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ついにオープンβテストスタート! 『イクシオン サーガ』プロデューサーインタビュー

ゲーム PC ニュース
最大8対8でのチームバトルが楽しめる、カプコンのPC専用オンラインチーム対戦アクションRPG『イクシオン サーガ』。さまざまなテストとそのフィードバックを重ね、満を持してオープンβテストがスタートした本作の見どころや今後の展望などを、プロデューサーの早川泰彦氏と、東京開発部部長の杉浦一徳氏に伺った。

●満を持してオープンβテストがスタート

 最大8対8でのチームバトルが楽しめる、カプコンのPC専用オンラインチーム対戦アクションRPG『イクシオン サーガ』。さまざまなテストとそのフィードバックを重ね、満を持してオープンβテストがスタートした本作の見どころや今後の展望などを、プロデューサーの早川泰彦氏と、東京開発部部長の杉浦一徳氏に伺った。


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株式会社カプコン 東京開発部部長
杉浦一徳


株式会社カプコン
『イクシオン サーガ』プロデューサー
早川泰彦

――これまでのテストを受けての感想や、ユーザーの反応を教えてください。

杉浦一徳氏(以下、杉浦) 8月のクローズドβテストの前に、数回にわたってαテストやタクティカル・バトルテストを行ったわけですが、そのテストのときに少し不安に感じたのは、継続人数でした。限られた人数でのテストですので、同時接続者数が少ないのはいいとしても、テストを始めて、2日目、3日目の人の減りかたが、正直ひどかった。長く遊んでも意味がないなと、お客様に思われていたということです。それを早川にも指摘して、相当頭を悩ませていましたが、クローズドβテストでは、それが改善されていました。木曜日からテストがスタートして、週末も続けて行いましたが、かなりの人数が維持できていて、いい手ごたえを感じました。早川もチームのスタッフも、すごくがんばったんだなと、感情論ではなくデータが証明してくれました。

早川泰彦氏(以下、早川) お客様と意見を交換する、公式メンバーサイトの“イクシオン サーガ開発隊”でのやりとりが、とても活発に行われました。こちらからの投げかけに対して、数多くのレスポンスをいただき、お客様もリアルタイムで見ていただいていたんだなと、ありがたく思えましたね。そこでの議論を受けて改良されたところも、かなりあります。

――クローズドβテストで継続して遊ぶ人数を維持できた要因はどこにあるのでしょうか。

早川 連戦がしやすいマッチングの仕組みになっていましたし、ルールや人数のバリエーションも増えましたから、飽きを防ぐことができたのだと思います。また、お客様のあいだでも議論のポイントになっていた成長要素や、武器や防具の強化など、やり込める部分が増えたのも要因としては大きかったですね。オープンβテストでも、この成長要素については、さらに幅を広げる要素があります。

――オープンβテストの仕様に関してお聞かせください。まず、各スタイル(職業)間のバランスや役割について。

早川 ストライカー(剣士)、ブラスター(銃士)、キャスター(術士)の関係性については、過去のテストでも、もっとも熱い議論が行われてきたところです。タクティカル・バトルテスト以降は、戦闘のルールにしっかり根付いたバランスにしていこうと考えました。1体1の対人戦でいちばん強いのがストライカーで、拠点破壊や本拠地破壊に関してはブラスターが有利な立場になります。ブラスターには、キャスターと対になる役割も若干持たせてありますね。キャスターは、これはお客様のイメージとずれていたところだと思うのですが、バリバリの攻撃魔法を使うというよりは、回復やサポートが大きな役割となります。仲間を回復できる、仲間を助けられるチームの一員として貢献できる形にしていこうかと思っています。クローズドβテストでは、テストのひとつとして、潤沢に回復系のアイテムを提供したので、キャスターの意義が見つけづらいという意見もいただきました。ここは改善を行い、キャスターが活躍できるバランスにしています。

――回復系スタイルは戦況に影響を与えやすいイメージがあります。ほかのスタイルも含めて、マッチングしだいでは編成に片寄りが出てしまうかと思いますが、それで極端な有利不利が発生してしまうようなことがあるのでしょうか。

早川 現状では、しっかりした編成のチームのほうが勝率も高いというデータがあります。キャスターがいないとか、全員がストライカーといった片寄った編成になったときの弱味というのは、確かにあるんですね。ただ、それで特定のスタイルや編成が強すぎる、弱すぎるといったことがあるかというと、実際にはそうはならないと思います。たとえば1対2で戦ったとしたら、基本的には手が出ません。対戦開始前にラウンジで話し合って、装備を変更したりですとか、チーム全員で戦略を練ることができる時間がありますので、プレイヤーどうしのコミュニケーションや意思の疎通で十分対応できると考えています。実際に、5月のタクティカル・バトルテストよりも、8月のクローズドβテストのときのほうが、ラウンジでコミュニケーションをしっかり取っていただいたというデータが出ています。ゲームに慣れるにしたがって、事前の準備が重要だという認識が広まったのでしょうね。

――チームバトルらしく、コミュニケーションが最大の武器となるわけですね。

早川 むしろ、そこを楽しんでいただきたいと思っています。慣れといえば、9月6日にクローズドβテストのレポートを掲載して、ストライカー、ブラスター、キャスターの比率を公開したのですが、最後に装備していた武器種で抽出したデータで見ると、ストライカーの武器の比率が60パーセント近くありました。これはテストの最終日に、誰でも参加できる形式にしたために、新規のお客様が初期装備のストライカーのままで残ってしまったことが大きな要因としてあります。一方で、“よく使われた武器ランキング”を見ると、継続して遊んでいただいたお客様のスタイルの割合は、キャスターの武器がトップ10のうち、4つを占めていたので、バランスがよく遊んでいただけたのかなと感じています。

――キャラクターの成長システムついて教えてください。

早川 プレオープンβテストで、“スタイルスロット”というシステムを実装して、より多様な選択肢を用意しています。単純に、装備する武器種のみでスタイルが変化する、というわけではなくなりました。イメージとしては、好みのスタイルや武器種、成長タイプを選択して、スタイルスロットというひとつのセットを作り、それぞれ個別にレベルを上げ、成長させていく形です。たとえば、ブラスターでライフルを選んで、成長タイプを“技力特化”にしたスタイルスロットを作成したとします。戦闘を重ね、スタイルスロットのレベルが上がると、その組み合わせに対応したパラメーターが伸びていくことになります。組み合わせは多岐にわたりますので、いろいろな成長の方向性が考えられるわけです。オープンβテストの開始直後は、スタイルスロットの組み合わせは固定とさせていただきましたが、今後のアップデートで開放して、違う組み合わせを試せるようにします。同じライフルでも、“心力特化”など成長タイプが違えば特性もまったく変わってきますから、今後用意されるさまざまなフィールドやルールによって、どれがいちばん適しているのか、自分で探して組んでいく楽しみや、選択肢も増えたので、幅広い遊びが提供できると思います。ちなみに、いままでのキャラクターレベルはなくなりました。スタイルスロットごとに、“スタイルレベル”を上げていく形になります。

――たとえば、イメージ的に“剣士の腕力特化”はわかりやすいんですけど、“剣士の心力特化”はどういうタイプのキャラクターになるのでしょうか。

早川 心力特化は、スキルに絡む部分の能力が延びることになります。スキルを多用したい、重視したいというお客様にとっては、この組み合わせが適したものになると思います。剣でのアクションを重視したいなら、腕力特化がいいでしょうね。そのスタイルの、その武器種でどういったプレイがしたいのかを考えて、スタイルスロットを作ってもらえればと思います。

――腕力特化は直接攻撃でバリバリ攻撃するイメージ、心力特化は多彩なスキルを効果的に使い分けて戦うイメージですね。

早川 腕力特化は、通常攻撃の攻撃力が高くなるといった特性もあります。たとえば、アクションゲームや複雑な操作が苦手で、シンプルにボタンを押す攻撃だけでなんとかしたいという方でしたら、腕力特化を選んで操作を単純にする、という手もありますね。逆に、スキルを発動してテクニカルに戦いたいという方でしたら、心力特化を選ぶのがいいかと思います。

――あまり複雑な操作はできないんだけど……という人も、スタイルスロットの組み合わせによって、シンプルな操作で楽しむことができると。操作方法に関しても仕様が変わってきましたが、オープンβテストではどのような形になるのでしょうか。

早川 とくにスキル関連の操作が非常に複雑でしたが、前回のクローズドβテストの仕様でほぼ解決できたかと思いますので、ベースは継承して、大きな変更は加えていません。キーボード操作の場合はテストを通じてそれほど影響はなかったはずですが、ゲームパッドで遊ぶお客様には、過去に難しいと思えるところがあったと思います。いまは、だいぶシンプルになりましたので、ご安心ください。今後のことになりますが、よりライトなお客様が気軽に遊べるような操作方法の実装も、検討していくつもりです。

――対人戦がメインのアクションゲームということで、自分の操作テクニックしだいで有利になり、気持ちよさが味わえるといった部分も必要かと思いますが、そのような余地はあるのでしょうか。

早川 操作テクニックもそうですが、相手の動きを見極めて、そこにカウンターを入れるといった状況判断がより重要ですので、それが的確に実行できたときは、同じような気持ちよさ、爽快感が味わえると思います。また、操作がシビアになりすぎないように、攻撃の当てやすさには気を使っています。ブラスターやキャスターの攻撃に関して言えば、FPSほどのシビアな判定にはしていません。補正が掛かって、攻撃が当たりやすくなっています。

――装備の仕様について、オープンβテストではどうなるのでしょうか。

早川 長期間のオープンβテストのなかで、2段階に分けてテストを行うつもりです。ひとつめは、装備に新しく耐久値を設定して、それと同時に、同じグラフィックであっても、違う性能を持つ武器を用意して、複数本を持つ意味があるようにします。第2段階としては、装備にさまざまな属性を加え、アバター要素も取り入れます。見た目と性能を別個に設定して、自由にコーディネートできるようにしますよ。11月に国家戦という新しいコンテンツを入れるのですが、そのタイミングで、第2段階の要素を加えようと考えています。これまでは性能と外見が対になっていた部分が多く、選択の幅が狭かったですからね。クローズドβテストでは、外見はいままでの低ランク帯の装備だけど、性能が高いものを実験的に入れさせていただいたのですが、結果として、高ランクでプレイしているお客様が、その装備をあえて選んでプレイしている傾向が見られました。11月のアップデートでは、外見と性能は完全に切り分けられるようにして、自由に組み合わせを考えられるようにします。いま現在、自分のパラメーターは、ほかの方から見えないようになっていますから、たとえば初期装備の振りをして油断させてみることもできるかと思います。また、砂漠戦や夜間戦闘にあわせて、保護色を意識してみたり(笑)。キャラクターの名前が表示されているので完全ではないですけど、遠距離からのスナイピングをしにくくするという意味では、保護色もそれなりに効果があるはずですので、フィールドにあわせて装備をカスタマイズすることを考えるのもいいかもしれません。あとは、ユニオンで外見を統一したりですとか、そういう遊びかたもできると思います。

――装備の強化はどのように行うのでしょうか。

早川 いままでのように、バトルの報酬で得られる“アルマ結晶”を使って強化していくことになります。11月のアップデートからは属性が入りますし、プラスアルファで別の要素を入れようと思っているので、またそのときに詳細をお知らせするできると思います。

――スタイルスロットを考えて、装備を強化してとなると、どの組み合わせがいいのか悩まされそうですね。

早川 プレオープンβテストから、ダメージを与えた際に、その数値が表示されるようになりました。以前よりダメージ量が上がったとか、分析もできると思いますので、楽しく悩んでいただきたいです(笑)。

――このゲームで強いチーム、勝てるチームというのは、どういったタイプのチームになるのでしょうか。アクションが得意な人が多いチームなのか、装備が強力な人が多いチームなのか、チームバトルでの連携が取れるチームなのか。

早川 統率の取れたチームが間違いなく強いです。そのつぎは、ほぼ半々の割合だと思いますが、装備の強さとプレイヤースキルが必要になるでしょうね。装備の充実も、プレイヤースキルを高めていくことも重要ですが、チームとしての動きで十分カバーできます。2:1:1くらいの割合でしょうね。

――実際にプレイされて、感心させられた試合やチームはありますか。

早川 トップランカーと戦ったこともありますが、そのチームの統率の取れた動きは見ごたえがありましたね。あっという間にキル数が重なっていって(笑)。そういったチームに肉薄して、勝てないまでも接戦であったときとか、同じチームになって、その動きを間近に見ることができたときは、すごく刺激になりました。自分たちで作っているゲームですが、そうして上手なプレイヤーとのバトルでもおもしろいと感じることができたので(笑)、お客様にもそう感じていただけるのではないかと思います。

――ほかのプレイヤーと結成する“ユニオン”に関して、遊びの幅の広がりなどを教えてください。

早川 “天承ノ儀”という、ユニオンどうしが競い合う大規模コンテンツを実装しました。まず、ユニオン単位で支持する“承者”を選びます。承者は複数存在し、それぞれに特殊なスキルが設定されていて、順位に応じてそのスキルが発動します。今後は移動速度プラス1のような、バトルに直接影響が出るスキルや、報酬のゼニーがアップするスキルなど、さまざまな効果のスキルを用意していきますので、その効果で選んでもいいですし、外見で選んでいただいてもかまいません(笑)。当然、承者は任意で選択することになりますので、支持するユニオン数や人数の片寄りはできてしまいますが、その場合、多い承者のグループは、番隊として分けられます。異なる承者を支持するユニオンでバトルを行って、“票”(ポイント)を獲得していき、その蓄積総数によって最終的な勝利が決定される仕組みです。“票”の獲得量は、ランクが下位のユニオンほどボーナスとして多くなる仕組みにして、つねに接戦になるような形での調整を考えています。そのバトルの期間が終わったあと、もっとも多く“票”を稼いだ承者を支持していたユニオンには、期間限定で特殊なアイテムが付与されますので、つぎの期間、非常に活躍しやすくなります。『モンスターハンター フロンティア オンライン』の狩人祭をイメージしてもらえるとわかりやすいかもしれませんね。オープンβテストでは、できればそれを数回行ったあとに、11月の国家戦につないで、ユニオンとしての活動意義を持たせていきたいと考えています。

――国家戦はどういったコンテンツなのでしょうか。

早川 タイトルを発表した初期からお伝えしていた、大陸を二分する戦いです。戦略マップが表示されてそこで陣取りを行うようなイメージです。エリアごとに勝利を重ねることで占有ゲージを溜めて、そのエリアを占有する、といったことが行われます。国家戦には、ユニオンでの参加はもちろん、個人での参加も可能となります。モチベーションを維持していただくため、途中で中間での個人賞であったり、活躍したユニオンの発表などを行いたいと考えています。天承ノ儀、国家戦ともに、いまのところ1週間を区切りとして想定しています。ただ、実際に実施してみないとわからないこともありますので、注意深く様子を見ていくつもりです。通常のバトルも含めて、それぞれで受け取れる報酬を違うものにして、すべてのコンテンツに意味を持たせるようにします。

――オープンβテストでは、マッチングの仕組みも大幅に変わるようですね。

早川 “パーティーマッチング”と“バトルグレード”をワンセットとして導入します。これは、お客様からの要望が非常に多かった部分なんですね。これまでは、ユニオンはユニオンどうし、フリーの方はフリーどうしでしかマッチングしなかったんです。このとき問題としてあったのが、フリーの方がフレンドと同じチームになりたいがゆえ、フレンドが来るまで参加者のキックをくり返す、というケースが見られたことです。それを解消する手段として、フレンドと組みやすくするために、ロビーにいる段階から任意の人数でチームを組んで、全員まとめて、同じチームに入れるようにしました。これがパーティーマッチングです。

――なるほど。事前に誘い合って、まとめて同じチームに入ることができるわけですね。

早川 そうです。ただ、このシステムだけでは不十分なんです。イクシオン サーガ開発隊でも、慣れた上級者どうしが組んでしまったら、フリーの人が多いチームでは勝ち目がないのでは、ということが議論されていました。それを解消するのが“バトルグレード”です。まずキャラクターの戦績などを参照して、個人単位でグレードが決定されます。個人のグレードが集約されてチームのグレードとなり、それを参照して、グレードに差があるチームとはマッチングさせなくします。マッチング時は、最初に同じグレードのチームを探して、見つからなければ、プラスマイナス1の範囲で探し、それでも見つからない場合は範囲を広げる、という流れとなります。ただし、完全にイコールのチームを探し続けると時間がかかりすぎる場合もあるので、条件があわなくても、どこかのタイミングでマッチングさせます。ここで、グレードに差ができてしまった場合は、その差にしたがって、パラメーターに補正がかかるようにしています。これが最終の調整です。好きな人とチームを組んで、実力が近いチームどうしでマッチングさせて、どうしても最後の部分で差ができた場合は、補正をかける。この段階を経て、できるだけイコールコンディションで戦ってもらおうと思っています。このマッチングのシステムは、目に見えにくい部分でもありますので、しっかり意図や詳細などを伝えていきます。

――率直な感想を言いますと、その最終的な補正によってイコールにならされてしまうと、これまで遊び込んできた時間が意味のないものになるのでは、と不安を感じます。

早川 補正の範囲がどこまで及ぶのか、いまは明言しているわけではないので、不安に感じるお客様もいらっしゃるかと思います。ただ少なくとも、全部を均一にならすというようなことはしません。なぜバトルグレードを入れたかというと、レベル1の始めたばかりのお客様が、何もわからないまま、やられてしまうようなことを減らしたいという思いからです。補正をかけているのは、基本的な攻撃力や防御力など、ベースの部分だけで、スタイルスロットで生まれた特性に関しては活かす形になっています。個々の特性は残したまま、少し能力を近づけてあげる、ということです。

――すこし意地悪な質問かもしれませんが、すごくやり込んだ人が最初からキャラクターを作って、その補正を受けると手がつけられない強さになりませんか。

早川 ありがちですね(笑)。その場合は、もちろん活躍できる可能性はありますが、スタイルスロットのレベル上げによる蓄積の要素と、追加のスキルがまったくありませんから、その状態で圧倒的な活躍ができるお客様は、かなり限定されるのではないかと思います。ある程度、育っていないキャラクターでは、苦戦するシチュエーションが必ず出てしまいますから。

杉浦 ひとつ理解していただきたいのは、このマッチングのシステムに関しては、楽しく遊んでいただきたいと思って作っているので、その意図に反した、抜け穴を付くような遊びかたが出てきてしまった場合は、それを仕様として突き放すのではなくて、当初の目的を果たすために、当然直します。なにかあったら直す、としか言いようがないのが悔しいところですが、そこは信じていただきたいです。ただ、この部分に限らず、そういう抜け穴ができてしまっても、実害とのバランスを見ることはさせていただいています。多くのお客様が楽しめない状況であるなら、そこはしっかり直します。

――新しいNPCが追加されているようですが、どのような役割が与えられているのでしょうか。

早川 オープンβテストではオープニングムービーがありまして、それに登場するキャラクターとなります。候補生として、まだ人間の状態のプレイヤーが、あるミッションに向かわされて、獣人族に襲われるというシチュエーションです。命を落としかけたところで、エルピシエの傭兵企業のボス、トライデンがプレイヤーを救うという流れになっています。彼らが正式サービス時に実装予定のストーリーモードのキーパーソンとなっています。

――ストーリーモードは、どのように進行していくのでしょうか。

早川 PvE(エネミーとの戦い)がメインになりますね。PvP(対人戦)がメインのゲームですが、その導入段階として、触れていただきたいモードにしたいと思います。ただ、優先すべきは実践的なチュートリアルですので、オープンβテストではそれらをまず実装します。

――ストーリーは今後のアップデートで追加されていくような形になるのでしょうか。

早川 その予定です。『イクシオン サーガ』は、さまざまなメディアミックス展開をさせていただいており、それらと絡む部分も、ストーリーモードで展開されることになりますので、注目してほしいです。また、天承ノ儀や国家戦と同じように、魅力的な報酬もご用意したいと思います。

杉浦 PvPが楽しめるゲームは数多くありますが、ストーリーモードを搭載しているゲームは、ほとんどありませんよね。理由を聞いてみると「お客様どうしのバトルが物語を紡ぐんです。だから不要です」と答えが返ってくるんですが、言いかたは悪いんですけど、それは、お客様を楽しませるストーリーモードを作る技量がないんじゃないの? と思うことが多々ありますね。とくに海外タイトルは。PvPがメインのゲームで、ストーリーモードの優先順位をどこに置くかは、それぞれの判断ですし、間違っているとは言えませんが、正直、ストーリーものを作ることを苦手としている会社はあると思いますよ。おもしろいストーリーは簡単にできるものではないですし、オンラインゲームですから、物量も必要になります。アニメのワンクールくらいのボリュームでは、満足していただけないでしょうね。これは相当しんどいことなので、それを乗り越えようという会社、チームは少ないと思います。それを実行しようとする、『イクシオン サーガ』のチームは、地力がついてきたということなんでしょうね。でも本当に、たいへんそうだなあと見てて思います(笑)。最終的にどう評価されるかは、これとは別の話ですけどね。

――では最後にひと言、お願いします。

早川 これまで非常にたくさんの意見や要望をいただいてまして、そのなかには当然、まったく正反対の意見、要望があります。これまでフィードバックされたことに、自分の意見が取り入れられていないじゃないか、と感じるお客様もいらっしゃると思いますが、それに関しては、こちらから継続的に説明していくべきことと感じています。ひとつ例を挙げると、操作をシンプルにしたことにともない、選べるスキルを6つから4つに減らしたのですが、イクシオン サーガ開発隊では多いほうがいいという意見もあれば、スキルを厳選するのが個性であっておもしろい、という正反対の意見も見られました。それに対して私たちは、個性をより強く出していくためには、スキルの均一化を避けるべきと考え、4つにするほうの意見を重視したということを説明させていただきました。もし、自分の意見とは正反対のことが行われているじゃないかと思われたときには、イクシオン サーガ開発隊を見直していただいたり、フィードバックシートを改めて見ていただければ、納得していただける項目が必ずあるかと思います。それでも納得いただけないのでしたら、その要望をお届けいただけると、非常にありがたいです。テレビアニメ『イクシオン サーガ DT』も10月からスタートしますし、コミックの連載や、ライトノベルの発刊も控えてます。いまから『イクシオン サーガ』の世界に触れていただく機会が増えてくると思いますので、もとになったゲームに含まれる、世界観のひとつとして気軽に楽しんでいただければうれしいです。

杉浦 早川はこの4月から『イクシオン サーガ』に専念して、いちばん情熱と愛情を注いできた人間です。オープンβテストでは、彼の仕事の成果をお客様に披露することなるわけですが、いいゲームと思われてほしいな、というのが上司としての率直な気持ちです。オリジナルのオンラインゲームを立ち上げるということで、カプコンの東京開発部全員で、いろいろなことを考えて作ってきたつもりです。これからも、12月に予定している正式サービスまでに、盛り込むコンテンツもいろいろと用意していきます。古くから開発隊員(テスター)としてお付き合いいただいたお客様には、だいぶゲームが変わったことを実感していただいていると思います。オープンβテストは2ヵ月ほどを予定していますが、この2ヵ月のあいだにも、いろいろ変わっていくはずです。それも我々といっしょに体験していただければと思います。12月には、早川がお金を支払うのにふさわしいゲームに仕上げていると思いますので、楽しみにしていてください。私も最大限バックアップしていきます。




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