2011年最後のステージを、4度目となるクリスマス日本武道館公演で締めくくった
UVERworld。今回は全国62ヶ所プラス、香港&台湾の映画館でライブを同時生中継(約1万4000人が観賞)するという初の試みも行っていたが、彼らに気負いやプレッシャーはもちろんない。新曲「KINJITO」でスタートしたオープニングから異様な熱気で膨れ上がった約1万3000人のオーディエンスを余裕で受け止め、軽々と高みへ引っぱり上げていく。その吸引力とコントロール力は自在、かつ多彩で興奮から歓喜、そして陶酔へと曲を繰り出すごとにドラマティックに顔を変え飽きさせない。
なかでも「最高の夜にしかやらない曲」(TAKUYA∞)と久々に披露した「SHAMROCK」、鉄板ナンバーの「UNKNOWN ORCHESTRA」、そしてミディアムテンポの名曲「MONDO PIECE」と続いた中盤のクライマックスは圧巻のひと言。緻密でクリアな演奏、全身全霊で歌を届けるTAKUYA∞のエネルギッシュなボーカル&ステージングは、年間数十本のライブで鍛え抜かれた強靭な“脚力”を感じさてくれた。
そして、そんなパーフェクトなステージを和ませる「サラヘンヨ」など、クリスマスならでのスペシャルナンバーもまた彼らならではあり、今ライブの見どころのひとつ。「特別感が出てきた」と、背中に羽をつけて自慢(?)の歌声を聴かせるベース・信人の“いっぱいいっぱい”のアクトにヒートアップした会場も思わず緩む。
さらに今回はTAKUYA∞のMCも印象的で、ケンカした克哉&信人の仲直りエピソードや「時々下ネタが過ぎる」真太郎、「近所にいた天才」彰の話など、笑いを交えつつ愛情たっぷりのメンバートークに全員が大喜び。その心地よい空気感で観客を惹き付け後半戦のラストスパートへとなだれ込む演出も見事で、マストナンバー「GOLD」「NO.1」から、トリ曲「CORE PRIDE」まで畳み掛けるように一気に走り抜けフィニッシュ。
演奏終了後も名残りを惜しみ声援のやまない観客を納得させるように、「このツアーで確信、覚悟、責任、プライドを持って言う。俺たちは生涯、解散することも活動休止もない。これからも情熱の塊りのような曲を書いていく」(TAKUYA∞)と、2012年への決意表明を聞かせてくれた彼ら。その力強い言葉と表情には、走り続けたこの1年で着実に掴んだブレない安定感と尽きない攻撃力、そして確かなバンド愛が溢れていた。