今年7月にレーベル移籍第1弾としてリリースしたシングル「SHIVER」が、アニメ『黒執事II』のオープニングテーマに起用されてヒット。自己最高位タイ記録の2位にランクインしたthe GazettEが、早くもニューシングル「Red」をリリース。12月26日に行われる初の東京ドーム公演に向け、期待の高まる楽曲に仕上がった。
やっとみんなの前で演奏できるのが嬉しい
――「SHIVER」は週間シングルランキング2位を獲得。アニメ『黒執事II』の主題歌だったことでも、ファン層が広がったのではないですか?
【れいた】 より多くの人に聴いてもらえたということで、2位は単純に嬉しかったですね。まあ、1位はやっぱり難しいんだな、と(笑)。あと、手紙とかで「初めてライブを観に来ました」って書いてくれている人はけっこう多いです。
【ルキ】 ライブは、初めて来てくれた人でも楽しめるようにと、意識はしているつもりなので。みんな楽しんでくれたんじゃないかと思いますね。
――ニューシングル「Red」は、マイナー調のメロディーだけどポップ感もありながら、サウンドはヘヴィーという。より新しいところを目指しているんだなと思いました。
【ルキ】 「SHIVER」を作ったことでできた曲だといえますね。あれよりもっとヘヴィーな部分や、歌詞でドロッとした部分が欲しいと思ってできたので。今の僕らのテンションは、ヘヴィーでグイグイ行くとか、メロディーがあまりないものよりは、ヘヴィーさとメロディー感がうまく共存したものをやるのが楽しいんですよ。
【れいた】 聴けてノレるっていう。僕らの曲はライブだと、わりと暴れるか聴くかしかないみたいなところがあって。その中間を上手くついた曲です。ベースのプレイ的には、この曲は忙しいことをしないで、自分自身もゆったりと弾きながらノレる演奏を意識しました。忙しいアレンジにすると、ライブ中に動きが止まったりするので。
――ライブでどう演奏するかも含めた上で制作していたんですね。
【れいた】 「SHIVER」のレコーディングから1ヶ月後にレコーディングしていて、すでにツアーも決まっていたから。やっとみんなの前で演奏できるのが嬉しいです。
ずっとやりたかった東京ドームでのステージ
――歌詞のテーマは「赤い糸」だそうですが?
【ルキ】 最初は「Red」じゃなくて「Black」だったんです。で、途中でひらめいて。歌詞を書くときは、自分の中でグッと来るシチュエーションやワードを考えるんですけど、それが今回は「赤い糸」だったという。いかに運命的なものにもつれるかみたいな、そういうドロッとしたものが曲と合うな、と。
――赤い糸は信じますか?
【れいた】 赤い糸っていうと古くさいけど、絆とか繋がりという意味では、メンバー同士、男と女、バンドとファン、全部何かしらで繋がっていると思うし。そういうものなら、あっても良いんじゃないかと思います。
【ルキ】 僕は基本は信じていないです。それは、自分で赤い糸を感じたことがないからで、霊を見たことあるとかないとかに似た感覚です。赤い糸って、昔からある奇妙な言葉で、でもその感じはけっこう嫌いじゃないですね。
――10月1日からツアー後半戦がスタートします。
【ルキ】 前半とは別モノにしたいと思っていて。前半で何をしたいかが分かって、それが後半に活かされる感じ。
【れいた】 前半の熱をそのまま冷まさずに、後半戦でも出せればと思います。
――12月26日は初の東京ドームですね。
【ルキ】 気楽にやりたいですね。いつもでかい会場だと力が入ってしまうので。あまり気負わずに、ツアーを毎日やってこそ見せられるものがあると思うので、それを見せられたらなと思います。
【れいた】 嬉しいですね。ずっとやりたかったところなので。ツアー初日の気持ちをそのままドームまで持続できればと思います。みんな、それぞれの想いで、好きなように暴れてくれたら嬉しいですね。
(文:榑林史章)