キーボードの園田涼を中心に、バイオリン(熱田哲)、チェロ(橋本怜)、ギター(赤股賢二郎)、ベース(牧瀬崇之)、ドラム(小山田和正)という6人編成のインストバンド・ソノダバンドが、アルバム『ルネサンス』でメジャーデビューを果たす。J-POPでもフュージョンでもない、ジャンルを超えた独特の音楽性が放つポピュラリティは、すでにアメリカでのライブでも実証済み。今後、日本の音楽シーンに一石を投じそうだ。
「Soul River_2010」は、この6人編成でないとできないロックチューン
――園田くんが高校時代に結成したバンドがベースとなって、現在のスタイルになったそうですが、珍しいバンド編成ですよね。どんなバンドにしたいと考えていましたか?
【園田涼】 バイオリンとチェロがメロディーをとる、インストバンドにしようと思っていました。例えばバイオリンをボーカリストとすると、チェロはコーラスの役割になったり、曲中でチェロがリードをとったり、バイオリンとデュエットになったりと、バリエーションが付けられるんです。かつ、メロディーがキャッチーで聴きやすく、口ずさめる音楽であることが、ソノダバンドの一番のコンセプトです。
――デビューアルバム『ルネサンス』には、さまざまなジャンルのテイストが入っていますが、もっとも今のソノダバンドを表している曲は?
【園田】 個人的にも特に気に入っている「Soul River_2010」ですね。この6人編成でないとできない代表曲のようなものです。その他にも、メンバー全員が共通して好きなジャンルがロックということもあって、「Reflections」も今のソノダバンドをよく表している曲だと思います。
――この1stアルバムをリリースして、今後の目標は何ですか?
【園田】 メンバー全員の気持ちとしてあるのは、世界に出ることですね。日本では「歌がないと売れない」とよく言われるんですけど、今年3月にアメリカ・テキサス州オースティンで開催された音楽ショウケース『SXSW』でライブをやったときに、自分たちでもびっくりするぐらい盛り上がったんです。歌がないインストだからこそ、世界に伝わりやすいんだ、ということを実証できたと思います。
【橋本怜】 ラテン、ロック、ポップス……どんなテイストの曲調をやっても受け入れてくれて、熱狂してくれたので、これからどんどん海外でやっていきたいですね。
【牧瀬崇之】 アメリカでライブをやった後に、アルバムのレコーディングだったので、細かいタイム感のずれを気にするよりも、バンドのノリや勢いを大事にするようになりましたね。
【赤股賢二郎】 もちろん自信はつきましたし、自分の意識としても、演奏の細かいことを気にするより、思いっきり楽しんだ方がいいんだという基本的なことに、自然と気づけたんですよね。それが今回のアルバムにも影響したと思います。今後ライブも含め細かいことを気にせずに楽しんでいきたいと思います。
“生演奏”へのこだわりはかなり強く
――では『ルネサンス』の聴きどころをお願いします。
【小山田和正】 全体的にすごくスピード感があって、運転中に聴くと、ついスピードを出しすぎてしまうアルバムです(笑)。ロック色の強いバンドアンサンブルの気持ちよさを感じてほしいです。
【熱田哲】 バイオリンも、バンドの中のひとつの楽器として溶け込んでいるところを感じてほしいですね。最初に園田さんが言った「バイオリンをボーカリストとすると」とは少し逆説的ですけど(笑)、そういう幅広いアプローチも聴きどころの1つです。
【園田】 音楽は昔……それこそ古くはオーケストラから始まって、ビッグバンドになり、少人数のバンドになり、そこからテクノロジーがいろいろ変化してきて、今はDJが1人いれば演奏できる時代です。そうなると当然、反動というものが起こると思うんですよ。僕らはかなり生演奏にこだわっているので、ライブでも絶対に同期演奏やクリックは使いません。そういう「生楽器のアンサンブルっていいよね」ということを、もう一度気づいてほしい。僕らはそんな気持ちでいます。
(文:井桁学)
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