ストリートファイター25周年公式全国大会“格闘秋祭り”が開催!――『ストリートファイター』3タイトルの王者が決定
ゲーム プレイステーション3 Xbox 360 ニュース PS Vita●『ストリートファイター』3タイトルの日本最強プレイヤーが決定!
カプコンの人気対戦格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズの生誕25周年と、プレイステーションVita用ソフト『ストリートファイター X(クロス) 鉄拳』の発売を記念した、公式全国大会“ストリートファイター25周年 公式全国大会 格闘秋祭り”が、2012年10月20日に、東京六本木のニコファーレにて開催された。
同イベントでは、『ストリートファイター X(クロス) 鉄拳』(以下、『ストクロ』)(プレイステーション3・Xbox 360)、『スーパーストリートファイターIV アーケードエディション』(以下、『スパIV』)(プレイステーション3・Xbox 360)、『ストリートファイターIII サードストライク オンラインエディション』(以下、『ストIII』)(プレイステーション3・Xbox 360)の全国大会決勝トーナメントが実施。プロゲーマーのウメハラ選手が、2000年に開催された『カプコン VS. SNK』の全国大会以来、12年ぶりの国内公式全国大会優勝を収めるなど、各種目で日本最強プレイヤーが決定した。結果は下記の通り。大会詳細については記事の後半でお届けする。
■『ストリートファイター X(クロス) 鉄拳』部門
優勝:ときど選手(ダルシム&コーディー)、準優勝:ゆきむら選手(リュウ&一八)
■『ストリートファイターIII オンラインエディション』部門
優勝:MOV選手(春麗)、準優勝;梅園選手(春麗)
■『スーパーストリートファイターIV アーケードエディション』部門
優勝:ウメハラ選手(リュウ)、準優勝:ふ~ど選手(フェイロン)
写真左から綾野氏、ミス春麗、ウメハラ選手、ふ~ど選手、MOV選手、梅園選手、ときど選手、ゆきむら選手、小野氏。 |
●『ヴァンパイア リザレクション』も発表された『ストクロ』ステージイベント
トーナメントの合間にはPS Vita版『ストクロ』のステージイベントも実施された。ステージには、熱戦がくり広げられるトーナメントに「控え室でふたりしてワーワー言いながら見ていました」というカプコンのプロデューサー綾野智章氏と、ミス『ストクロ』の春麗が登場。『ストクロ』のPVを上映しながら、連勝数を競う新モード“バースト組手”やプレイステーション3版とPS Vita版でハードの垣根を越えて通信対戦が行える“クロスプレイ”など、PS Vita版の特徴を綾野氏が解説していった。
キャラクターの移動はコンピューターが自動で行い、タップ操作だけで楽しめるカジュアルモード。このモードを使ったミスストクロと、ノーマルモードでプレイする綾野氏が対決。 |
PS Vitaの機能活かしたARモード。ARキャラクターと記念撮影ができるという。 |
さらに綾野氏は、こちらの記事でお伝えした、無料の大型アップデート“ストクロVer.2013”についても言及。アップデートでは、全キャラクターのバランス調整が行われるほか、体力回復速度の調整や投げの発生速度の変更など、抜本的なゲームシステムが行われるという。詳細な調整内容については、『ストクロ』の公式ブログにて随時公開していくそうだ。また、綾野氏いわく調整内容は確定したものではなく、「調整内容についての意見を公式ブログにどんどん寄せてほしい」とユーザーからの意見を求めていた。
■ストクロVer.2013のおもな変更点
・通常投げの発生速度を早め、7Fから5Fに変更
打撃以外の駆け引きがより重要になる!!
・鉄拳キャラクターの対空技性能を調整
鉄拳キャラの対空性能が向上、“飛ばせて落とす” スタイルが可能に!!
・体力回復速度を調整
タイムアップで終わる試を減少!
・ブーストコンボ発動時のカメラ演出を変更
対戦がよりスピーディーになる!
・リカバリアブルダメージの色を見やすく変更
・ジェム発動時のエフェクトを変更
ステージイベントの最後には、こちらの記事で紹介されているように、プレイステーション3・Xbox 360用ソフト『ヴァンパイア リザレクション』を国内で2013年に発売することも発表された。同タイトルは、1995年稼動の『ヴァンパイアハンター』と1997年稼動の『ヴァンパイアセイヴァー』を収録し、HD画質に対応した作品だ。詳細については、後日発表されるとのこと。
●3タイトル中2タイトルをチームマッドキャッツが制覇
ここからは、全国大会決勝トーナメントの模様をリポート。決勝トーナメントには、カプコン初の試みとなった家庭用の通信対戦を使用した予選を勝ち抜いた、各タイトル8名のプレイヤーが参加。そのなかには、世界中の格闘ゲーマーからリスペクトされるカリスマプロゲーマー“ウメハラ”選手や、さまざまなタイトルで活躍する“ときど”選手などのプロゲーマーの姿もあった。
決勝トーナメントでは、ダブルエリミネーション方式を採用。これはおもにアメリカの大会で採用されている方式で、敗者復活ありのトーナメント形式だ。選手は1回負けてもルーザーズトーナメントという敗者復活トーナメントに移動して試合を続けることができる。ルーザーズトーナメントで敗北した場合は敗者となってしまうが、ルーザーズトーナメントを勝ち進めば、ウィナーズトーナメント(勝者側トーナメント)を勝ち抜いた選手とグランドファイナル(決勝戦)で対戦することが可能。ただし、グランドファイナルでは、ウィナーズトーナメントを勝ち上がってきた選手に1勝分のアドバンテージが与えられる。つまり、選手は“ライフ”をふたつ持っており、“2回負けた時点で敗退”となるルールだ。
●プロの予想を上回るハイレベルな戦いがくり広げられた『ストクロ』トーナメント
『ストクロ』には、“ときど”選手(ダルシム&コーディー)と“ももち”選手(ルーファス&コーディー)という『ストIV』シリーズで輝かしい成績を残したプロゲーマーふたりも参戦した。ももち選手は惜しくも途中で敗退してしまったものの、優勝候補と目されていたときど選手は、「いちばん警戒していた」というMOV選手(ジャック&ダルシム)を一回戦で破り、順調にグランドファイナルへと駒を進めた。一方、ルーザーズトーナメントを勝ち上がってきたのは、ウィナーズファイナルでときど選手に敗れながらも、ルーザーズファイナルでMOV選手を倒して敗者復活を果たした“ゆきむら”選手(リュウ&一八)。ときど選手は、先鋒のダルシムで堅実に立ち回りながら、ジャンプ前強パンチを使った“中段攻撃”からのパートナーを絡めたコンボでダメージを奪っていくのが狙い。対するゆきむら選手は、じっくり相手に近寄り、一八の“最速風神拳”を絡めた大ダメージコンボでワンチャンスを狙っていくスタイル。試合は相手と距離を離したいときど選手と、なんとしても近づきたいゆきむら選手というわかりやすい構図に。今大会で多くのプレイヤーが苦しめられたときど選手の中段攻撃を、なんと、ゆきむら選手は驚くほどの確率でガード。1万試合を超えるというやり込みがから来るこの神懸り的なガードテクニックに、ギャラリーも熱狂。2試合先取していた(3試合先取制)ときど選手だったが、ゆきむら選手のガードテクニックに戸惑い、2連敗を喫して2勝2敗のイーブンに持ち込まれてしまう。しかし、国内外で数多くの修羅場をくぐってきた経験のあるときど選手は、最終試合で悪い流れを断ち切り、最後は得意の中段攻撃を決めて優勝をもぎ取った。優勝したときど選手は「本当にレベルがたかった。強敵を倒しての優勝なので、とてもうれしい」と喜びを表現していた。
優勝のときど選手。 |
準優勝のゆきむら選手。 |
●新旧のプレイヤーが激突した『ストIII』トーナメント
『ストIII』は稼動から10年以上が経過し、いまもなおやり込まれている名作対戦格闘ゲームだ。今回の大会では、10年以上活躍し続けているプレイヤーに加え、ここ数年のうちにメキメキと力をつけた若手プレイヤーなど、さまざまなプレイヤーが参加していた。そんななかグランドファイナルまで勝ち残ったプレイヤーは、MOV選手(春麗)と梅園選手(春麗)。MOV選手は『ストクロ』部門で3位入賞を果たし、『ストIII』では現役最強との呼び声も高い選手。一方の梅園選手は、一時『ストIII』から離れていたが、今大会のために“リハビリ”を行い復活した関西最強の春麗使いだ。そんなふたりの戦いは、しゃがみ中キックやしゃがみ中パンチ、立ち強パンチといった地上技でけん制し合う息詰る一戦となった。しかし、現役プレイヤーと一時離れていたプレイヤーのやり込みの差が出たのか、勝負どころをつぎつぎとものにしたMOV選手が梅園選手を圧倒し、優勝を収めた。優勝したMOV選手は「いままで公式の全国大会には縁がなかったので、優勝できてうれしいです」と念願の公式大会優勝に感激していた様子だった。
優勝のMOV選手。 |
準優勝の梅園選手。 |
●ウメハラ選手が12年ぶりの公式全国大会優勝を果たした『スパIV』トーナメント
『スパIV』トーナメントは、先日行われた“トパンガリーグ”(国内トッププレイヤーが参加する高額賞金付の大会)で優勝したプロゲーマーふ~ど選手(フェイロン)やチームマッドキャッツに所属するプロゲーマーのウメハラ選手らが参加して行われた。ふ~ど選手有利かと思われた大会だったが、終わって見ればウメハラ選手が“ウメハラ無双”とも言えるほどの圧倒的な強さを見せ付けて優勝。ウメハラ選手は大会を通じて、強気に放つ“強昇龍拳”と相手の一瞬の隙も見逃さない通常技による“差し返し”、そしてずうずうしいまでの“大胆な読み”で他の参加選手を圧倒していた。とくに、トパンガリーグで苦渋をなめさせられた相手ふ~ど選手に対しては、ウィナーズトーナメントとグランドファイナルで合わせて5連勝を記録するビーストっぷりを発揮していたほどだ。優勝したウメハラ選手は「フェイロン対策がしっかりとハマってよかった。」「うれしいですね。」と、トパンガリーグの反省が活きたことを勝因に挙げていた。なお、ウメハラ選手は2000年に開催された『カプコンVS. SNK』の全国大会以来12年ぶりの国内公式全国大会優勝となり、意外なようだが国内『ストIV』シリーズの公式大会では初のタイトル獲得となった。
優勝のウメハラ選手。 |
準優勝のふ~ど選手。 |
大会の最後には、カプコンの小野義徳エグゼクティブプロデューサーが登場し「みなさんありがとうございます。日本の格闘ゲームコミニティーを維持できているのはみなさんのおかげです」と、参加選手、来場者、視聴者にお礼を述べるとともに、「26周年、27周年と、今後もこういったイベントが開催できるように、今後も応援よろしくお願いします」と大会を締めくくった。なお、今回大会の『ストクロ』優勝のときど選手、準優勝のゆきむら選手、『ストIII』優勝のMOV選手、『スパIV』優勝のウメハラ選手、準優勝のふ~ど選手は、2012年12月に行われるカプコンUSA主催の世界大会に招待されることに。日本代表として選手たちが活躍する姿に注目しよう。
イベントは小野氏の挨拶で締めくくられた。 |
●2012年12月に開催される世界大会の日本代表となるメンバー
ときど選手(ストクロ) |
ゆきむら選手(ストクロ) |
MOV選手(ストIII) |
ウメハラ選手(スパIV) |
ふ~ど選手(スパIV) |
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