
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