indigo7というバンド名には、虹の色のエピソードがあるとか。8月3日、「on your way」でデビューしたindigo7が、あなたの心に寄り添うメッセージを届けます!
かなりしつこく口説かれた
――まずはバンド誕生に至ったいきさつをお願いします。
【キタダイユウジ】 もともと僕は個人で他のアーティストに楽曲提供をしたり、ファッションショーをやったりCMを作ったりしていたんですが、自分の声と言葉で歌いたいなという気持ちが強くなってきて、バンドを組みたいと思ったんです。それで、その頃レコーディングなどで一緒になったメンバーや、もともと知っていてindigo7に合いそうなメンバーをひとりずつ口説いていきました。でも集まってみると、イメージしていたindigo7とはちょっと違っていました(笑)。
――バンドという形にこだわった理由は?
【キタダイ】 なんていうか、ひとりで作ることに飽きちゃって。さみしかったのもあると思います(笑)。
――みなさんがこのメンバーでバンドを組む決め手は何だったんですか?
【宮路ヤスアキ】 もともとキタダイくんの作品が好きだったというのが大きな理由ですね。彼の作る音楽をプレイするのはきっと楽しいだろうな、というところが一番の魅力でした。
【朝倉琢也】 僕はキタダイくんと一緒にレコーディングしたり、演奏したりする仲だったんです。彼の曲も好きだったし、バンド経験もそんなになかったので、誘われたときに面白そうだなと思ったんですよ。
【庄司大輔】 最初(キタダイ)ユウジくんに声をかけてもらったときは、そんなに乗り気じゃなかったんですけど、かなりしつこく時間をかけて誘われたんです。昔から彼がどんな人間か知っているし、彼の音楽も知っているので、そこまで言うなら絶対に楽しいと思ったんですよね。
【KENT】 本当、キタダイくんにはしつこく口説かれましたからね。
【キタダイ】 ていうか有無を言わさずでした(笑)。クリスマスに誘いに行ったよね。
【宮路】 ワインで落とされました(笑)。
【KENT】 毎週ご飯に誘われ、お酒を飲まされてね(笑)。でも最後はやっぱりキタダイユウジの作る曲が好きだったので、それが一番の決め手です。
やんわりと、でもちゃんと連れて行きたかった
――みなさん、それぞれミュージシャンとして確立されている方々ですが、バンドの方向性はどのように確立されていったんですか?
【キタダイ】 もともと音楽性の違う5人ですから、方向性というモノにはこだわってはいないんです。なので最初の頃はスタジオに入って音を出すというよりは、ご飯を食べてお酒を飲んでバーベキューとかして……という時間のほうが長かったですね。
――人間的なつながりが大きいバンドということですね。デビューまでの道のりは?
【キタダイ】 「indigo7ってこんなバンドだよね」という曲を書こうとしていたときは、曲も言葉も何も出てこなくて。それで心がボキッと折れたんですよ。もう諦めようと。そしたら、この「on your way」という曲ができたんです。歌詞もブワーッと出てきて、20分くらいで書けました。
【KENT】 あのときは2〜3ヶ月まったく連絡がなくて心配しましたよ。で、突然「できたよ」と、この曲が送られてきたんです。曲を聴いて、速攻で電話して「最高!」と言って、ガチャッと切りました(笑)。
【宮路】 僕も曲を作るからわかるけど、そういうときは変に突くよりもそっとしておいたほうがいいと思って、黙って待っていましたね。
【朝倉】 ユウジくんはもともとキャッチーな曲を書く人なので、この曲を聴いたときは、やってくれたな!と、すごくうれしかったです。
【庄司】 初めて聴いたときから、出だしの<君はただただ>というところが印象的で、しばらく頭の中でずっとループしていた記憶があります。
――この曲は、最初はじんわ〜りと背中を押してくれていて、気がついたら心に熱さを届けられていたという印象でした。
【キタダイ】 たぶん性格的なモノなんですけれど、僕、“みんなついてこい!”みたいなことがあまりできなくて。かといって、人目のつかないところでそっと導くってこともできなくて。やんわりと“ちょっとこっち行ってみない?”とか、“明後日くらいにはいいことあるかもよ”とか、それくらいの手触りで、でもちゃんと連れて行きたかったんです。
――「on your way」に対するこだわりは、どんなところにありましたか?
【KENT】 僕、2番のAメロとBメロが大好きで、<大きな後悔 したって まぁAll right>というそのメッセージが、一番届いてほしいなと思っているんです。失敗って大事だと思うんですよ。失敗しないってことは挑戦していないってことじゃないですか。だから僕はパフォーマーとして、この前向きな気持ちが伝わればいいなと思っています。
【宮路】 僕はギタリストとして、雰囲気が刺々(とげとげ)しくならないように、歌詞に沿ってやさしく温かくあるように、という部分を大事にしました。
【朝倉】 歌モノをやる場合の自分のドラムスタイルは、必ず声、メロディ、歌詞を活かすということなんです。なのでユウジくんの声、歌詞、メロディをどれだけ前に出せるか?ということを考えながら叩いているので、わりとシンプルな8ビートを心がけましたね。
――そして庄司さんは?
【庄司】 CDのジャケットを見てもらったら、やさしい雰囲気が伝わると思うんです。それが全体のコンセプトでもあったので、感情の押し付けにならないように、聴いてもらったとおりの感情をそのまま吸い取ってもらいたいなと思っていました。
――ジャケットにもメッセージがあるようですね。
【キタダイ】 履きなれた靴で、一歩一歩前に進んで行けば、花のように明るい何かが未来にはあるんじゃないかな?というメッセージです。
自分たちの境界線を作りたくない
――カップリングの「7min.」は「on your way」以上にデジタル音が前面に出ていますね。
【キタダイ】 バンドの演奏はベーシックに考えてはいるんですけれど、そこにこだわり過ぎると自分たちのアウトプットが狭くなるだけなので。その辺は曲によって合うモノを取り入れていきたいなと思っているんです。
――これは、ひと目惚れがテーマですか?
【キタダイ】 ひと目惚れのちょっと手前くらいですかね?みんな、こういう経験ありますよね。街中でステキな人に出会ったとか、クラス替えですごくカッコいい男子と同じクラスになったとか。そういう瞬間の話です。
――その一瞬の切り取り方がリアルですね。
【キタダイ】 僕ら、うっすらと大人になって、いろいろな経験をしてきちゃっているぶん、含みが出てくると(聴き手に)届かないかな?と思ったので、できるだけシンプルにしたかったんですよ。
――みなさんは、そういうステキな人に出会ったときはどうするんですか?みなさんのキャラを探りたいので教えてください。
【キタダイ】 僕は声をかけますよ。
【KENT】 え、すごいね。
【キタダイ】 たとえばカフェで働いている女の子だとして、2年後くらいに声をかけとけばよかったなと思い出して後悔するよりも、声をかけてフラれるほうがいいです。
――前向きですね……。
【KENT】 僕は声をかけられなくて、何度もその店に通っちゃうタイプです。
【庄司】 僕もまったく同じです(笑)。
【宮路】 僕は声をかけますよ。何でもない話をして、それに対する反応で脈アリかナシかを判断しますね(笑)。声をかけなきゃゼロ、かけたら少なくともゼロではなくなるじゃないですか。ゼロで終わるのは哀しいから声はかけます。
【朝倉】 うん、まったく同じです。
【KENT】 みんなすごいな。……心のメモ帳に書いておきます(笑)。
――ありがとうございました。indigo7は今後、どんな道を進んでいくのですか?
【キタダイ】 自分たちのできることとできないことの境界線を作りたくないなと思うんです。なので音楽も私生活も、興味のあることや心が反応したことには全部トライしていきたいですね。
(文:三沢千晶)
『oricon power next 』 とは・・・
オリコンが月間1アーティストだけ選定する、次のブレイクを担う新人アーティスト!
デビューから5年以内で、これまでにオリコンランキングのTOP20にランクインしていないアーティストの新曲を、
一般モニター100人が“音”だけで採点します。
そしてエントリー中、一番得点の高いアーティストを「oricon power next」に選定し、
1ヶ月間オリコン各メディアのほか、USENの協力によりプッシュしていきます!